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2019年11月12日

『メナム河の日本人』の魅力① 長政ゆかりの地でリーディング・カフェ♪

静岡芸術劇場では現在、SPAC秋→春のシーズン#2『ペール・ギュントたち ~わくらばの夢~』を好評上演中ですが、
シーズン最後の作品となる『メナム河の日本人』のブログを、制作担当・西村が本日より更新していきます!3か月先の開幕までじっくり作品の魅力を紹介していきますので、ぜひ予習がてら時々ブログをのぞいていただけたら嬉しいです。

A4チラシ&「すぱっく新聞」が完成し、作品を詳しく紹介するページも公開しました!
 
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▲「すぱっく新聞」はこちらからもお読みいただけます。(PDF)
 
『メナム河の日本人』は、キリスト教文学でもよく知られる遠藤周作さんが1973年に発表した作品です。実は遠藤さん、戯曲も書いていたんです!江戸時代初め日本を離れアユタヤ(タイ)にわたり活躍した山田長政を主人公とした歴史活劇で、長政の英雄譚にとどまらない、登場人物の多様な生きざまを描いた壮大な戯曲です。
そして演出は、SPACでは2010・13年に上演した『わが町』以来7年ぶりとなる、文学座の今井朋彦さんです。SPAC俳優とともにこの隠れた名作をどのように蘇らせるのか。ご期待ください! 
7月に行われた第一期の稽古場のようすや、チラシ・新聞作成の裏側などなどご紹介したいことは山ほどあるのですが、まずは現在開催中の山田長政ゆかりの地3か所をめぐるリーディング・カフェツアーをご紹介します!
 
「リーディング・カフェ」はSPAC俳優による作品解説を聞きながら、お茶を片手に演劇の台本を声に出して読んでみるSPACアウトリーチ事業の人気企画。本作で描かれる山田長政は駿河国(現在の静岡)の出身で、市内には長政ゆかりの地が数多く存在します。そのうち3か所をめぐる特別企画が「山田長政ゆかりの地3か所をめぐるリーディング・カフェツアー」です。
ツアー第1回目のゆかりの場所は、山田長政が信仰を寄せ、アユタヤでの諸願成就を感謝し”故郷に錦を飾る”べく軍艦絵馬を奉納したと言われる静岡浅間神社。地元では「おせんげんさん」と呼ばれ親しまれている神社で、旧社務所である斎館で開催させていただきました。
 
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▲まずは参加者の自己紹介&戯曲の紹介から。ナビゲーターの奥野が手に持っているのは、『メナム河の日本人』(書き下ろし新潮劇場) の書籍。
 
浅間通り商店街でお店を構えながら長政を顕彰するおまつり「日・タイ友好 長政まつり」を続けられている実行委員の方、先日の「オクシズ縁劇祭」でSPACを知ってくださった方などなど、個性豊かな19名の参加者が集まりました。(なんと、高校時代の先生と教え子の再会も!)
 
奥野は「この戯曲は自分の心中を話す独白が多用されていて、ギリシャ悲劇に通じるものがある。遠藤周作さんも西洋の演劇を意識しながら書いたのでは」と魅力を紹介。
緊張の面持ちの参加者もいるなか、奥野が場を盛り立てて早速台本読みがスタート!
 
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▲順番に役を振り分けて声に出して読み、戯曲の言葉や行間を味わいます。
 
作中に出てくる<嘉助>という人物は長崎出身で、偶然参加者のなかに出身者がいたので、このセリフをお任せしました。
すると、さすがネイティブ!ご本人は久しぶりに話したと仰っていましたが、見事な長崎弁で参加者からは拍手が。
戯曲の言葉を味わい、イントネーションの違いを発見しながら読み進めることができました♪
 
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そして実はこの方、山田長政の菩提寺・西敬寺(さいきょうじ)の副住職の別符さん(「すぱっく新聞」ウラ面でもご紹介しています)。
西敬寺は2つ目の山田長政ゆかりの地をめぐるリーディング・カフェツアー先で、今週15日(金)に開催します♪ まだ空きがありますのでぜひご参加ください!
 
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▲休憩時間には『戦艦図絵馬』のレプリカをご紹介。
 
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最後には偶然再会した演劇部の顧問の先生と生徒で、師弟競演も実現しました!
奥野からポーズの指示も飛び、途中でとめるのがもったいないくらいの熱演に。
 
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▲会の終わりに、浅間神社の権禰宜・宇佐美さんと奥野でツーショット。遅くまでありがとうございました!
 
様々な参加者のみなさんが集まってくださったおかげで、ただ読むだけではなく、お浅間さんに残る伝承などを学び合える豊かな時間となりました♪
山田長政ゆかりの地をめぐるリーディング・カフェツアーはあと2カ所!初回は主に日本人町や山田長政とペトロ岐部の台詞を中心に読みましたが、次回はアユタヤ王宮に焦点を当てて読む予定です。たくさんのご参加をお待ちしています!詳細はスライドをクリック☑

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SPAC秋→春のシーズン2019-2020 #5
『メナム河の日本人』
2020年2月15日(土)、16日(日)、23日(日・祝)、24日(月・休)、29日(土)、
3月1日(日)、7日(土)
各日14:00開演
会場:静岡芸術劇場

演出:今井朋彦
作:遠藤周作
出演:SPAC

▼チケット
SPACの会会員先行:11/16(土)
一般前売り:11/23(土)
詳細はこちら
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