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2022年4月4日

【SPAC演劇アカデミー】3月までの後期授業の振り返り

2022年3月12日をもってSPAC演劇アカデミー1期生の活動が終了しました。
今回は、年明け1月からのアカデミー生の活動をレポートいたします。
 
実技
1月からは成果発表会に向け、舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」にて朝から夕方までみっちり稽古を行いました。テクニカルスタッフも参加し、本番同様の照明や音の中で稽古を行えるようになったことでアカデミー生のテンションも高まってきた様子。セリフを覚えてからはより役と向き合うようになり、さまざまな悩みに直面し、演出の寺内に相談したり、アカデミー生同士で話し合ったりしながら稽古が進められました。
 

▲本番前の平日の稽古は静岡芸術劇場のカフェ・シンデレラで行うことも
 

2月20日(日)の成果発表会では、アカデミー生の保護者のみなさまをはじめ多くの方がご来場くださり、満席の客席の中、この1年間の実技で行ってきたトレーニング、そして三島由紀夫作、寺内亜矢子演出の『三原色』を披露しました。3人の登場人物を13人で演じ分けた『三原色』は、シンプルな作品ながら重層性を持った演出で、アカデミー生たちの迫真の演技に多くの観客が心打たれた様子でした。
 

▲トレーニング実演の様子
 

▲『三原色』上演の様子
 

お客様からは、
・1年間の挑戦にあたっては1人1人にいろいろな理由、続けていく中での悩み、葛藤もあったかと思います。皆さんの真剣な眼差し、力強い発声、身体の動き、自信に満ちた表情。三原色の素晴らしい演出をそれぞれ精一杯演じている姿に見入って、あっという間の時間でした。
・皆の演技に鈴木メソッドの徹底が演劇の質を上げていることが認識できた。
などの感想をいただきました。

演じていたアカデミー生の感想も少しご紹介いたします。
・若さのはかなさに気がついた。今しかできない作品だと思った。
・演劇の自由度の高さを知ることができた。3人しかいない登場人物の作品をこの人数でどうやって演じるのか謎に思っていたが稽古を進めるうちに形になっていった。
・三島の言葉が難しく、最初は理解できなかったが稽古を重ねるにあたり、わかるようになってきた。
 

▲成果発表会~実技~を終えての集合写真
 

『夜叉ヶ池』観劇
「SPAC秋→春のシーズン2021-2022」のラスト作品である『夜叉ヶ池』を観劇しました。終演後には、出演俳優・布施安寿香との対話が行われました。布施から演劇との出会いや学生時代のことを聞き、アカデミー生からは『夜叉ヶ池』のこと、舞台俳優のこと、大学のこと等さまざまな質問が飛び出しました。
布施自身がかつて寺内演出の『三原色』に出演したことがあり、その時のことも話してくれました。
 

▲布施安寿香とアカデミー生の対話の様子
 

『教養の書』を読む
戸田山和久著『教養の書』を教材とした「『教養の書』を読む」では1年間みんなで音読をしながらわからない語句を調べたり、出てきた映画を鑑賞したりしました。

この本を通してさまざまな書籍や映画を知るきっかけにもなり、自主的に読書感想文を書いた生徒もいました。
アカデミー生からはこの授業を通して、
・本を読むのが得意ではなかったが本の楽しさを感じることができた。学校で習った知識が登場したり、逆に『教養の書』で学んだことが実生活で活用でき、本を読む良さをしることができた。
・この本には生きるヒントがたくさん書かれていて面白かった。重く考えなくても生きる道はたくさんあることに気が付いた。

などの感想が出ました。
 

ミュージカル映画で学ぶ英語
大学受験を終えた高校3年生も2月後半から復帰。
成果発表会に向けての本格的な稽古は3週間ほどでしたが、スキマ時間も使って稽古に励みました。
各自のソロやデュエット曲は自分たちで曲を決め、演出をつけました。
映画を見て、自分が歌う曲はどういったシーンなのかを再確認し、動きや声色、表情を工夫していきました。
 

▲みんなで集まっての練習の様子
 
3月12日の成果発表会では、保護者のみなさんの前でミュージカル映画『RENT』のナンバーをそれぞれ披露。
入校時には英語が苦手だと言っていたアカデミー生も音楽に合わせ楽しそうに英語で歌っていました。
 

▲役に合わせギターを練習し、披露するアカデミー生
 

▲特技のダンスを交えながら歌うアカデミー生も
 
「ミュージカル映画で学ぶ英語」成果発表会後には修了式も行われました。
主催である静岡県関係者からは、1期生ということに自信を持ち、新たな成長の糧にして、将来はこの静岡県の「演劇の都」を背負っていくような人材になっていただけたら、という言葉をいただきました。
校長・宮城聰からは、自分の体験も踏まえて、アウトプットはなるべく後倒しした方がよい、といったお話があり、アカデミー生ひとりひとりに修了証書が渡されました。
また、アカデミー生からは、この1年を通して学んだこと、今後それをどのように活かしたいかを話してもらいました。
※アカデミー生たちの声は後日別のブログでお伝えいたします!
 


▲修了式を終えての集合写真

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