劇場稽古が始まってからあっという間に年を越し、
気づけば一週間後には公演初日を迎えるということに驚きを隠せません。。。
さて、今回はどんな「魅力」がお届けできるのか・・・
いろいろ考えていたところ、ひとつ思い出したことがありました。
昨年12月13日にD&DEPARTMENT SHIZUOKA by TAITAで
d SCHOOL「宮城聰の話 -SPAC芸術総監督に、これからをきく-」というイベントがあり、
そのなかで宮城監督が語っていたのですが、
今回『グスコーブドリの伝記』に取り組むにあたって、あることを「発見」したとのことでした。
それを少しかいつまんでご紹介します。
(会場での宮城監督のアツイ語りの臨場感が文字だけではお伝えできないのが残念です。。。)
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宮沢賢治作品の大きな魅力はオノマトペ(擬声語)にある。
※ブログ#5でも少しご紹介させていただきました。
『グスコーブドリの伝記』にもたくさん出てきて、
山崎ナオコーラさんの脚本では
火山が噴火する場面で
「がーん、どろどろどろどろ、のんのんのんのん」
と書いてある。
これを舞台上でどんな風に言ってみても
「文字で読んだときのような衝撃が無い」
と俳優たちが言っていた。
これはなぜなんだろう?
ヨーロッパのたいていの言語は表音文字、つまりは「楽譜」。
文字で書いてあっても音楽として頭に入ってくる。
※表音文字:一つ一つの字が意味をもたず、音のみを表す文字。ローマ字やひらがなカタカナなど。
ところが日本語は表意文字と表音文字の両方が使われるめずらしい言語。
※表意文字:一つ一つの字が一定の意味をもっている文字。漢字や古代エジプトの象形文字など。
稽古をしていて気づいたのは、
表意文字であればそれを画像(=イメージ)として受け取るのは当たり前なのだが、
日本人は表音文字のひらがなカタカナですら画像として(も)見ているということ。
ひらがなカタカナからは、画像としての面白さと音としての面白さの両方を受け取っている。
だから音だけで聞くとなんか物足りない感じがするのではないか。
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ココまで熱っぽく語った後に、
「ココまでは発見したんだけどどうやってセリフで言ったらいいか、
途方に暮れているところです(笑)」。
こう言っていたのが約1ヶ月前、
この発見が舞台上でどのように活かされていくのでしょうか・・・。
宮城聰のチャレンジの成果をぜひ劇場に確かめに来てください!
制作部 丹治陽
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SPAC新作
『グスコーブドリの伝記』
2015年1月13日~2月1日
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