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2022年12月2日

守銭奴ブログvol.6 <人物紹介④〜エリーズ編>

まもなく折り返し!SPAC版『守銭奴 あるいは嘘の学校』

ひと癖もふた癖もある人たちが登場し、出演者たちのキラリと光る個性が見どころ!ということで、こちらのブログで制作担当・計見が味わい深い登場人物たちを舞台写真とともにご紹介します。

4人目は宮城嶋遥加さん演じるエリーズ。
アルパゴンの娘です。


 
大高さん演じるヴァレールと恋仲ですが、父親にお金持ちとの結婚を押し付けられてしまいます。
ここで登場するのが「持参金なし!」という有名なセリフ。モリエールの時代、花嫁の家族が花婿やその両親に物やお金を贈る風習があり、その「持参金」をどうしても払いたくないドケチなアルパゴンは、「持参金はいらない」と言ってくれる年老いたアンセルムさんをエリーズの結婚相手にと考えています。

さて、宮城嶋さん演じるSPAC版のエリーズは、なかなか強気な女性。
ヴァレールもやや尻に敷かれ気味で、ガンコな父親にもそう簡単には折れないのはさすがアルパゴンの娘。この親にしてこの娘あり!と納得です。


 
通常、クレオントの妹として描かれることが多いのですが、SPAC版では姉=エリーズ、弟=クレオントとなっています。フランス語の原文では、お互いに“ma soeur(英:my sister)”と“mon frère(英:my brother)”と呼び合っていて、どちらが年上なのかハッキリ書かれていません。今回、SPAC版を創作するにあたって、読み合わせの際に演出のジャンさんから提示されたエリーズ像は、気が強くてちょっといじわるな人物でした。それから稽古を重ねていくうちにエリーズを「姉」と捉えた方がしっくりくるのではないかとなり、気づけば「善良な妹」翻って… みんなびっくり!ブイブイ言わす姉貴・エリーズが誕生しました。宮城嶋エリーズと永井クレオントの姉弟関係にも注目です!


 
そして、忘れてはいけないのが、その奇抜なファッションセンス!

格好からも、なにやら強いこだわりを感じさせるエリーズとヴァレールの恋の行方はいかに!?
 

(制作部:計見葵)

 

 
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SPAC秋→春のシーズン2022-2023 #2
モリエール生誕400年記念/新作

SPAC版『守銭奴 あるいは嘘の学校』

2022年
11月26日(土)、27日(日)
12月3日(土)、4日(日)、10日(土)、11日(日)
各日 14:00 開演
会場:静岡芸術劇場

演出:ジャン・ランベール=ヴィルド
翻訳・通訳・ドラマツルギー:平野暁人
アーティスティック・コラボレーター:ロレンゾ・マラゲラ
音楽:棚川寛子
出演:貴島豪、大高浩一、木内琴子、永井健二、ながいさやこ、本多麻紀、
三島景太、宮城嶋遥加、山崎皓司、吉植荘一郎
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