夏のアカデミーの活動は特別授業が盛りだくさん!
今回は夏の活動を前編と後編に分けてレポートします!
7月22日~26日、静岡芸術劇場ではSPAC演劇アカデミーの集中講習が行われました。
午前は隔日で「『教養の書』を読む」と「小論文」、午後は「実技」です。
「『教養の書』を読む」はテキストを読むことから離れたスペシャル授業で、1日目は『教養の書』にも登場した「ビブリオバトル」を実際に行いました。
ビブリオバトルとは、各メンバーが面白いと思った本を持ち寄り、1人5分の持ち時間でその本について紹介、質疑応答も行います。
全員の紹介が終わったら1番読みたくなった本に投票し、1番票を多く獲得できた本をチャンプ本とするというものです。
アカデミー生も好きな本を持ち寄り、あらすじや好きなポイント等をプレゼンしました。
持ち寄った本の中には、小説や漫画だけでなく、資格や路線図のガイド本も!
ひとりひとりの個性とともに、たくさんの新しい本と出会えたビブリオバトルとなりました。
▲ビブリオバトルの様子
2日目には、1962年に公開されたSF映画『ラ・ジュテ』を視聴しました。
『教養の書』には登場しませんが、ふつうに暮らしていると多分見ない映画だろうということで講師の大沢がセレクト。
視聴後は、感想や疑問を話し合いました。
一緒に作品を見て、それぞれが感じたことを話し合うと、お互いをより深く知る時間になります。
「小論文」では「理想の学校」についてそれぞれが書いたあと、他のアカデミー生が書いたものに自分の意見を付け加える、ということを行いました。
何をポイントに書いているのかを踏まえながら他人の文章に意見を加える作業は、自分一人で文章を書くこととは違った難しさがあるようでした。
「実技」では、初めて静岡芸術劇場に立つということで最初は緊張していたアカデミー生。
まずは、袖の中を見たり、壁を触ったりしながら、舞台の構造を把握します。
そのあとはトレーニング。
普段使っている「楕円堂」とは違う空間なので、同じトレーニングでも身体への意識が変わってきます。
寺内が担当するワークでは、5日間の授業を通して「空間」「音」「言葉」と身体の関係を考えていきました。
1日目は空間、2日目は音、3日目は言葉、というふうに段階的に要素を加えていきます。
最終日には、この3つの要素を使って1人2分のパフォーマンスを実施。
アカデミー生ひとりひとりが、どういった音をいつ流すか、舞台のどこでパフォーマンスをするか、誰のどういった言葉をいつ発するかを考え、発表しました。
▲ソロパフォーマンスの様子
1人1人のパフォーマンスを行うごとに、観ていたアカデミー生の感想タイムが入ります。
よかった点や前日までのパフォーマンスとの違いをそれぞれの言葉で話しました。
自主稽古の時間もお互いに相談し合う姿が見受けられ、舞台に立つのは1人ですが、アカデミー生みんなでつくった作品であるように感じました。
アカデミー生は3月の成果発表でふたたび静岡芸術劇場に立ちます。
ここからどう磨かれ、変わっていくのかが楽しみです。
▲パフォーマンスをしたアカデミー生に感想を伝えている様子
5日間の集中講習では、どの授業でも自分が今見たものや読んだ作品についてどう思ったかを言語化する力が高まったのではないかと思います。
アカデミーでは、SPAC作品の観劇も活動のひとつです。
夏には、人材育成事業のスパカンファン-プラス『Reborn』、SPACシアタースクール 『グスコーブドリの伝記』を観劇し、終演後には、観劇して感じたことを話しました。
『Reborn』では、言葉がない分頭の中でストーリーを考えながら見たり、昨年も観劇したアカデミー生には新たな気づきがあったりしたようです。
『グスコーブドリの伝記』では講師の寺内、布施も参加し、グループに分かれて宮沢賢治の言葉で感じたことなど感想を伝え合いました。
後編では8月23日~25日に行われた「座・高円寺」との連携事業の様子をお届けします。
(制作部・北堀瑠香)
★「SPAC演劇アカデミー」とは
「世界にはばたけ、teenagers!SPAC演劇アカデミー」は、2021年度に開校した高校生対象の1年制の演劇塾で、<世界で活躍できる演劇人>を目指す若者の感性を育むことを目的としています。劇場に通いながら、SPACの創作現場の“熱”をじかに感じられる環境の中で、少数精鋭の高校生たちが切磋琢磨する──そんな場をつくります。SPACの俳優・スタッフらによる指導のもとで演劇を学び、名作戯曲の上演に向けての稽古に取り組むと同時に、教養・英語・小論文の学習にも力を入れ、思考力・対話力を身につけていきます。詳しくはこちら
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▼集中講習(実技)の様子はこちらよりご覧いただけます。