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2015年4月23日

『メフィストと呼ばれた男』稽古場ブログ10 出演者インタビュー大高浩一


◆大高浩一(おおたか・こういち)◆

登場人物紹介◆宣伝大臣
ナチスの宣伝大臣として劇場を訪れる。

Q. 大高さんの演じる宣伝大臣はどんな人物ですか。
  宣伝大臣、原型となった人物はあのヨーゼフ・ゲッベルスです。劇中では分かりやすい敵役として登場し劇場を弾圧してゆく立場の人です。史実での所業を考えれば人知を超えた『悪』であるとしか言いようがないですが、劇中にあえてこの悪人の中に美徳のようなものが読み取れるとすれば、ノーブレスオブリージュというものを理解していたように思えるところかもしれません。
 プロバガンダの才能があったかれは、恐らく、愚民を扇動したのではなく、逆にドイツ民族の偉大さを信じ、大戦はそれにふさわしい誇りを取り戻す為の聖戦であったかもしれません。嘘で騙すのではなく、偉大で優秀な民族であるならば自分の言葉は必ず届くはずだという信頼に支えられていたのではないでしょうか。有名な総力戦演説の場面は私利私欲のない発言でないと成立しないように描かれているようにも思います。
 冷徹で傲慢な人物だとは思います。暴力の発動に何の躊躇もない凶暴さもあるでしょう。ただ、自分の考えを理解しない者に対し、それは相手がバカなのではなく、自分のプロバガンダの手法がまだ相手に届いていないのだと考えるような、妙な謙虚さも持ち合わせていたように感じます。
 頭は良い人だと思いますが『シェイクスピアは時代遅れだ!』とか深すぎて意味不明なスローガンを口にしたり、これはガチなのかボケなのか演じる上で迷う部分もありますが、人物に全く共感できないものの、最近それなりに好きになりかけています。ただ実際の場面ではショッカーの幹部がリアルな芝居に登場するようなものなので、正直、大丈夫かこれ?


【稽古風景より】

Q. 読者のみなさんへ、メッセージをお願いします。
 それなりに深刻なメッセージの込められた作品ではありますが、言うても演劇と言う娯楽ですので、俳優一人ひとりの魅力を楽しんでいただけたらいいと思います。ピュアな人物しか出てこないのがこの作品の美しいところであり怖いところでもあると思いますので。ファシズムについて考えるとかは、まあ、テーマとしてはあるんですがそれはこっちでこっそりやりますので。
通常の倍の上演時間ですが、敢えて言う、半額であると!

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【稽古風景より】

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SPAC新作『メフィストと呼ばれた男』
4/24(金)・4/25(土)・4/26(日)
静岡芸術劇場
http://spac.or.jp/15_mefisto-for-ever.html
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