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2011年5月13日

真夏の夜の噂...⑨ 俳優:菅原達也さん談

突然ですが、下の新聞紙は何でしょう?

P1020409_1新聞

ぐるぐる束ねられた新聞紙、衣裳室にて大量に生産されております。もちろん『真夏の夜の夢』のために・・・これがどう使われるのでしょうか?

ではブログ・真夏の夜の噂...第9回目の今回はSPAC初出演!俳優の菅原 達也(すがわら たつや)さんにお話を聞いてみましょう。

 

IMG_0290_1菅原さんまじめ

 

Q.自分の役について教えてください。

板前の役で名前は「デミ」。シェークスピアの原作だと「ディミートリアス」という役ですね。「デミ」を含めた恋人4人が妖精にうまいことかき回される。ちょっとピエロみたいなおもしろい役です。元々「デミ」のイメージは「そぼろ」に悪口を言う嫌なやつだったんです。でも、割と純粋な人なんだと思い始めました。真っ直ぐだからこそ創業130年の割烹ハナキンののれんをもらえるっていう野心に心が奪われて、恋愛よりも仕事をとっちゃったんじゃないかな。ある意味では社会適合者なのかも。真っ直ぐで何も聞かずにバーっと走り出してしまう。そんなノープランでおっちょこちょいで不器用なところは「デミ」の愛すべきところだと思っています。

Q.作品の見所について教えてください。

この作品では「詩の復権」ということを掲げていて、詳しいところは省きますが、まず稽古初日に「台詞は覚えないでほしい。覚えるならば標語や画像として覚えてほしい」と宮城さんに言われた。その感覚の作り方が今までやってきた芝居の方法と違ったのでまず困惑、でも同時に新しいことに対して興奮、という心境でした。例えば今、机に手を触れてる感じ、あったかさ、冷たさ、汗の感じ、光の状態、見られている感じ、そういうのをとにかくたくさん感じて、その状態で台詞がポロっと出る。その言葉を感じてまた自分の身体が変わっていく。とにかく敏感な身体が求められている。でもなかなかそうはなれなくて、試行錯誤を繰り返してます。言葉を出そうとした瞬間に20%位そこに意識がとられるんですよ。色々感じようと思うとその「感じよう」に30%位とられて、それによって身体が鈍感になってしまうんですよね。んー、これは突き詰めたら精神病になりそうだな、と思いながら(笑)

言葉を出す側に余計な意図がないからこそ、お客さんが自分で意味を変換しちゃう。それはお客さんに考える余地を与えていて、今回の作品は今まで以上にお客さんの解釈が舞台を補っていく。そういう意味で今までに無い作品になり得るんじゃないかなと。

Q.あなたならどんな媚薬・妙薬を使いますか。

ドラえもんが好きなので、ドラえもんの道具の「ウソ800」みたいな薬が使いたいです。これは言ったことが全部嘘になるっていうもの。そんな薬を飲んで「デミは最高に輝かない!」とか言いたいんですけど、 あんまり大きなこと叶えちゃうと野心がなくなって人生つまらなくなるので、「明日は絶対に○○時に起きない!」とか「舞台芸術公園(稽古場)まで瞬間移動しない!」とか生活の便利に少し役立てますかね。

 

日々稽古で忙しいけれど日本平動物園に行ってみたいという菅原さん。全力で稽古し、かつ静岡も満喫したいとやる気満々!「デミ」と菅原さん、なんだか真っ直ぐなところが似ています。