現在、静岡芸術劇場で『ガラスの動物園』の公演が続く中、一方稽古場では、小野寺修二さんとSPACのコラボレーションによる新作『オイディプス』の稽古が日々行われています。
ご注目いただきたいことの一つとして、マイムを源泉に自身のカンパニーで独自のムーブメントを追求、進化させてきた小野寺修二さんの、その身体性とムーブメントの哲学が、芸術総監督 宮城聰のもとで日々オリジナルのメソッドトレーニングに取り組むSPAC俳優たちへ、どのように注入されているか、という外部演出家とのコラボレーションならではの醍醐味があります。SPAC俳優が、これまでの作品ではなかったスリリングで意外な動きにも挑戦しているのです。
醍醐味があります。SPAC俳優が、これまでの作品ではなかったスリリングで意外な動きにも挑戦しているのです。
ときに出演者自身がアイデアを出し合い動きを再構成し、小野寺さんへ提案、そこに小野寺さんによる追加、修正、そしてまた確認、ということが繰り返され、最終的にまとめあげられるシーンもみられます。
思わぬSPAC俳優の動きが採用されることもあります。
今回SPAC俳優とともに出演していただく「カンパニー・デラシネラ」の藤田桃子さんや小野寺さんの演出作品にしばしば出演される森川弘和さんらとの競演にも是非ご注目ください。
何気ないしぐさを、まるで踊るようにみせてしまう小野寺さん独自の手法、そのなかでSPAC俳優たちは小野寺さんのムーブメント、演出を身体に吸収しながらもあくまで俳優としてパフォーマンスに取り組んでいるようです。
一つ一つの動きに時間をかけて丁寧に創り上げられていく「オイディプス」の稽古場は、出演者たちの根気と忍耐が渦巻いています。小野寺さんとSPACの新作『オイディプス』、是非ご期待ください!