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2024年7月13日

2024年度「ひらけ!パフォーミングアーツのとびら」訪問記②

SPACの学校訪問プロジェクトである「静岡県 子どもが文化と出会う機会創造事業(ひらけ!パフォーミングアーツのとびら)」の訪問記第2弾!

今回は「学ぼう!えんげき教室」についてお届けします。

「学ぼう!えんげき教室」では、俳優が講師となり「伝えるチカラ」を育むワークショップを、授業の目的や学校として取り組みたい課題などにあわせて行います。

実際どのように行われているのか、2校の実施例をご紹介します。

①俳優と一緒に劇をつくる
6月に訪問した静岡市立玉川小中学校では
◆学校では出会わない大人と接する機会を作りたい
◆言葉の面白さを感じたり、普段の音読に活かせることをしたい

という学校側の目的にあわせたワークショップを実施、俳優の宮城嶋遥加が講師を務めました。

生徒11名と俳優でどんなことができるのか、先生と相談しながら講師がプログラムを作っていきます。
今回は、生徒の皆さんと一緒に「おススメの本1冊を紹介する劇をつくる」ことになりました!

学校にもご協力をいただき、事前にオンライン授業をしてから本番日を迎えました。


▲事前オンライン授業の様子

事前に考えてもらった「自分のオススメの本」について話してもらいました。それぞれ家にあった本、親におすすめしてもらった本、図書室で見つけた本などを紹介してもらいました。低学年の生徒さんには、印象に残ったシーンの絵を描いてもらいました。

ワークショップ当日はグループに分かれて本の紹介をショー仕立てにしていきます。
舞台として用意したレッドカーペットにみんなワクワク!オススメの本の中で印象に残ったワンシーンをどのように表現していくかグループごとに相談して作っていきます。

本番は、みんなドキドキしながらも、いきいきと楽しんで発表できたようです!
高学年の生徒さんが低学年の生徒さんの発表をサポートしている様子がとても印象的でした。

授業をとおして、身体を使って表現することを体験してもらいましたが、誰かに何かを伝える方法は1つだけじゃないという面白さを感じていただけたら嬉しいです!
 
②俳優の職業講話
焼津市立小川中学校では、総合的な学習の時間で
「今後の自分の提言や大事にしていくことを発表する」ことを目標に様々な分野で働いている人からお話を聞く、職業講話を行なっていました。
こちらは俳優の春日井一平が講師を、同じく俳優の佐藤ゆずがアシスタントを務めました。

まずは講師の春日井から、
⭐︎SPACや舞台俳優の仕事について
⭐︎どうして自分が舞台俳優の仕事をしているのか
⭐︎「演じる」とはどういうことなのか

という内容を生徒皆さんと相互のコミュニケーションを取りながら話していきました。


▲みなさん興味津々で聞いていました。

途中、俳優たちが「演じる」とはどういうことか、実演を交えて紹介。それを見た生徒さん1人ひとりが、演じている俳優の細かい表情や態度から関係性や背景を想像して様々な感想を言ってくれました!


▲実演の様子
 
後半は演劇のワークショップを行いました。
「演劇はコミュニケーションの芸術」をキーポイントにグループやペアに分かれて取り組んでいきました。


▲名前のキャッチボールをおこなっている様子

相手との間に距離があっても、声をしっかりその相手に届けることができるかチャレンジしてみました。大きな声を出すだけではなく、「名前を呼んだその人」に届けることがなかなか難しいようです。
この他にも、2人1組になり、ペアになった人になりきって自己紹介をするワークショップを行いました。相手をただ紹介するのではなく、自分がその人本人になったつもりで自己紹介をしていくところがポイントです。自分ではない誰かのことを自分事のように話す、まさに演劇でも同じことが行われていますね!

授業の終わりには沢山の生徒さんたちが俳優2人に色々な質問をしてくれてました。
50分という短い時間でしたが、少しでも演劇や俳優のお仕事を知ってもらうきっかけになれたらとても嬉しいです!
 
それぞれの学校の環境や参加する生徒さんたちの目標に寄り添って、授業を展開していく「学ぼう!えんげき教室」。普段の授業とはまた違う出会いや刺激を届けていけるようにこれからも活動していきます!

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SPAC-静岡県舞台芸術センター 芸術局 制作部 アウトリーチ担当
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