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2022年6月18日

2021年度の「ひらけ!パフォーミングアーツのとびら」を振り返る!

SPACでは、SPAC学校訪問プロジェクト「ひらけ!パフォーミングアーツのとびら」*を中心に、県内の小学校・中学校・高等学校・特別支援学校・児童クラブなどへのアウトリーチ活動にも力を入れており、2021年度も県内あちこちの、計36の団体へ出向き、1,809人の子どもたちと出会うことができました。
コロナ禍のなかで様々な制約はありましたが、それでも、子どもたちが演劇やダンスと出会う機会を設けられたことは、大きな喜びとなりました。

*SPAC学校訪問プロジェクト「ひらけ!パフォーミングアーツのとびら」は「静岡県子どもが文化と出会う機会創出事業」の一環として、2019年度より実施しています。本事業では、SPACの俳優・スタッフが各学校や放課後児童クラブなどを訪れ、演劇やダンスといったパフォーミングアーツ(舞台芸術)に触れていただく機会を提供します。

*2020年度の報告ブログはこちら


▲「ひらけ!パフォーミングアーツのとびら」の募集パンフレット

 
「ひらけ!パフォーミングアーツのとびら」は、3つの柱から成り立っています。

「学ぼう!えんげき教室」
・・・演劇や朗読のワークショップや職業講話などを行う

「育てよう!ダンスの種」
・・・コンテンポラリーダンスの世界を実際に身体で体験する

「味わおう!出前劇場」
・・・演劇作品を学校や児童クラブで鑑賞する

2021年度は、「学ぼう!えんげき教室」21団体、「育てよう!ダンスの種」9団体、「味わおう!出前劇場」8団体で、それぞれ実施しました。


 
「学ぼう!えんげき教室」
以下の7つのプログラムを展開しました。

国語の教科書戯曲化プログラム
国語の教科書に掲載されている評論文などを、SPAC俳優が戯曲化したテキストを用い「対話」について探求するプログラム。3校の高等学校で実施しました。


▲戯曲化プログラム 授業の様子(静岡県立藤枝西高等学校にて)
 
演劇出前塾
演劇部の生徒に対して演技や演出のアドバイスをおこなうプログラム。8校の高等学校と1校の中学校で実施しました。


▲演劇出前塾の様子(静岡県立吉原高等学校にて)
 
小中高4校では、朗読に関する指導やワークショップ、群読劇の創作などを行いました。
このほかにも、中学校1校と高等学校1校で演劇や身体表現のワークショップを、特別支援学校の高等部1校で音楽系のワークショップを、中学校1校で中高生鑑賞事業公演『夜叉ヶ池』鑑賞前の事前学習を兼ねた演劇ワークショップを、それぞれ実施いたしました。


▲朗読ワークショップでの群読劇の稽古の様子(下田市立大賀茂小学校にて)
 

▲「伊勢物語」を題材とした朗読ワークショップの様子(富士市立高等学校にて)
⇒富士市立高等学校でのワークショップの様子はテレビで放送されました。実施の様子や生徒の反応をこちらでご覧いただけます。
 

▲身体表現ワークショップの様子(静岡県立浜名高等学校にて)
 
また、静岡県立清水南高等学校中等部と静進情報高等専修学校では、SPACの俳優やスタッフが1年を通じてカリキュラムを受け持つことになり、生徒たちは科目としての「表現」や「演劇」をSPAC俳優たちから学びました。
(この取り組みは2022年度も継続される予定です)


 
「ダンスの種」
高等学校1校、中学校1校、小学校2校、特別支援学校1校、児童クラブ4団体で実施しました。
学校で実施の場合は体育や総合学習の授業枠で、児童クラブ等で実施の場合は活動イベントのひとつとして実施しています。

身体のワークショップや、簡単な動きの組み合わせを通して、子どもたちの個性を生かしたダンス小作品をその場で創っていくプログラムなどを行いました。


▲「ダンスの種」の授業の様子(静岡県立池新田高等学校・静岡県立掛川特別支援学校御前崎分校の合同開催)


 
「味わおう!出前劇場」
普段の教室や体育館を劇場へと変え、SPAC俳優たちの熱演を味わってもらいました。


▲『ころべばいいのに』上演の様子(静岡県立浜松大平台高等学校にて)
 
ヨシタケシンスケの絵本を舞台化した新作『ころべばいいのに』は、高等学校2校で上演しました。

『おばけリンゴ』と『音芝居』は、アウトリーチのレパートリー作品として2020年に続き上演。
『おばけリンゴ』は、谷川俊太郎作の大人から子どもまで楽しめる舞台となっており、小学校1校と児童クラブ3団体で、それぞれ上演しました。


▲『おばけリンゴ』上演の様子(常葉大学教育学部附属橘小学校 放課後児童クラブASクラブにて)

  
『音芝居』は観客参加型のリズム劇で、特別支援学校2校で上演。
特に浜松聴覚特別支援学校では、先生方による字幕と同時手話通訳というサポートもあり、子どもたちは夢中になって作品世界に入り込み、楽しむことができました。


▲『音芝居』上演後の様子(静岡県立浜松聴覚特別支援学校 小学部にて)


 

開催にあたっては事前のヒアリングや準備も含め、学校の先生方や児童クラブの指導員の方に多方面でご協力いただきました。
実施後の振り返りでも改善点なども含めて貴重なご意見もあり、今後の活動に活かしていきたいです。
先生方がアンケートにお答えいただいた内容を一部ご紹介いたします。

 実施後のアンケートで寄せられた先生方の声(一部抜粋)

・最初は遠慮がちな姿も見られたが時間が経つにつれて身体も心もほぐれて楽しそうに活動する様子が見られた。
・自分が考えたことを体、声を使って表すことの大切さ、難しさを体感し、学びが広がりました。
・講師の方々が表現活動をしやすい雰囲気を作り、手本見本も行ってくれたので、生徒達も楽しんで参加していました。
・本物の役者さんから直に授業をしていただき、迫力を近くで感じることができました。発声の仕方から違うので生徒にとって良い刺激になったと思います。
・自分で動きを考えたり、友達の気持ちを考えて動いたりしながら、自分の良さや友達の良さに気づき充実した時間になっていた。
・楽しいパフォーマンスをありがとうございました。音楽の授業行う音楽づくりの参考になることがたくさんありました。

 
2022年度も引き続き、この「ひらけ!パフォーミングアーツのとびら」を実施いたします。
少しでも多くの子どもたちが様々なパフォーミングアーツの世界に触れることができるよう、努めてまいります!
 

▲実施後にSPACへ届いた子どもたちからのメッセージ
 
★学校訪問プロジェクトへのご要望、お問い合わせはこちらまで★
※2022年度の募集は終了いたしました。
個別開催のご希望も承っております。

SPAC-静岡県舞台芸術センター 芸術局 制作部 アウトリーチ担当
TEL:054-203-5730
FAX:054-203-5732
E-mail:recafe@spac.or.jp
https://spac.or.jp/project/outreach