さて、「ふじのくに⇔せかい演劇祭2012」、
6月2日開幕のまであと残すところ、10日ほどとなりました。
開幕まで待ちきれないという皆様に向けて、5月19日に開催しました、
<『ペール・ギュント』稽古&バックステージ大公開!>の様子をレポートします。
当日は予定していた定員の30名を上回る方に、ご参加いただきました。
15:00 受付をすませ、みんな集まったら、いよいよ劇場客席へ。
劇場に入ったとたん、ステージ上の巨大なすごろく盤に釘付けです。
そしてみんなが劇場に入って、席に着くやいなや、おもむろに音楽が。
舞台のすごろく盤両サイドから聞こえてきます。稽古開始です。
ペールが4カ国の外国人と会議をする場面から始まり
異国の地で惚れた娘アニトラとの仲睦まじく語らうシーン、
ぐらぐらゆれる船の甲板で船員と会話するシーン、、、。
稽古のはずなのに、途切れることなく、
本番さながらにすすんでいきます。
俳優の衣裳も本番に限りなく近い状態。
30分経ったところで、演出の宮城が稽古をストップ!!
そして、「ペール・ギュント」の物語や、今回の演出を解説します。
『ペール・ギュント』はノルウェーを舞台にして
今から150年ほど前に書かれた物語。
今回の演出では、物語はほぼ原作のそのまま。
けれども、ペールをちょうど今から150年くらい前の
近代国家を目指す日本の姿になぞらえているそう。
小道具で出てきた5色の旗や、登場人物の衣裳から、
ペールという男の物語を、どういう風に明治時代の日本と
重ねてみることができるのかを説明しています。
旗を持つのはソールヴェイを演じる女優・布施です。
そして、宮城の解説が終わったら、バックステージツアーです。
いよいよ舞台の裏側や穴の中が見れます。
まずは 舞台監督の内野が、この作品のことや舞台装置のこと、
それから照明や音響、衣裳といった舞台を
裏側で支えるスタッフの仕事について説明します。
舞台班の竹内登場。
本番中、どんな仕事をしているのか紹介します。
黒い手袋をしたり、時には顔を黒い布で覆ったりして、
お客さんには気づかれないように、
小道具を俳優さんに渡したり、舞台の転換をしているそうです。
一通りの説明が終わると、いよいよ参加者も舞台の上にあがってみます。
3つのグループに分かれて、俳優やスタッフの説明や注意に耳を傾けながら、
順番に舞台に乗ったり、楽器に触らせてもらったり。
みんな、思い思いにあちこち。
そして、とうとうあの舞台の上の穴です。
『ペール・ギュント』では、沢山の登場人物が
この穴からいきなりひょこんと現れては、
すとんと落ちて消えていきます。
まるでどこか他の世界に通じているかのような、
舞台の上にぽっかりと空いた穴。
いったいその中はどうなっているのでしょうか。
まずは穴に接近。
ん?
よ~くみると、真っ黒な穴の周りがうっすらほんのり明るく縁取られています。
さらに目を凝らしてみると、これは実は穴にあわせて、
照明をあてているんです。芸が細かいですね。
そして、穴の中。
ただの穴でした。
ペールも村人もあんなに勢いよく飛び出てくるので、
何か仕掛けでもあるのかと思いきや、
あの勢いの正体は俳優の足のバネヂカラだったんですね。
舞台奥の穴の中には、階段も。
この穴から見た景色。
あっ、主役のペールを演じる武石発見!
稽古のあと、舞台上にいないので、どこにいるのかと思ったら、こんなところに。
記者のインタビューに答えています。
そして舞台袖には小道具置き場やおびただしい数の衣裳が。
出演者が20人いて、同じ俳優がいくつもの役を演じる『ペール・ギュント』の衣裳は、
なんと100着以上もあるそうです。
舞台裏を見れば見るほど、聞きたいことや、
知りたいことが、次から次へと浮かんできて、
俳優やスタッフへの質問は絶えません。
舞台の上や下やらあちこちで、話に花が咲きます。
すごろく盤下の暗がりでも、参加者と俳優が、
3月に南米コロンビアのイベロアメリカ国際演劇祭招聘公演の
苦労話をしていたり…。
あっという間の1時間半でした。
俳優たちは、これからまだまだ磨きに磨きをかけ、
皆さんのご来場をお待ちしています。
6/2&3の本番も、どうぞお楽しみに。
<ふじのくに⇔せかい演劇祭2012 >
『ペール・ギュント』
6/2(土) 6/3(日) 13:30開演 @静岡芸術劇場
上演時間160分(途中休憩含む)