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2014年12月9日

【『グスコーブドリの伝記』の魅力 #3】 宮沢賢治・山崎ナオコーラ・・・人形?

宮沢賢治・山崎ナオコーラ・・・人形?

静岡芸術劇場では連日『変身』を上演していますが、
その舞台のちょうど真上に位置する6階のリハーサル室では、
『グスコーブドリの伝記』の稽古が行われています。

僕ら制作スタッフは、
公演時は受付・もぎり・場内係・物販などを受け持ちながら、
お客様をお迎えします。
たくさんのお客様をご案内しながら、
「あと1ヶ月ちょっとしたら『グスコーブドリの伝記』なんだなぁ。。。
えっ?!うそ?!全然日にち無いじゃん!」
と妙に焦ったりしています。

『グスコーブドリの伝記』は新作ということで、
いろんな「初」にチャレンジしています。
少しご紹介を。

1)宮城聰が宮沢賢治作品を演出
「日本の国民的作家をひとり挙げるとしたら誰だろう?」
「あらゆる人が読んでいる作家って誰だろう?」
と考えたとき、
宮城さんがいきついたのが宮沢賢治でした。

「だとすれば、やらないわけにはいかない」
「日本人の演出家として向き合うべき相手」
ということです。

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↑稽古を見つめる宮城さん

2)山崎ナオコーラさんの脚本
宮沢賢治の『グスコーブドリの伝記』を読むと、
カギカッコに入ったセリフがそんなに多くないことに気づきます。

今回初めてタッグを組む山崎ナオコーラさんが手掛けた脚本は、
カギカッコに入っていない部分もすべて会話に脚色されたもの。

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↑『グスコーブドリの伝記』脚本

出来上がった脚本は
宮城さん曰く、
「ちゃんと賢治の言葉になっていた」
とのこと。

この言葉を俳優の身体を通してどう発せられるのか・・・
担当ながら、ワクワクが止まりませぬ。

ちなみに、宮沢賢治のグスコーブドリの伝記は青空文庫で読めます。

3)人形劇
はい。
人形劇・・・といってよいでしょう。
生身の人間ももちろんでてきますが、
人形遣いではなく人形の方が登場人物になる、とのことです。
残念ながらまだ人形の姿は完成はしていないのですが、
稽古場ではすでに活躍しております。
いったいどんな姿の人形になるのか、お楽しみに!

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↑これはどう使われるんでしょうか???

人形に加えて舞台美術を手掛けるのが深沢襟さん。

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↑宮城さんと模型を見ながら打合せをする深沢さん

深沢さんはいま上演中の『変身』の舞台美術も手掛けていて
劇場とリハーサル室と作業場を行ったり来たり、大忙しです。

宮城さんの唱える「絵本のような舞台」を実現させるために
連日アイディアを出しては試行錯誤を繰り返しています。

深沢さんの舞台美術からも目が離せません!

そして忘れてはならないのが、
宮城作品には欠かせない「音楽」。
今回ももちろんあります、俳優の生演奏。

棚川寛子さんのリーダーシップによって、
毎日素敵な音が生まれております。

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↑演奏を指揮する棚川さん

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↑演奏稽古をする俳優たち
 
 
そんなわけで、俳優たちは、
セリフ言って、動いて、人形操作して、演奏して・・・
とめまぐるしくしております。

ここからどんな舞台が出来上がるのか・・・
まだまだわかりませんが、
どうぞご期待ください!

*写真はSPACシアタークルーの平尾正志さんに撮っていただきました!
(一部丹治が撮ったものも混じっていますが。)

制作部 丹治陽
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SPAC新作
『グスコーブドリの伝記』
2015年1月13日~2月1日
公演の詳細はこちら
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