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2022年4月11日

ギルガメシュ叙事詩/パリ日記2022(7)公演初日

SPAC文芸部 横山義志
2022年3月24日

朝9時から舞台作業、トレーニング、稽古、明かり合わせ。


 
ジュヌヴィリエ劇場*から初日祝いの花束が届いた。
*秋→春のシーズン2021-2022 #2『桜の園』をはじめ、これまでSPACと4作品を共同制作してきた演出家・舞台美術家のダニエル・ジャンヌトーがディレクターを務めるフランス国立演劇センター。
 
どうにか幕が開いた。初日から満席、388人。
すでに楽日まで満席になったと聞いていたが、今回はバタバタで、知り合いにもほとんど声をかけられておらず、コロナ禍でパリの劇場も集客に苦しんでいると聞くので、ちょっと不思議だった。
 

▲ウェブサイトにも完売(COMPLET)の文字
 
パリでの公演を毎回観に来てくださっている方が「SPACの公演があるのを知って、友達みんなに電話しましたよ!明日も私の友達が二人来ます」とおっしゃってくださる。
開演直前、お客さんがまわりのお客さんに「シーッ!」。質の高い沈黙の心地よい緊張感を久々に味わう。
 

 
終演後、割れるようなスタンディングオベーション、トリプルコール。いい初日になった。
 
ケ・ブランリー美術館 エマニュエル・カザレルー館長のお話。
「『ギルガメシュ叙事詩』は人生の折に触れて読んでいる愛読書でした。今回拝見して、人間が自分を超えようとして、最後には自分が人間に過ぎないことを思い知らされる、という物語が、とてもアクチュアルなものに思えました。『イナバとナバホの白兎』も拝見しましたが、ケ・ブランリー美術館のモットーは「さまざまな文化が対話するところ」で、SPACの作品はまさにそれにふさわしいものだと改めて思いました。今回の作品ではさらに、文字で残された過去の文化と生きている文化との対話にもなっていましたね。」

演出の宮城さんからは、ケ・ブランリー美術館との出会いがなければこの作品が生まれることはなかった、とお礼の言葉。


 
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★ゴールデンウィークに静岡市・駿府城公園にて上演★
フランス国立ケ・ブランリー美術館委嘱作品/SPAC 新作
『ギルガメシュ叙事詩』

台本・演出:宮城聰
翻訳:月本昭男(ぷねうま舎刊『ラピス・ラズリ版 ギルガメシュ王の物語』
音楽:棚川寛子
人形デザイン:沢則行

出演:阿部一徳、大高浩一、石井萠水、大内米治、片岡佐知子
榊原有美、桜内結う、佐藤ゆず、鈴木陽代、関根淳子
大道無門優也、舘野百代、本多麻紀、森山冬子、山本実幸
吉植荘一郎、吉見亮、渡辺敬彦
/沢則行(操演)、桑原博之(操演)

公演日時:
2022年5月2日(月)、3日(火・祝)、4日(水・祝)、5日(木・祝)
各日18:40開演

会場:駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場

★公演詳細はこちら
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