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2010年11月13日

<『わが町』のちょっといい話24>美術担当の深沢襟さんにちょっと聞いてみました

11月9日(火)スノドカフェにて、「今井朋彦さんと古典戯曲を読む“カモしれない”会(通称:読むカモ会)」が開催されました。今井さんの他にも、『わが町』出演中のSPAC俳優も急遽飛び入り参加したりと「読むカモ会」は大いに盛り上がりました!今井さんはロミオを情熱的に、そしてジュリエットを可憐に演じて?くれました。最後には今井さん自ら、小泉八雲の「むじな」を朗読してくれるというサプライズもあり、参加者全員が大満足のひと時を過ごしました!

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また11月13日(土)『わが町』公演終演後には、今井朋彦さん(朗読)と松本泰幸さん(サックス)と松本侑大さん(ピアノ)による朗読演奏会が行われます。『わが町』の半券チケットをお持ちの方は無料でご覧になれますので、こちらもどうぞお見逃しなく!http://spac.or.jp/news/?p=2520

 『わが町』公演も残すところ13日(土)、14日(日)の2ステージとなりました。まだご覧になっていない方は是非劇場にお越し下さい!!

 

 今回のインタビューは、美術を担当しているSPAC技術部の深沢襟さんです!

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 Q)『わが町』の美術のコンセプトについて教えてください。

A)    この戯曲は美術として出来ることが非常に少ないんですが、その僅かな要素から、観客に場面を想像させるしくみが戯曲に盛り込まれているので、まずはそれを再現していくということを考えました。戯曲の中に「ここは美しい場所です。」というセリフがあって、何を美しさの基準とするかという事を考えてみた時に、日常の中にあるふとしたものが、ある瞬間に見せる別の表情を捉えて見ようと思いました。

 Q)もし死んでから、生きている頃の世界に戻れるとしたら、いつを選びますか?

A)生きてきて両親を喜ばせることができたことって少なくて・・・。私が一番親を喜ばせることが出来たっていうのは、私が生まれた時なんじゃないかなと。だから私が生まれた日、生まれた瞬間に戻って、親がどれくらい喜んだのかを見てみたいですね。

 Q)『わが町』について一言。 

A)当たり前なんですけど、その日というのは一日しかないっていうことを、『わが町』をやってみてすごく感じました。だけど、そうとわかっていても一日一日を新しい気持ちで過ごすというのは非常に難しいですよね。時間ってどんどん流れていってしまうものなので、そのことを無駄にしないで生きるという事と、一生のうちに出来ることの少なさ、ということについて考えさせられました。

「 主人とネコ2匹がいるんですけど、自分と全く違う感覚のものが日常に存在しているってすごく貴重なことだと思うんです。それぞれの一日というのが家の中にあって、4倍楽しめるというか・・・。だからどんなに疲れていてもそのことを面倒くさがらずに、主人にもネコにも向かい合うように努力しているし、日常ってそういうことの蓄積と小さな出会いの繰り返しだと思うんです。」という深沢さん。シンプルで美しい舞台をご堪能下さい!