こんにちは、演出部班の守山です。
5月20日から、今年のSPAC秋のシーズンで上演される『舞台は夢』(作:コルネイユ)の稽古が始まりました!
開幕までの数ヶ月、この「不思議な怪物」(コルネイユはこの作品をそう呼んでいたそうです)がどうやってその姿を現すのか、稽古場よりレポートいたします!
演出には2010年のSPAC秋のシーズンで『令嬢ジュリー』を手がけたフレデリック・フィスバックさんを再びフランスよりお迎えしました。
実はフィスバックさん、この作品を演出するのはこれが2回目。
2004年にアヴィニョン演劇祭などで上演しているのですが、もちろん今回は国も、役者も、言語も、何もかもが違う環境でまっさらな状態からの創作です。
「一番大好きな作品を、こんなにユニークな俳優達と再び創ることが出来るなんてとっても幸せだ!」とニコニコしていらっしゃいました。
9月に開幕なのにもう稽古? と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうなんです、実はもう始動しています。
とはいえ、まだまだ全員でじっくり台本を読み込む時間。
連日みんなでひとつひとつの言葉の意味や、会話の目的を確認しながら丁寧に作品を読み解いていきます。
この作品は、アレクサンドランという詩の形式で書かれています。
一文の中で使う音節の数が決められているのですが、その制約の中で物語を書くなんてまさに神業。さすがフランス古典の三大作家の一人です。
(ちなみにフランスについて何も知らない私は、「俳句や短歌のルールで物語を一つ書く感じ」と言われてその凄さを初めて理解しました…)
フランス語で聞くととっても優美で、まるで音楽!
この美しいフランス語を、さてどうやって日本語に移すか… ということで日々試行錯誤中です。
今回の作品では俳優の内側から湧いてくるものを、素材そのものを是非みてほしい! というフレデリックさん。
それぞれの俳優の身体に似合ったボキャブラリを地道に探していきます。
↑今日の稽古では2004年に演出された『舞台は夢』の写真を見せていただきました
読めば読むほど夢の世界に落ちていくような不思議な作品。
どんな怪物になるのか楽しみです!