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2010年10月23日

<世界は踊る稽古日記⑪・10/21>邂逅:パスカル・ランベール

いよいよ本日、初日を迎える『世界は踊る ~ちいさな経済のものがたり~』

今日の稽古日記は、野外舞台に渋い男のVOICEを響きわたらす、辻康介さんです。

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月曜日から森で生活しています。

朝焼けを見ながら鳥の声に包まれて散歩して、そこらの木に実っている果物を朝食にし、午前中は読書、木立に面した食堂で昼食をすませたら、広く響きの良い稽古場とグランドピアノを独り占めに歌の基礎練習をして、夕方は前日のリハーサルを復習して、夜からは稽古、稽古が終わったら虫の声を聴きながらビールを開けてゆっくり夕飯を食べる・・・

私としては理想の日々!のはずだったのですが、このうち実現出来ているのは三つだけ。

なにしろ、夜6時から10時まで続く稽古が思いのほか大変で、終わったらぐったり。

この作品、歌う時間が長いわけではない、曲は三曲だけ、歌がえらく難しいわけではない、とてつもないアクロバットをやるわけでもない、大変なステップのダンスがあるわけでもない、長い台詞があるわけでもなく、やることはと言えば、ただ歩いたり、ちょっと揺れたり、飛んだり、ほんのちょっとしたジェスチャーと、日常生活の模倣とその展開・・・それなのに、気力体力を使いきる。

一年ほど前、パリに留学中の友達が「何故ここで腕立て伏せ?」というコメントとともにブログに貼付けた動画はフランス・バロックのオペラだった。そのクールで斬新でキュートなステージは、「うっひゃっっひゃ!こりゃたまらん!」という「感動」が腹の底から湧き上がる感じで、途絶えないある種のエクスタシーを体験させてくれた。「これは凄い!いつかこのステージを見なければ!」と思っていたら、見る前に参加する機会に恵まれた。しかも、バロックオペラではなくオリジナル作品。これからの稽古、主なテーマは自分の「内なるエネルギー」を引き出して、ステージで「生きる」こと。

いよいよパスカル・ランベールの秘密に迫れるだろうか?

辻 康介
http://plaza.rakuten.co.jp/nemotsuji/