ブログ

2007年10月9日

第4回中部高等学校演劇研究会秋季公演 第2日目・3日目 審査結果発表

第4回中部高等学校演劇研究会秋季公演が、静岡芸術劇場にて開催されました。

9月24日(月)は、発表会参加公演として、
●城南静岡高等学校『THE ドタバタ劇』
●静岡女子高等学校『夏芙蓉』
●常葉学園橘高等学校『トシドンの放課後』
が上演されました。

9月29日(土)・30日(日)は、コンクール参加公演として、
 ●県立大井川高等学校『へたくそなメッセージ』
 ●県立藤枝北高等学校『ゴミはゴミ箱へ』
 ●県立島田工業高等学校『あの日見た桜』
 ●静岡学園高等学校『祭りよ、今宵だけは哀しげに 〜銀河鉄道と夜〜』
 ●静岡市立商業高等学校『ごはんのじかん2ぃ』
 ●県立焼津水産高等学校『Drug Artist』
 ●県立中央養護高等学校『機織る音のする里に』
 ●静岡県立榛原高等学校『人間リサイクル』
 ●県立静岡城北高等学校『僕らの仕事』
が上演されました。

 
この公演では、静岡県中部地区の高校の演劇部員の皆さんに、静岡芸術劇場を活用して、より技術的に優れた芝居づくりに挑戦してもらうために、毎回私たちSPACのスタッフが、技術指導をおこなっています。
  

演劇部員の皆さんが、技術面にも意識を向けるようになった結果、今回の公演は、どの高校も徐々に、舞台作りのレベルが向上しつつあるという印象を持ちました。この劇場で一度獲得したスキルはきちんと後輩に受け渡し、なおいっそう高い目標に向けて、次回以降も頑張ってもらいたいです。
  

24日の発表会参加公演では、各校の上演後に「幕間交流会」が設定されており、それぞれの公演に対する意見・感想・質問を、観客が上演校に対して伝えることができました。また、3校の上演が全て終了した後にも「全体交流会」が設けられ、「幕間交流会」の議論を踏まえ、各校がコメントを返しました。
  

29日・30日のコンクール参加公演は審査形式で、全校の公演が終わった後で、審査講評がおこなわれました。今回は私、SPAC文芸部のスタッフである大岡淳が、コンクール参加公演の審査を担当させていただきました。最優秀校1校、優秀校1校、優良校7校を決定し、最優秀校と優秀校は県大会出場に推薦されるというものです。責任重大な役目とあって、緊張しました。
  

審査の結果、
●最優秀賞 静岡市立商業高等学校『ごはんのじかん2ぃ』
●優秀賞 県立静岡城北高等学校『僕らの仕事』
という結果となりました。おめでとうございます。
[1]

 
  
  
  
  
  
  
審査基準についてですが、スタッフワークに関しては、全体にレベルが上がってきているので甲乙つけがたかったというのが正直なところです。ただ、劇場を使った練習に合わせてきちんと準備ができており、スムースに対応できた高校は、やはり本番の作品のレベルも高かった、ということは言えると思います。
  

それ以上に重視したのは、
(1)俳優の演技が「こういう演技が理想である」という明確なイメージ(せりふ、性格、動きなど)を持ったうえで作られているか
(2)俳優の演技が、バラバラになされておらず、アンサンブルが成立しているか
(3)しっかりした内容のある脚本が選ばれているか
という3点です。
  

最優秀校に選ばれた静岡市立商業高等学校さんは、速いテンポの芝居なのに形が崩れず、見事なアンサンブルが成立しており、脚本も良かったです。優秀校の県立静岡城北高等学校さんも、やはり俳優の演技に統一感がある点を評価しました。
  

発表会参加公演についても、コンクール参加公演についても言えることですが、全体に今後の課題は、
(1)他校の公演をよく見て、技術面でも内容面でも、よいところをどんどん盗む。
(2)脚本の選定を、さらに工夫する。
ということだろうと思います。特に(2)については、全国の高校演劇部にとって課題になっていることではないかと思われますので、私たちSPAC文芸部としても、今後なんらか協力していきたいと考えています。

  
中部地区高校演劇部の皆さんの、よりいっそうの飛躍と発展に期待しています!

[1] http://otsukimi.net/spac/blog/wp-content/uploads/2007/09/IMG_6199.JPG