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2023年4月19日

若者の悩みってなんだ?
──『XXLレオタードとアナスイの手鏡』
勉強会レポート(前半)

皆さんこんにちは!
SPAC制作部の佐藤美咲です。

私は「ふじのくに⇄せかい演劇祭」では、『XXLレオタードとアナスイの手鏡』を担当します。

先日、静岡大学(静岡キャンパス)の国際交流ラウンジにて、


受験、就職、社会へのモヤモヤと本音…

若者の悩みってなんだ?

と題し、作品や韓国についての理解を深める勉強会を開催すべく、同じく演目担当の計見とお邪魔させていただきました。

『XXLレオタードとアナスイの手鏡』は日本の隣の国、韓国からやってくる、高校生たちの物語です。韓国・高校生というワードを聞いて、韓国ドラマの「相続者たち」とか「女神降臨」のような王道学園ストーリー??と思ってしまったのですが、
どうやら、ただの学園ドラマではないようです・・・。

★作品の見どころについてはこちらのブログをチェック!https://spac.or.jp/blog/?p=32633

「XXLレオタード」は主人公・ジュンホの嗜好に関わっています。ジュンホは、女性用のレオタードを着ると幸せを感じます。

最初にそのことを知ったとき、単純に驚きました。私は「レオタード」を着たこともなく、着心地も分かりません。制服の下に「レオタード」を着る喜びには、少なくとも共感はできませんでした。でも、「周りに言いにくい」「理解されないだろう」という気持ちは、簡単に想像がつくし、共感できます。

作品には、5人の高校生と、1人の体育教師が登場します。どの人物も何か悩みを抱えていて、その悩みには社会人2年目の私にも理解できる悩みが多いことに気が付きました。

そこで、日本の若者は一体どんなことを考えているのか?周りの人はどんなことに悩んでいるのか知りたくなり、大学生を対象に「若者の悩み」について考える勉強会を静岡大学の国際交流ラウンジと協力して企画しました。

まだ授業が始まっていない時期だったのですが、約15人の学生さんが参加。
中には、浜松キャンパスから参加してくださった方や、ベトナムやインドネシアから来た留学生のみなさん、そして大学受験を終えたてほやほやの新1年生の方もいました。

韓国についての印象を聞いてみると、
K-popが世界で流行しているイメージや、韓国ドラマを毎日見ているという方も!
そして、大学受験が大変そうな印象があるという声もありました。

そうなんです。韓国は学歴社会という印象があります。受験のシーズンになると、韓国の受験生がパトカーに試験会場まで送ってもらっているニュースを、受験シーズンに見たことがある方もいるのでは?

参加者の皆さんには、どんな高校生活を送ってきたのかもシェアしてもらいました。

『XXLレオタードとアナスイの手鏡』の登場人物たちの悩みは、大学受験への不安が大きいのですが、その受験を終えた大学生の皆さん自身はどんなことに悩み、考えているのでしょうか?ワールドカフェ形式でディスカッションしました。
(*ワールドカフェとは・・・テーブルごとに対話を進め、一定時間が経過したら、メンバーを入れ替え、対話を繰り返し広げること。)

各テーブルに紙を用意し、「悩み」という言葉を中心としたマインドマップを作成してもらいました。

皆さん勢いよく書いてくれました。悩みって考えれば考えるほど、出てきますよね・・・

▼完成したマインドマップ▼

悩みが盛りだくさん!各テーブルごとに似ている部分も、違う部分もあるマインドマップが完成しました。

ワールドカフェを経て感想を聞いてみると、
「普段友達と悩みについて話す機会がなかったから、周りの人も自分と同じことを悩んでいるんだと知れてよかった」
「悩みについて考えるとネガティブなことばかり考えてしまうけれど、よく考えてみたら、選択肢を与えられているから悩めることもあって、実はポジティブなことだったりもした。逆に自分にとっての幸せとは何かを考えるきっかけになった」
と話してくれました。

また、この春から大学生になった新1年生の子が、「高校生の時まで、制服があって、見た目をあまり気にしてこなかった。今回、容姿を気にしている人が少なくて驚いた。どんな服を着たらいいのか大学生になってから、毎日悩んでいます」と教えてくれました。

それを聞いて、服装は私自身も悩む要素の1つだなと思いました。
服装は、自分を表現することの1つでもあります。好きな服を着ていると、自分に自信が持てたりもします。そう考えてみると、例えばジュンホが「レオタード」を着るのが好きなことは、カジュアルな服装が好き、ジーンズを着るのが好きということと何も変わりがないのではと思い直しました。

・・・後半に続く
 

SPAC制作部 佐藤美咲

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【演劇/アンサン・韓国】
『XXLレオタードとアナスイの手鏡』
日時:5月3日(水・祝)14:00、4日(木・祝)13:00
会場:静岡芸術劇場
上演時間:90分(途中休憩なし)
韓国語上演/日本語字幕

演出:チョン・インチョル
作:パク・チャンギュ
製作:シアター・カンパニー・ドルパグ
https://festival-shizuoka.jp/program/xxl-leotard-and-anna-sui-hand-mirror/
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