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2021年4月15日

2020年度の「ひらけ!パフォーミングアーツのとびら」を振り返る!

2020年度はご存知の通り、新型コロナウイルスの影響が演劇界にも吹き荒れ、SPACのアウトリーチ活動も、実施の中止、日程や内容の変更を余儀なくされた一年でした。
SPACでは、SPAC学校訪問プロジェクト「ひらけ!パフォーミングアーツのとびら」を中心に、県内の小学校・中学校・高等学校・特別支援学校・児童クラブなどへのアウトリーチ活動にも力を入れていますが、この活動もまた、2020年度は新型コロナウイルス感染防止対策をとりながらの試行錯誤での実施となりました。

そうしたなかでも、2020年度は県内あちこちの小・中・高・特支・児童クラブ、計38の団体へ出向き、2,301人の子どもたちと出会うことができました。
コロナ禍という状況でも、子どもたちが演劇やダンスと出会う機会を設けられたことは、大きな喜びとなりました。
(もちろん「ひらけ!パフォーミングアーツのとびら」以外の企画で実施したアウトリーチ活動もたくさんあるんですよ!)

今回は、2020年度の「ひらけ!パフォーミングアーツのとびら」を、簡単ではありますが振り返りながら、みなさまにご紹介したいと思います。


▲「ひらけ!パフォーミングアーツのとびら」の募集パンフレット
 
この「ひらけ!パフォーミングアーツのとびら」は、3つの柱から成り立っています。
演劇や朗読のワークショップや職業講話などの「学ぼう!えんげき教室」
コンテンポラリーダンスの世界を実際に身体で体験する「育てよう!ダンスの種」
SPAC俳優による演劇作品を学校や児童クラブで鑑賞する「味わおう!出前劇場」、以上の3つです。

2020年度は、「学ぼう!えんげき教室」を18団体、「育てよう!ダンスの種」を6団体、「味わおう!出前劇場」を14団体で、それぞれ実施しました。
 
1つ目の柱「学ぼう!えんげき教室」では、6つのプログラムを展開しました。


▲国語の教科書戯曲化プログラムの授業の様子(静岡県立下田高等学校 南伊豆分校にて)
 
国語の教科書に掲載されている評論文などをSPAC俳優が戯曲化したテキストを用い「対話」について探求する「戯曲化プログラム」を、5校の高等学校で実施しました。


▲演劇出前塾の様子(静岡県立藤枝東高等学校の演劇部にて)
 
4校の高等学校と1校の中学校では、演劇部の生徒に対して演技や演出のアドバイスをおこなう「演劇出前塾」を実施しました。


▲朗読ワークショップの様子(函南町立函南中学校にて)
 
小中高と児童クラブの計4団体では、朗読に関する指導やワークショップを行いました。

このほかにも、中学校2校と高等専修学校1校で、SPACの俳優やスタッフによる職業講話と演劇ワークショップを、そして小学校1校で、劇づくりの指導やアドバイスを行いました。


▲職業講話の様子(川根本町立中川根中学校にて)
 
2つ目の柱「ダンスの種」は、高等学校1校、中学校3校、児童クラブ2団体で実施しました。


▲上下ともダンスの種の授業の様子
(上:浜松市立佐鳴台小学校にて、下:静岡県立浜名高等学校 定時制にて)

 
主には体育の授業の枠で、その場で覚えた簡単な動きの組み合わせを、音楽に合わせて踊って小作品を創るプログラムなどを行いました。


▲『音芝居』上演の様子(浜松市立熊小学校にて)
☆関連ブログ 今年度初のアウトリーチで学校訪問!ウィズコロナ仕様の『音芝居』
 
最後の柱である「味わおう!出前劇場」では、普段の教室や体育館が劇場へと姿を変え、SPAC俳優たちの熱演を味わってもらうものです。


▲『詩劇 水仙と木魚 ー少女の歌えるー』上演の様子
(静岡県立伊豆総合高等学校 土肥分校にて)

 
セリフを言わない観客参加型のリズム劇『音芝居』は、小学校、特別支援学校小学部、児童クラブ、各1ヶ所で上演しました。
また、三好十郎の小作品を朗読劇の形式で上演した『詩劇 水仙と木魚 ー少女の歌えるー』は、高等学校2校で上演。
そして、谷川俊太郎の筆による大人から子どもまで楽しめる舞台『おばけリンゴ』は、小学校2校、特別支援学校高等部1校、児童クラブ4団体で、それぞれ上演しました。


▲『おばけリンゴ』上演の様子(吉田町立住吉小学校にて)
 
ほかにも、 中学3年生の国語の授業では俳優の一人語りによる朗読を、 放課後子ども教室の小学1年生には「おはなし劇場」の演目『ハリネズミときんか』を、それぞれ鑑賞してもらう機会も届けました。
 

▲実施後にSPACへ届いた子どもたちからのメッセージ
 
今年度も引き続き、この「ひらけ!パフォーミングアーツのとびら」は実施いたします。
まだまだ新型コロナウイルスとの日々が続きますが、感染により一層の注意を払いつつ、少しでも多くの子どもたちが様々なパフォーミングアーツの世界に触れることができるよう、努めてまいります!

★学校訪問プロジェクトへのご要望、お問い合わせはこちらまで★
SPAC-静岡県舞台芸術センター 芸術局 制作部 アウトリーチ担当
TEL:054-203-5730
FAX:054-203-5732
E-mail:recafe@spac.or.jp
https://spac.or.jp/project/outreach