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2017年10月2日

<病ブログ2017 #6>『病は気から』おためし劇場レポート

今回は、9月30日に開催されたSPACの人気企画「おためし劇場」の模様をレポートします。
「おためし劇場」は、舞台稽古を見たり、演出家や出演俳優の話を直接聞いたり、舞台上で実際の舞台装置を間近に見たりと、本公演をより楽しんでいただくためのさまざまなプログラムをセットにしたお得なイベントです。
今シーズン最初の演目となる『病は気から』のおためし劇場には、66名ものお客様にご参加いただきました。

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▲スタッフによる作品紹介の後いよいよ劇場内へ(撮影:猪熊康夫)

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▲舞台上では出演俳優たちがお出迎え(撮影:平尾正志)
 

<稽古見学>

まず最初に、稽古見学で実際の稽古の様子を体感していただきます。
普段の稽古と同様に、ノゾエさんはどんどん演出の指示を出し、俳優たちは即座に演技に取り入れていきます。

お客様からは「演出が目まぐるしく変わる中で、それに対応していく俳優さん達のプロ根性に感激しました」という声や、「こうやって演出が良くなっていくんだ!と感心した」「プロの稽古風景を見る機会なんて滅多にないので、とてもよかった」といった声が聞かれました。

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▲臨場感あふれる稽古見学(撮影:猪熊康夫)
 

<ステージトーク/演出家と俳優への質問コーナー>

続いて演出家のノゾエ征爾さんや出演俳優たちが、お客様からの質問に直接答えるステージトークへ。
お客様からは「病は気から、それでは、芝居は何からだと思いますか?」といったユニークな質問が。それに対して「やはり気持ち。今回はあらためてそう思います」とノゾエさん。

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▲ステージトークの様子(撮影:平尾正志)

さらに、「SPACで演出する時と、他の劇団で演出する時とは違いますか?」という質問に対しては、「SPACさんは、自分の劇団を含めて他の劇団とはベースとなっている技術のレベルが違うと感じます。俳優さんたちの持つテクニックも東京の多くの劇団より一段上かと。なかなかこういうレベルでやっている劇団はない」と、SPAC俳優たちには少々プレッシャーのかかる言葉が・・・。

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▲様々な質問に答えるノゾエさん(撮影:平尾正志)

出演俳優たちに対しては、「長いセリフを覚えるコツは?」や、「役作りで、人物像がつかみにくい時はどうするのか?」といった具体的な質問が飛び交いました。

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▲主人公アルガン役の阿部一徳(左)(撮影:猪熊康夫)

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▲ディアス医師の衣裳で質問に答える大高浩一(右)/進行は制作部の佐藤亮太(左)(撮影:平尾正志)
 

<バックステージツアー/いよいよ舞台上へ>

トークの後はいよいよバックステージツアーです。
バックステージツアーでは、舞台監督と創作・技術部の演出部班スタッフによる舞台装置などについての説明の後、参加者の皆さんに舞台上に上がっていただき、『病は気から』の特徴的な「客席型のセット」を間近に見ていただきました。

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▲今回の舞台装置について説明する舞台監督の内野彰子(撮影:平尾正志)

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▲舞台美術や小道具について説明する演出部班の秡川幸雄(撮影:平尾正志)

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▲参加者のみなさんは靴を脱いで舞台上へ(撮影:猪熊康夫)

舞台装置には各所にさまざまな仕掛けが仕込まれているほか、衣裳も、袖に下がらず舞台上での素早い衣裳チェンジが要求されるこの作品ならではの細かな工夫が施されています。
バックステージツアーではそれらについて、担当する舞台スタッフが実際のセットや衣裳などを前に個別に説明。参加者の皆さんは興味深そうに聞いていました。

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▲舞台の仕掛けについて解説する演出部班の降矢一美(撮影:猪熊康夫)

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▲衣裳についてはワードローブを担当する衣裳班の川合玲子が説明(撮影:猪熊康夫)
 

<舞台セットができるまで>

ところで、今回のセットに使われている客席のシートは、5年前の初演の際、浅草のちょうど閉館した映画館のシートを譲ってもらったものです。シートはすべて分解することができ、初演後も分解して保管していました。今回の再演では、まず8月中に部品のチェックと仮組みをして状態を確認。その後、9月に入って本設置しました。作業には4日ほどかかったとのことです。

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▲まずはすべての部品を並べて・・・

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▲仮組みをして状態をチェック
 

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▲本設置の作業の様子

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▲一つ一つ順番に組み立てていきます

『病は気から』のバックステージツアーは、来週からの一般公演日のうち、土曜日の公演(10月7日、14日、21日)の終演後にも開催します。(無料、ご観劇いただいた方のみ参加可能)

観劇中に感じた「あれってどうやってやってるの?」という疑問も、バックステージツアーにご参加いただければ舞台スタッフに直接ご質問いただくことができます。
バックステージツアーのお申込みはSPACチケットセンター(054-202-3399/10:00-18:00)で承ります。
「おためし劇場」にお越しになれなかったお客様も、この機会ぜひご参加いただければと思います。

また、バックステージツアーが開催される土曜日の一般公演のうち、特に14日と21日はまだ良いお席もございます。ご予約がまだの方は、ぜひSPACチケットセンターまでお電話ください!
皆様のご来場を心よりお待ちしております。

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SPAC秋→春のシーズン2017-2018 ♯1
『病は気から』
2017年10月7日(土)、8日(日)、14日(土)、15日(日)、21日(土)、22日(日)
潤色・演出:ノゾエ征爾
原作:モリエール (「モリエール全集」臨川書店刊/秋山伸子訳より)
出演:SPAC
静岡芸術劇場
*詳細はコチラ
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