劇場文化

2019年6月1日

【イナバとナバホの白兎】『古事記』の「稲葉の白兎」挿話における八十神の身分をめぐって(イグナシオ・キロス)

カテゴリー: 2019

 大学時代から上代の『記紀』の文章に興味を持ち続けた私は、『古事記』の「稲葉の白兎」という、比較的有名な神話を考察する機会が何度もあった。しかし、主観的な印象にすぎないだろうが、この物語にはさまざまな謎や理不尽なことが多いため、深く取り組んだことはなかった。まずこの神話が『日本書記』や『風土記』には見られないことをいつも不思議に思っており、また兄弟の八十神に袋を背負わされた、白兎を助けた大穴牟遅神と、その後の「国作り」を行った大国主神とは、同じ神であるはずだが、その間には奇妙な存在としての隔たりを感じ、ひょっとしたらこの挿話がどこかから『古事記』に強引に挿入されたものなのではないかと思うこともあった。もちろんこれらの点に関しては、以前から神話学や人類学などの視点からさまざまな説があり、まさに難題である。しかし、レヴィ=ストロースによれば、大穴牟遅神とその兄弟との間に起きた対立は、多少の相違点もあるが、普遍的な神話に当たるものであるため、方法論上、特別な意味を考える必要がないであろう(1)、と言われており、私はその論を読んで以来、その挿話に対する興味が薄くなってきていた。 続きを読む »

2019年5月8日

【ふじのくに⇔せかい演劇祭2019】寄稿一覧

カテゴリー: 2019

「ふじのくに⇔せかい演劇祭2019」で上演された作品の寄稿は、演劇祭のウェブサイトにてご覧いただけます。
※リンク先のページの「寄稿」ボタンをクリックしてください。

【マダム・ボルジア】
『ルクレツィア・ボルジア(マダム・ボルジア)』とボルジア家 (立田洋司)

【ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む】
唐十郎『ふたりの女』あるいは〈数〉と〈名〉の戯れをめぐって (八角聡仁)

【Scala –夢幻階段】
ヨアン・ブルジョワ―無限への落下者 (乗越たかお)

【マイ・レフトライトフット】
ロバート・ ソフトリー・ゲイルからの問いかけ (町山智浩)

【歓喜の詩】
身体の詩人-ボボーを悼む (芦沢みどり)

【メディアともう一人のわたし】
『メディアともう一人のわたし』を楽しむためのキーワード (コ・ジュヨン)

【コンゴ裁判 ~演劇だから語り得た真実~】
『コンゴ裁判』が照らし出す真実 (武内進一)