ブログ

2011年10月4日

アメリカツアー日記(12)

アメリカツアー日記

SPAC文芸部 横山義志

10/1(土)

宮城さん他7名は前夜ドナドナ状態でバンに乗り、泊まりがけでハンティントン会場の下見・仕込みに。午後6時出発、深夜0時ごろ到着したらしい。

今日は劇場が使えず、各部門の責任者も下見に行っているので、他のメンバーはピッツバーグでしばし戦士の休息。疲れも溜まっているし、雨が降りでやたらと寒いので(最低気温4度くらい)、ホテルに籠もっている人も多かった様子。

ニューヨークで味をしめて、ホテルのフロントで「コインランドリーはありますか?」と聞くと、「ちょっと遠いんですよね」との返答。「どのくらいですか?」「たぶん車で15分くらいかな・・・」それは遠すぎである。ニューヨークでは街中でもコインランドリーがあったが、ピッツバーグではそこまで行かないと家に洗濯機がない人は住んでいないらしい。仕方なく、部屋でほそぼそと手洗い。換気扇がちゃんとしているので、ニューヨークよりは乾く。

昼間、アフリカ系アメリカ人文化を紹介するオーガスト・ウィルソン・センターに行く。オーガスト・ウィルソン(1945-2005)は『ピッツバーグ・サイクル』十部作で知られ、アフリカ系アメリカ人としてはじめてピューリッツァー賞を受賞した劇作家。1000席くらいある立派な劇場もついている。

オーガスト・ウィルソン・センター

オーガスト・ウィルソン・センター

センターの前を通る「ピッツバーグ・オバマ・アカデミー・マーチング・バンド」

センターの前を通る「ピッツバーグ・オバマ・アカデミー・マーチング・バンド」

夜は地域劇団ピッツバーグ・パブリック・シアターの『エレクトラ』を観に行く。7時過ぎに劇場外のインド料理屋に入ると、着飾った紳士淑女がワインなど空けながら悠然と食事をしているが、7時45分にはお店はすっかり空になった。みんな8時からはじまる公演に行くわけだ。あわてて支払いを済ませて劇場へ。

ピッツバーグ・パブリック・シアターには地方自治体だけでなく、様々な企業がスポンサーとなっていて、後者のメインスポンサーの一人はなんとエレクトラさん。

ピッツバーグ・パブリック・シアターの今シーズンのテーマは「レッド・ホット」。赤いスニーカーをはいていったら、赤いベストを着たもぎりのお姉さんに「そのスニーカー、いいわね」と言われる。『メデイア』もけっこうレッド・ホットですよ、とでも言っておけばよかった。どうせ向こうも公演で見られないだろうけど。

IMG_0701

『エレクトラ』は650席のオレイリー劇場で、およそ一ヶ月のロングラン公演。今夜はそれなりに埋まっていた。劇団は1974年の創立で、蓄積があるのだろう。ピッツバーグではシェイクスピアやギリシア悲劇などの古典をある程度ストレートな形で見ることができるほぼ唯一の劇団なのではないか。

チケットを見せると、もぎりの方に”Have fun!(楽しんで!)”と声をかけられる。ギリシア悲劇で”Have fun!”もないだろうと思ったが、リベンジ成功で幕切れになる、たしかにけっこう後味爽快な『エレクトラ』だった。

ハンティントンにいる宮城さんからは「照明仕込みがつづいていて出発が19時過ぎになりそうで、ピッツバーグ到着は午前1時を過ぎそうです」との連絡が・・・。

明日は最低気温2度という予報。