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2013年5月10日

「ディープな」ふじのくに日帰りツアーのご提案

「ふじのくに⇄せかい演劇祭2013」のパンフレットに、「ちょっとディープな」西伊豆めぐりというページがあります(40~41ページ)。お読みいただけましたでしょうか?
*パンフレットはこちらからダウンロードしていただけます。
これを読んで、静岡を旅してみたくなったみなさま。実は誌面に載り切らなかった「“西へ”編」があるのです。

案内人は、静岡生まれの静岡育ち、SPAC個人会員の県庁職員で、旅とグルメに詳しい山下浩平さん(34)です!!

それでは、どうぞよろしくお願いいたします!

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静岡から車で1時間弱、県西部の市「袋井」「磐田」には、北部には遠州三山と呼ばれる名刹や明治期に建てられた近代建築、南部の平野部には広大な田園が広がっています。観光地としてはマイナーな地域ですが、首都圏では味わえない「豊かさ」を味わう旅をご提案。

9:00 静岡 発
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10:00
可睡齋

火防信仰千三百年の歴史を誇る「可睡齋」の一風変わった名称の由来は、徳川家康公との縁。幼少期の家康が当時の可睡齋の和尚に命を救われた縁から、後に浜松城主になった家康が和尚を城に招いたところ、何とこの和尚、目の前で居眠りを始めてしまった。それを見た家康が、和尚の大らかさを悟り「和尚、睡る可し」と言って一笑したそうです。
可睡齋の魅力は、その絢爛な建築と独特の「ゆるさ」にあります。昭和12年に建築された総檜造りの書院「瑞龍閣」の天井画や襖絵は必見。



そして圧巻はこの「トイレの神様」。「大東司」は、昭和12年に建築された当時としては珍しい水洗トイレなのですが何ともトイレ内に御覧の立派な鳥蒭沙摩像(健康を守るトイレの神様)。そして浄財。

また、多くの修行僧が宿坊で生活している様子を垣間見ることができ、僧たちの書道や絵画展などが展示されていたりします。


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11:30
どんどこあさば

袋井ICから南へ、海に向かって真っ直ぐ車を走らせると大田園地帯に入ります。この浅羽地域は、県内屈指の穀倉地帯。米、メロンを始め、多彩な農作物が実り地域内食糧自給率が70%を超える豊かな地域です。そんな田んぼの真ん中に突然現れるオレンジ色の建物。「どんどこあさば」は、浅羽地区の有志が、地元の農作物をもっと知ってもらいたいという思いから立ち上げた会社で、2008年には、毎日新聞社主催グリーンツーリズム大賞の優秀賞に輝くなど農業を基本とした独自の地域づくりを進めています。

敷地内には、農産物直売所の「おかって市場」と農家風健康バイキング「あぐりレストラン 陽だまり」が併設しており、特にこの「陽だまり」は、筆者が県外からお客様を招くとき、スケジュールが合えば必ず御案内しているお勧めのバイキングです。
まず、料金は1575円(子ども、シルバー料金あり)。時間制限は、ありません。特産品であるクラウンメロンも含め、地元で採れた野菜や鶏肉、鶏卵をふんだんに使った料理が食べ放題です。並ぶ料理は、鶏のから揚げやほうれん草の胡麻和え、きりぼし大根や肉じゃがなど、どちらかというと素朴なメニューが中心。しかし、どのメニューも、「素材が良いとこんなに味が変わるのか」と驚愕し、感涙するレベル(注:筆者主観)です。
この中でも、特に私がお勧めしたいのは、まず「ナポリタンスパゲティー」。アルデンテから数分煮込んだ柔らかな太い麺に、トマトソース、というよりトマトそのものが大胆に絡んだこの味は、正にかあちゃんの弁当の味を極限まで美味しくした「日本のスパゲティ」。





そして、忘れてはいけないのは地元の米「龍の瞳」。まず、茶碗に盛って驚くのはその一粒の大きさ。通常の米よりも一回り大きい「龍の瞳」は、ふっくらとした歯応えと米そのもの甘みが抜群で、これに浅羽産の生みたて温泉タマゴをかけてかき込んだときの多幸感は、筆舌に尽くしがたいものがあります。


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13:00
見附学校

どんどこあさばから田園地帯を西に向かうと、サッカーで有名な磐田市に入ります。磐田市の中心部「見附」は、平安~鎌倉時代には国府が置かれ、16世紀には町人による自治が行われるほど繁栄した、東海道の28番目の宿場町です。藩政期に入って自治権は失われていきましたが、明治期に至るまで住民の意識は高く、明治5年に学制が発布されたわずか1年後、明治6年に見附学校は開校しました。明治8年には、現在も残る日本最古の学校校舎が落成。その後、縫製学校や教員養成所など様々な用途に使われ、現在では明治以降の学校教育の記録を残す資料館として活用されています。

館内1階の教室には、明治期の授業風景を模した人形が。お約束のこんな写真を撮る方が、数多く見受けられます。展示されている昭和初期の教科書(復刻版)や、教室のオルガンなど、実際に手にとって読んだり弾いたりすることができるものもあり、なかなかの見ごたえ。

入口の手すりは、揺れますが大丈夫です。

=====耳より情報=====
見附学校にて、リーディングカフェを開催!

日時:6月6日(木)14:00~16:30
読む戯曲:『サン・サクルマンの四輪馬車』
参加費無料

ご予約・お問い合わせ先:
SPACチケットセンター TEL.054-202-3399 (10:00~18:00)

経験不問、途中参加OK!
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
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14:00
見附天神(矢奈比売神社)

見附天神は、県内各地の受験生が参拝する学業成就の由緒ある神社です。

この入口の鳥居の前に佇む、精悍なお犬様の像。この神社の奥に進むと、このお犬様「しっぺい太郎」を奉った神社、その名も「霊犬神社」があります。

しっぺい太郎は、静岡県に伝わる民話。
昔、遠州見附の村では、毎年祭りの時期に若い娘を天神様に人身御供として差し出すという悲しい習慣がありました。そこへ訪れた旅の僧が、天神様が人身御供など要求する訳がないと調査したところ、山に住む猿の物の怪の仕業だと判明。そこで、信濃の光前寺から霊犬「しっぺい太郎」を連れ、共に物の怪を退治したという伝説です。
ちなみに、これは磐田市のゆるきゃら「しっぺい」。「しっぺい」。


狼の血を引いているという精悍さを微塵も感じないフォルムです。また、静岡県文化政策課が昨年発行した「マンがたりShizuoka」には、この「しっぺい太郎」を始め静岡に伝わる14の民話や伝承をマンガで紹介。ウェブサイトから無料でダウンロードできますので一見の価値ありです。


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15:30
法多山

聖武天皇時代の建立とされる法多山・尊永寺は、可睡齋と並んで、「遠州三山」の一角を担い、県内一の初詣の参拝客数を誇る名刹です。最近では、篤志家の住職が、境内を市民に開放してイベントを開催している風変わりなお寺としても知られ、市民主催のフリーマーケット「コトコト市」、星空観測会「星満夜」など、1年を通して仏教行事の範疇を超えた多彩なイベントが開催されています。


法多山と言えば絶対に欠かせないのが、この「厄除け団子」。一皿200円で2棹、お土産は6棹入って500円というリーズナブルさに加え、これを食べると厄を除けることができるという言い伝えから、ほとんどの参拝客がこの団子を買って帰ります。私の地元では「法多山に行ってきた」は「厄除け団子を買ってきた」と同義です。また、「お茶湯日」と言って、一月に一回だけその日に参拝すれば90日~46,000日分の御利益があるというスペシャルデー(7月10日の縁日が一年の中で特に徳の高い日[46,000日のご利益])に団子屋に行くと、袋井茶をふんだんに練りこんだお茶団子が購入可能。緑色ですが、通常の3倍の厄除け効果があるということでその日は開店前から団子屋に行列ができるとか。


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17:00 掛川I.C
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18:00 静岡I.C
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18:30 舞台芸術公園または静岡芸術劇場 着

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SPACでは、「ふじのくに⇄せかい演劇祭2013」をご観劇のお客様に、<ホテル特別割引>をご用意しております。
ぜひ、6月の週末は、お泊りで、舞台も、観光も、自然も、グルメも、ぜーんぶひっくるめて静岡をご堪能ください!