劇場稽古が始まっています。
げきとも公演初日まであと3日…!というドキドキの時期ですが、
本日は、作品のサブタイトルについて少しご紹介します。
7月、ララントゥカでのワークショップを終えたしばらく後
ユディさんから届いた今回のタイトルが
“Peer Gynts – Asylum’s Dreams”でした。
メインタイトルの「ペール・ギュントたち」。
どうして複数形なの?とよく尋ねられます。
物語の登場人物たちのこと?
アーティストたちのこと?
現代を生きる私たち?
それとも、もっと他のこと?
たった1文字の「s」、たった2文字の「たち」ですが、
皆様がどうお考えになったか、ぜひ劇場でお聞かせください♪
さて、副題です。
英題にある“Asylum”は、
避難所、難民保護施設、精神病院、亡命…など複数の意味をもつ言葉です。
今回のプロジェクトの中で、ユディさんや参加アーティストたちが見つめている
様々な政治的・社会的問題、
原作の4幕でペールが訪れる「精神病院」(と呼ばれていた建物)のイメージ……
それらを大きく含めたこの言葉。
正直なところ、
ユディさんからこのタイトルが届いた時は
「これ、邦題、どうしようか……!」
でした。
悩みに悩む制作チーム。
まさに「夢」に見るまで悩みました(ホントです)。
結果、付けた副題は
「わくらばの夢」。
これをご覧になって、
「わくらば」ってなんだ?と思われた方も多いと思いますが…
わくらば:
病葉/嫩葉 と書いて、
病気にかかって変色した葉のこと。
木の若葉のこと。
そして古語では「邂逅」を「わくらば」と読み、
「わくらば-に」で「たまたま、偶然に」という意味になります。
4ヶ国のメンバーが集まり、
旅をしながら各地で創作を重ねてきた今回の作品。
たくさんの「出会い」が背景にあることは言うまでもありません。
そんな作品が、どちらの「葉」、どんな「葉」なのかは、ご覧くださる皆様次第。
あら?
劇場を覗いていると、どうやらこんな「葉」も…
アーティストたちそれぞれの背景、思考やアイディア、身体性を活かしながら
作品全体を形作っていくような、
有機的な創作をするユディさんの手法も
「葉」のイメージにつながるなあ、とも思っています。
そして、「夢」はどんな夢のことなのでしょう…?
二重、三重に意味の込められた今回の作品タイトル。
いろいろとご想像いただけるとうれしいです!
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SPAC秋→春のシーズン2019-2020 #2
『ペール・ギュントたち〜わくらばの夢〜』
2019年11月9日(土)、10日(日)、16日(土)、17日(日)
各日14:00開演
会場:静岡芸術劇場
原作: ヘンリック・イプセン
訳:毛利三彌
上演台本・演出: ユディ・タジュディン
共同創作:
ウゴラン・プラサド(ドラマトゥルク)
川口隆夫(パフォーマー/ダンサー/振付家)
ヴェヌーリ・ペレラ(振付家/ダンサー)
美加理(俳優)
ムハマッド・ヌル・コマルディン(俳優/ダンサー)
森永泰弘(サウンドアーティスト/作曲家)
グエン・マン・フン(ヴィジュアル・アーティスト)
アルシタ・イスワルダニ(俳優/パフォーマー)
グナワン・マルヤント(俳優/作家)
大内米治、佐藤ゆず、舘野百代、牧山祐大、
宮城嶋遥加、若宮羊市(俳優〔SPAC〕)
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