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2023年9月17日

SPAC演劇アカデミー3期生 夏の特別授業〈後編〉

演劇アカデミーでは、夏に特別授業がたくさん行われました!
前編では集中講習とスパカンファン‐プラス、シアタースクールの観劇の様子をお伝えしました。
後編では8月23日~25日に行われた座・高円寺劇場創造アカデミーとの連携事業の様子をレポートします!

【1日目】
まずはSPACの説明と自己紹介からスタート!
「座・高円寺」のアカデミー生はSPACに来るのが初めてという参加者も多く、SPACの説明を興味深く聞いてくれました。
自己紹介では自分を漢字1文字で表し、「勢」「旅」「沈」「糸」などそれぞれが選んだ字について解説しながら自分について話しました。

そのあとは、静岡芸術劇場で石神夏希演出の『お艶の恋』(秋→春のシーズン#2)の稽古を見学。
演出の石神と俳優、スタッフが話し合いながら創作している様子を目の当たりにしました。
 

 
稽古を見学した後は、石神さんとお話タイム。
地域に出向いてまちの人とアートプロジェクトを行うことが多かったという石神さん。
プロジェクトを進めるうえで気をつけていることや今までやってきたアートプロジェクトとSPAC俳優と劇場という空間で作品をつくることの違いをお話してくれました。
まだまだ聞きたいこともありましたが、次のプログラムへ!
 

▲石神さんとのお話の様子
 
次は、『ばらの騎士』(秋→春のシーズン#3)の稽古をリハーサル室で見学。
宮城作品といえば俳優の生演奏!
役を演じつつ演奏もするSPACの稽古を間近で見ることができました。
 

▲『ばらの騎士』稽古見学の様子
 
見学の後は『ばらの騎士』の演出であり、SPAC芸術総監督の宮城聰とのお話。
劇場の役割や野外での上演の際の声の出し方などについて話してくれました。
宮城が考える劇場の存在意義は、両アカデミー生にとって刺激になったようです。
 
芸術局長・成島からは企画の立ち上げから上演までのスケジュールの話やどのような経歴の人がSPACで働いているかを教えてもらいました。
SPACでは特に新作の稽古を2期にわけ、夏ごろに1か月行い、お休みをはさみ本番前に稽古が再開することが多々あります。
SPACでは、特に新作創作の場合、夏ごろに1か月稽古/本番に向けた稽古と2期に分けることが多くあります。
連携事業が行われた夏の期間は、「秋→春のシーズン」の新作3つの第1期稽古が同時に行われていました。
また、SPACで働いている人は、専門的な知識を学んできた人もいれば、所属している部署の勉強や仕事の経験がない人もいます。
それらについて劇場創造アカデミー生からは驚きの声もありました。
 

▲宮城とのお話の様子(左)、成島とのお話の様子(右)
 

▲宮城・成島と記念写真
 
「座・高円寺」のアカデミー生は夜、舞台芸術公園の野外劇場「有度」を見学しました。
舞台では、「SPAC県民月間2023」に向けてK’s pro.が稽古中でした。

1日目はSPAC作品の稽古の様子、それに携わる人のお話を聞き、よりSPACのことを知ることができた1日となりました。
 

 
【2日目】
この日はまず静岡市街を歩き、静岡県庁に向かいました。
県庁では、東アジア文化都市担当県理事の渋谷浩史さんより静岡県が掲げる「演劇の都構想」について話してくださいました。
普段はなかなか聞くことのできない行政としての演劇の関わり方を知ることができました。

そのあとは静岡市文化・クリエイティブ産業振興センター(CCC)にてパフォーミングアーツコーディネーターの甲賀雅章さんよりCCCが行っていることや甲賀さんが行ってきたことを話してくれました。

この日の最後はアーツカウンシルしずおかの方のお話を伺いました。
社会とアートをつなぐ仕事の説明や今年2年目のアーツカウンシルしずおかの課題をお話してくれました。


▲2日目の様子。アーツカウンシルのお話の時、外には虹がかかっていました!
 
静岡で様々な形でアートと関わっている人のお話しを聞き、発見がたくさんあった1日となりました。
 
【3日目】
最終日は、2日間のフィールドワークのまとめを行いました。
グループに分かれて、2日間色んな人の話を聞いて発見したこと、モヤモヤしたことを出し、「みんなの居場所としての劇場」について考え、発表しました。

どのグループも悩みながらも話し合い、「居場所」から思いつくコンテンツを例に考えたり、すでにある劇場の事例を交えながら考えたりしました。
 

 
希望者は、そのあと舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」で稽古中の『伊豆の踊子』(秋→春のシーズン#1)を見学。
多田淳之介演出の稽古に2つのアカデミー生ともに興味津々!
 

 
東京と静岡、普段は別々の場所で活動する2つのアカデミー生。
住んでいる環境が違う人とフィールドワークを行い、新たな発見があったのではないかと思います。
座・高円寺劇場創造アカデミーのみなさんありがとうございました!

(制作部・北堀瑠香)

 
★「SPAC演劇アカデミー」とは
「世界にはばたけ、teenagers!SPAC演劇アカデミー」は、2021年度に開校した高校生対象の1年制の演劇塾で、<世界で活躍できる演劇人>を目指す若者の感性を育むことを目的としています。劇場に通いながら、SPACの創作現場の“熱”をじかに感じられる環境の中で、少数精鋭の高校生たちが切磋琢磨する──そんな場をつくります。SPACの俳優・スタッフらによる指導のもとで演劇を学び、名作戯曲の上演に向けての稽古に取り組むと同時に、教養・英語・小論文の学習にも力を入れ、思考力・対話力を身につけていきます。詳しくはこちら

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