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2014年2月6日

【此処か彼方処か、はたまた何処か?】紹介文(2)

『此処か彼方処か、はたまた何処か?』
紹介文の第二弾は劇作家の佐々木治己氏です。
佐々木氏は2/14の公演の終演後トークセッション(聞き手/大岡淳)にもご登場くださいます!

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学生演劇をやっているときに、観客のアンケートに「こういうの、アングロっていうんですか、暗くて、何言ってるのか分からない感じの」と書かれ、それ以降、アングロサクソン系が私の演劇だと思っていたが、その方も私も間違えていたようで、それは「アングラ」というものを指していたらしい。しかし、アングラというものだと訂正されても、アングラとアンゴラの区別もつかぬうっかり者にはなかなか分からない。演劇を続けていれば門前の小僧習わぬ経を読むとやらで、何かそれっぽくなってくるのかなと、特権的肉体に己の根拠を見出してみたり、その辺を睨みつけては骨の羽根を広げていた。ある日、発見の会の瓜生良介さんのお宅へ伺った。差し出されたお茶を疑い「これ、おしっこ入れた湯飲みですか?」と聞いたところ、「おしっこは自分のじゃないと意味ない」と、聞きたい答えと微妙にずれているとは思ったが、グイと飲み干し、更に尋ねた。「瓜生さんはアングラをどう考えているんですか?」「表に出ないことだね」と一言。その後は、花田清輝の話で盛り上がり、アングラとは舞台形式だけではなく、組織論なのだな、と一人合点をしていたときに、煙ばかりで何が何だか分からない舞台写真が気になった。つまりは、これが『此処か彼方処か、はたまた何処か?』の舞台写真。「この舞台は、僕にもちっとも分からなかったけど、発見の会で一番面白かった公演で、劇団の研究生たちがやったんだよ」とかなんとか言われると、そんな面白い公演の戯曲が出版もされず、再演もされず、語られることもない、しかも研究生たちだけの公演だったのかと、ドキドキやきもきとしていたが、そうだ、アングラは表に出ないことが一つの条件、なるほど然り、と思っていた。しかし、ついに、流出してしまった。戯曲が雑誌に載っていたらしい。アングラの条件から一つ外れているじゃないか、というのはむにゃむにゃとさせていただき、「何故、宣伝をしないのですか?」という私の愚問に、「宣伝なんかしなくても、アンテナ立ててる奴は来るもんだよ」と嘯いた発見の会の在り様を考えれば、『此処か彼方処か、はたまた何処か?』を宣伝なんぞしたくない、というのが本音だが、これを見よ、と言いたいのも本音ということで、アンゴラではない、何処か、静岡のみるめに、みなさんを集めたいとむにゃむにゃ思うわけです。

佐々木治己(劇作家)
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『此処か彼方処か、はたまた何処か?』
作:上杉清文、内山豊三郎
演出:大岡淳
2/14(金)~2/16(日)
アトリエみるめ

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『此処か彼方処か、はたまた何処か?』