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2024年8月6日

象BlogⅠ 稽古が始まりひと月経過!

みなさん、こんにちは!SPAC制作部の佐藤美咲です。
うだるような暑さにも若干慣れてきましたが、いかがお過ごしですか??
7月から舞台芸術公園では、「秋→春のシーズン2024-2025」2作品目の『象』の稽古が日々「BOXシアター」にて行われています。

本作の演出には、SPAC初登場のEMMAさん!
そして、出演者には、EMMAさん選りすぐりのベテラン俳優勢が集結しました( ˙0˙)
(*EMMAさんについて知りたい方はぜひ「石井萠水は主役になりたい!」第133回の配信をご覧ください。)

▲濃いメンバーです!!

稽古初日には、EMMAさんから、どんな演出にしていきたいか、どんな風に稽古を進めていきたいかの説明がありました。
それから俳優・スタッフも円になって戯曲の読み合わせを進めました。

『象』の稽古場では、「入口出口のワーク」を行っています。
稽古が始まる「入口」と、稽古が終わる「出口」の時間に、日常生活と創作をする稽古場に境界線を引くワークです。

一同でサークルになり、入口の時間には、日常に置いていきたいものを考え、稽古場に体を馴染ませていきます。日常と稽古場の境界を跨いだら、一人一人とアイコンタクトをとります。
普段誰かとじっくり目を合わせるということがないので、このワーク、最初はなんだか緊張していたのですが、1ヵ月が過ぎる今、慣れてきていることに気がつきました・・・(ノ゚ο゚)ノ
 
何事も時が過ぎると慣れてしまうもの・・。
『象』は、被爆者たちの意見の違い、すれ違いから戦争がもたらした悲惨さを色濃く描いた作品です。
稽古場では、「戦争はなんだか遠いものという気持ちがある」という話しも出て、戦後から79年が経ち、その記憶が風化されつつあること、世代によっての距離感も変わってくることを感じました。

もちろん、原爆投下された史実は知っていても、戦争のことを深く考えたり、向き合ったりする時間はあまり多くはとれないかもしれません。
つい目を背けたくなってしまう、直視することが怖いという感情も正直あります。

しかし『象』を上演するにあたって、稽古場では戦争のこと、戦後社会のことにしっかり向き合い、話し合います。


▲稽古場には、各々が持ち寄った資料がズラリ。

静岡県庁で働かれていた経歴をお持ちの制作部の内田さんが、疾病対策課で被爆者健康手帳等の交付を担当されていたときのお話をしてくださいました。

広島・長崎だけではなく、静岡、そして全国で被爆者健康手帳等の交付は行われています。どういった基準で手帳は交付されるのか、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律をもとに教えてくださいました。想像だけでは補うことができないことを知りました。

顔合わせから始まったこの1か月間、紆余曲折ももちろんありましたが、7月の稽古最終日には目標だった荒通し(ランスルー)を行いました。
これから9月の利賀公演まで残り3週間ほど!さらに磨きをかけていきます。


▲いつだって真剣な眼差しのEMMAさん

(SPAC制作部・佐藤美咲)

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SPAC秋→春のシーズン2024-2025
#2『象』

演出: EMMA(旧・豊永純子)
作:別役実

出演:阿部一徳、小長谷勝彦、榊原有美、牧山祐大、吉植荘一郎、渡辺敬彦[五十音順]

<利賀公演>
SCOTサマー・シーズン2024
9月7日(土)12:00開演
9月8日(日)14:00開演
会場:富山県利賀芸術公園 創造交流館

<静岡公演>
SPAC秋→春のシーズン2024-2025 #2
12月7日(土)18:30開演/8日(日)・14日(土)・15日(日)各日14:00開演
会場:静岡芸術劇場

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“象”の足跡 〜創作・公演の軌跡を描く〜 Instagramにて更新中!