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2022年3月14日

【連載ブログ・『ギルガメシュ叙事詩』Reports】vol.2-深掘り!ギルガメシュ叙事詩とは

今回のブログでは『ギルガメシュ叙事詩』の簡単なあらすじをご紹介します。

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『ギルガメシュ叙事詩』は古代メソポタミアで生まれ、12の粘土板に刻まれた壮大な物語で、都市国家ウルクのギルガメシュ王の成長と冒険を描いた文学作品です。最近では、ゲーム・アニメの題材や下敷きにもなっています。原題を直訳すると“深淵をのぞきみた人”、“すべてをみたる人”なんだとか。
数千年間にわたって口伝え、読み書き継がれた作品で、現代で言うと、大ベストセラー作品!稽古場には、関連書籍がずらり。


 
ギルガメシュ王は、ウルクの人々を苦しめる暴君で、全ての民の花嫁との初夜はまず自分!その次の晩からは花婿でよい、、など驚きのエピソードもでてきます。そんなギルガメシュ王に立ち向かう者として、神様たちがエンキドゥをつくります。

エンキドゥは自然の中で暮らしていましたが、ある日、聖娼シャムハトの導きでウルクを訪れます。シャムハトは魅力ある女性!とおさえておきましょう。

そして、暴君ギルガメシュ王の話を聞き、エンキドゥギルガメシュ王に闘いを挑みます。少し、太宰治の『走れメロス』を彷彿とさせます。


▲今回のチラシは、ギルガメシュ王エンキドゥのふたりをイメージして作成されました
 
ギルガメシュ王エンキドゥの力は互角で決着がつかず、戦い疲れた二人は・・アツい友情で結ばれます!
漫画によくある、なぜかライバルと一番仲良しになる展開です。


ギルガメシュ王役・大高浩一(左)とエンキドゥ役・大道無門優也(右)の稽古風景
 
エンキドゥと友情で結ばれたギルガメシュは成長し、ウルクの人々から愛されるようになります。そしてふたりは都市の建設のためレバノン杉を求め、森へと向かい、レバノン杉の森を守る巨大で恐ろしい怪物フンババと対峙し、打ち倒します。今回の上演では、フンババは巨大な操り人形として登場します!


 
戦いの後、エンキドゥはその罪により命を落とします。
ギルガメシュ王は深い悲しみに沈み、死を恐れ、永遠の命を求めて、不死の人・ウトナピシュティムを探す旅へ出ます。その先で待ち構える、太陽の昇る山の門番・サソリ人間と、ウトナピシュティムに仕える船頭ウルシャナビ

彼らは、ウトナピシュティムのもとへギルガメシュ王を案内してくれるのでしょうか。そして不死の人・ウトナピシュティムとはどんな人なのでしょう。
ギルガメシュ王は無事、不死身を手に入れられるのでしょうか。


ギルガメシュ王役・大高浩一(左)と船頭ウルシャナビを操る沢則行(右)の稽古風景
 
演出・宮城聰は、『ギルガメシュ叙事詩』は人間を越えた者と人間の出会いを描き、人間の限界を人間が知る話。今回の上演では、沢則行さんとタッグを組み、人間を“ちょっと越えた存在”として人形たちを登場させることで、物語をわかりやすく表現できるのではと語っています!

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連載ブログ、第2回目はここまで。
次回はSPACと初タッグ!人形デザイン・操演の沢則行さんにスポットを当ててご紹介いたします。お楽しみに。

執筆:高林(制作部)

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フランス国立ケ・ブランリー美術館委嘱作品/SPAC 新作
『ギルガメシュ叙事詩』

台本・演出:宮城聰
翻訳:月本昭男(ぷねうま舎刊『ラピス・ラズリ版 ギルガメシュ王の物語』
音楽:棚川寛子
人形デザイン:沢則行

出演:阿部一徳、大高浩一、石井萠水、大内米治、片岡佐知子
榊原有美、桜内結う、佐藤ゆず、鈴木陽代、関根淳子
大道無門優也、舘野百代、本多麻紀、森山冬子、山本実幸
吉植荘一郎、吉見亮、渡辺敬彦
/沢則行(操演)、桑原博之(操演)

公演日時:
2022年5月2日(月)、3日(火・祝)、4日(水・祝)、5日(木・祝)
各日18:40開演

会場:駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場

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