アメリカツアー日記
SPAC文芸部 横山義志
10/4(火)
今日はウェストバージニア州知事選で学校に入れないため、集合は午後7時半。それまでは各自のんびりと。オハイオ河のほとりにある自然公園に行ったら、SPACメンバーが何人も河を眺めていた。みんな自然が恋しかったみたい。
観光案内センターに行き、「どちらから?」と聞かれて「日本の劇団と一緒に来たんです」と答えると、「聞いてるわよ、ハンティントン高校でやるんでしょ?」と言われる。話題にはなっているようだ。
マーシャル大学日本語専攻の先生方がお手伝いに来てくださっている。ウェストバージニア州では唯一日本語が専攻できる大学なので、一学年50人くらい学生がいるとのこと。ピッツバーグの方は「ハンティントンに行ったらきっと日本人にはなかなか会わないと思うよ」とおっしゃっていたが、マーシャル大学には日本人の先生と学生も50人くらいいて、ハンティントン市全体では日本出身の方が80人くらいはいらっしゃるらしい。
「ハンティントンは意外と便利なんですよ。どこに行くにもそんなに遠くないから。ニューヨークまでも車で10時間くらいだし、ルイジアナだって16時間もあれば行けるし」とのこと。アメリカは広い・・・。
空気が乾燥しているので、俳優がのどを痛めないよう、霧を吹く。今回は舞台の奥行きが小さめなので、地がすりが再び前に垂れる。
午後7時半にホテルのロビーに集まって、8時にハンティントン高校に到着。開票作業も無事に終わったようで、運良くすぐに劇場に入れた。州知事選の方は9時すぎにマーシャル大学大学院出身の民主党候補の勝利が確定。
メデイアのうちかけ。高橋佳代さんのデザインで、一般的な着物の柄ではなく、肌色の地に刺青の文様が柄になっている。メデイアの内面が表面に出ているイメージとのこと。
実はメデイアの長い前髪の一部はこのうちかけに縫い付けられている。なので、この前髪はヘアメイクの梶田さんではなく、衣装部の管理。これがほつれかけてきていたので、昨日は夜中じゅう岡村さんと河尻さんで前髪を結い直していたという。
午後9時半頃、場当たり開始。今回は明日二回公演があり、スケジュール上ゲネが出来ない。今日多少休養できたせいもあり、俳優は心なしか、いつもにも増して気合いが入っている。クレオン(ムーバー片岡さん)が太刀を振り上げる角度を丹念に調整。イアソンのムーバー本多さんに「ムーブメントよりも何もしていない時に見ていられる体を作ること」に気を配るように、とのアドバイス。
宮城さん「美加理さん、息子が布を持ってくるところで、振り返るのを1秒くらい遅らせられるかな?もう事が起きてしまった、っていうことを認識する時間がほしいんだけど。」
美加理さん「ここはけっこう動きが詰まってるので、ここを遅らせるとあとでかなり詰めないといけないんですよね。」
宮城さん「じゃあちょっとゆっくり振り返るようにして、次のきっかけを0.5秒くらい早めるようにしようか?」等々。
俳優等は午前0時半ごろ劇場を出てホテルに。舞台班は午前3時頃まで作業だったとのこと。明日(?)は午前7時45分ホテルのロビー集合。