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2012年12月4日

<ロミオとジュリエット>スイスの新聞で紹介されました

スイスの新聞、”Le Temps”紙(2012年12月1日付)に
『ロミオとジュリエット』についての記事が掲載されました。
一部をご紹介します。  ※記事全文はこちら

筆者のマリー=ピエールさんは、静岡に10日間滞在して密着取材を行いました。
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ロミオは強い女

有名な主人公ロミオを演じるのは、プロとして初めて役を演じる、21歳の若い女性、山本実幸。
「彼女は素晴らしい。」と、「スカパンの悪だくみ」の時に役者の卵に賭けたのと同じように、この新人に賭けたオマール・ポラスは、情熱をこめて言う。
「理解が速いし、やることが正確で、大胆で輝いています。一見もろそうに見えても、実際は強い人です。本当に若いので、日本的な演技のコードをまだ取り込んでいません。他のみんなに自由の道を示すのに、彼女を支えにしました。」
日本の俳優の特徴はというと、「演出家に対して、力や権力で押し合うような関係がありません。従って僕は、牙をむいて敵意をむき出しにする必要がないのです。もうひとついいなと思うのは、俳優達が演劇というものに神聖な価値を見出しているという点です。日本の俳優達は自分たちが、何か大きなもののために貢献している小さい存在だと感じているのです。西洋ではそうとは限らないですね。」

「意味を考えて!」

ロミオの忠実な友、マキューシオも同様。SPACの400席の劇場では、筋骨たくましい吉見亮が演じる。オマール・ポラスは、彼の肉体的なパワーに感心しつつも、マキューシオは言葉で遊ぶ詩人であることもわかっている。稽古でオマール・ポラスは、アドバイスする。

「全てのアクションに含まれている、スポーツしているかのような側面をなくして、もっと自由を感じて。」そして更にたたみかけて「意味を考えて。ここでマキューシオはコロスの一員でなくて、語り手だ。ストーリーと調和するようにやってみるんだ。」

すると、赤いかつらをつけ、目を輝かせる吉見亮は、解き放たれたジェスチャーで、高揚してティボルトの剣術の腕を語り(日本語で)朗々と言う。「楽譜どおりに歌うがごとく、拍子、間合い、リズムを守って剣を抜く。ワン、ツーと短く休んで、スリーで相手の胸を突く。」との台詞のとおり、この俳優は踊りのテンポをみつけたのだった。

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いよいよ、一般公演は12/8(土)、9(日)を残すのみとなりました!
お見逃しなく。