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2014年11月18日

【日刊!『変身』】 『変身』にまつわる5W1H

カテゴリー: 『変身』2014

『変身』、通し稽古が始まっています。
これまで構成してきた場面、場面が、ついに大きなまとまりになりました。
わたくし、早くもちょっと興奮しておりますが…
あと2週間でどう「深化」していくのか、ものすごく楽しみです。

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本日の通し稽古を見ていると、
『変身』という作品について
そして、小野寺さん、藤田さん、俳優たちが創り上げている『変身』の中に
改めてたくさんの疑問が湧いてきました。

噂の舞台装置の上でどんどん展開(転回?)していく物語を一生懸命追いかけながら、
いろんなことを想像し、考えながら、あっというまの1時間半。
(※本日時点です。正確な上演時間はもう少しお待ちください。
初日まであと2週間、まだまだ何が起きるか分かりません。)

さて、感じた疑問を自分なりに思い返していると、
who, what, when, where, why, そして how ? がいっぱいです。

そう、遠い昔に英語の授業で習った「5W1H」というやつです。
ここでお勉強の話だなんて無粋なようでいて、
これ、なかなか深くて面白いカタマリでした。
…いま初めてそんなこと思いましたが。

『変身』という作品に皆さんが抱く疑問、
いったいどんなものでしょうか?

作品の一行目でいきなり虫になっているグレゴール。
私は何より、ここでいきなり

Why? なぜ? 

です。

昨日のブログで制作部の山川は
「どうせぇっちゅうねん」とツッコミを入れていましたが
そんな「なぜ?」を挟む余地もなく
物語は進んでいきます。

続く各場面でも「Why」はたくさん。

CIMG5269

CIMG5250

それなのにカフカさん、ものともせずにどんどん話を展開していきます。
そして小野寺さんが、さらなる「Why?」を加えてきてくださって… います。

ああ、次々に襲ってくる「Why?」に翻弄される楽しみ!

…はい、これだから舞台はたまりません!!

残りの4つのWと1つのHについてはまた明日。
(明日さらに疑問が増えたらどうしましょう。)

どうぞ皆様も、『変身』にまつわる5W1H、考えてみてくださいませ。

制作部 中野三希子

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静岡芸術劇場<ヘンシン!>記念公演
『変身』
12月6日~12月21日
公演の詳細はこちら
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2014年11月17日

【日刊!『変身』】まだ、おあずけ。

カテゴリー: 『変身』2014

みなさま、こんにちは。
制作部の山川祥代です。

ふと考えたら、『変身』公演初日まで
残すところ2週間となっていることに気付きました。
(中高生鑑賞事業公演の初日が12月2日)
なんと!

まだまだ稽古を重ねたい、深めたいというのも
もちろんありつつ、ただ同時に
早くみなさんにお披露目したい!
というのも大いにあって、心境は複雑です。
それだけ稽古の段階で魅力的なんです、この作品。
原作の力ももちろんあると思います。
だって、ある朝起きたら虫になっちゃってるんですよ?
どうせぇっちゅうねん。
最初の1行目で面白いですよ、『変身』。

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まだお見せできない部分、
・・・もどかしい。
ただそれこそ「装置とお友達になろう作戦」です。
俳優のみならず、スタッフも。
日々のメンテナンスもかかせません。
稽古で酷使している分、大事に、大事に。
毎日毎日、装置がいつも通り使えるのも
テクニカルスタッフの力の賜物なのです。

今日の素敵な笑顔、3コマ。

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一体何がそんなに面白かったのでしょう?
そんな素敵な笑顔溢れる稽古場から
本日もお届けしました。
みなさま、本日もお疲れ様でした。

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静岡芸術劇場<ヘンシン!>記念公演
『変身』
12月6日~12月21日
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2014年11月16日

【日刊!『変身』】ここからが勝負

カテゴリー: 『変身』2014

みなさま、こんにちは。
制作部の山川祥代です。

気付けば11月中旬となり、
夜が更けるのも早くなってきましたね。
朝晩の寒さも感じるようになってきましたが、
みなさまご体調崩されたりしていませんでしょうか?

さて、『変身』の稽古も
そんな寒さに動じることなく行われております。
セリフ、動き、音、照明、空間・・・
舞台上で繰り広げられる
全ての要素のバランスを調節しながら
稽古は進んでいきます。

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小野寺さんからも、
「もうちょい・・・」
「もう少しつめられたら・・・」
「ちょっとだけ・・・」
という言葉がよく聞かれ、
小野寺さんの描くイメージの「近く」までは来ているようです。
ただ、同時に
「まだ出来る!あともう少し!」
というようにも感じていらっしゃるようで、
ここから公演初日までに、どこまでたどり着けるか
俳優、スタッフ共に勝負なのだと思います。

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舞台監督である村松さんも
作品の全体像はもちろんのこと、
劇中のスタッフワークの流れを
真剣に確認しながら
稽古についていてくださいます。
頼もしいです。

ここからの追い込み、
『変身』チーム一丸となって戦っていきます。
見守っていてください。

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静岡芸術劇場<ヘンシン!>記念公演
『変身』
12月6日~12月21日
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2014年11月14日

【日刊!『変身』】フィクションが現実に

カテゴリー: 『変身』2014

みなさま、こんにちは。
制作部の山川祥代です。

稽古は日に日に実際の舞台を想定した流れで
進められています。
小野寺さんからの指摘も空間の使い方等、
より全体をとらえたものが
多くなってきたように感じられます。
それでいて、俳優さん一人一人への指摘は
顔の向きや、立ち位置、動き等
細部に亘ります。

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観ていると本で読んでいたものが
目の前に実際に浮かんでくるかのようで、
一気に物語に引き込まれます。
そこには主人公のグレゴールがいて、妹がいて、
その両親がいて・・・・・
そしてある朝、虫になっている。
そんな本の中だけの世界が
目の前で繰り広げられているのです。

フィクションが現実に。
実際に目にしていることは本当で、
でもお話はフィクション。
お話は作られた物語だけど、
それを舞台で観ているということは
本当のこと。
何を言いたいかというと、
舞台は「生」なのですよ、みなさま!
(意味不明でごめんなさい。)

稽古の10分休憩での3コマ。
(やっぱり3コマ!)

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筋トレ・・・?
いえいえ、作品に関わる重要な事項を検討中なのです。
よくわからないけど何だか楽しそう。
稽古はもちろん真剣に、
でも楽しむことも忘れず進めていきたいですね。

明日は稽古オフ。
【日刊!『変身』】も休刊です。
みなさま、また明後日に。

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静岡芸術劇場<ヘンシン!>記念公演
『変身』
12月6日~12月21日
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2014年11月13日

【日刊!『変身』】ともちゃんとナギちゃん。

カテゴリー: 『変身』2014

みなさま、こんにちは。
制作部の山川祥代です。

本日の【日刊!『変身』】ブログは
『変身』の作品創作に携わっている
「はたらく素敵女子」2名をご紹介したいと思います。

まずは、『変身』の音響オペレーターを担当している
SPAC創作技術部音響班の山﨑智美さん。
通称ともちゃん。(私の中で)

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稽古場の音響卓の前に座り、
稽古の様子を一部始終見つめながら
小野寺さんのその瞬間にひらめいた案に即反応し、
何百とあるであろうストックの中から
「音」という名の効果を提示していく・・・
当たり前のことのようで、
稽古場に与える影響然り、
ものすごいことなんだろうなって
しみじみ感じます。

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微動だにしないたたずまいというか、出で立ちには
ちょこんとかわいらしく座っているように見えて
その真剣な眼差しと瞬時の判断力に驚かされます。
それでいてお声のかわいらさしさといったら!
初めて耳にしたときは
「何てエンジェルボイスなんだ!」と感動したほどです。

そして2人目は同じく創作技術部で
舞台班の廣﨑ナギ子さん。
今年の4月からSPACメンバーとなったニューフェイス。
通称ナギちゃん。(またもや私の中で)

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ナギちゃんも今年が1年目だなんて信じられない程、
テキパキ動いてくれています。
新作はとても面白いけど、その分やっぱり大変なことも。
何もないところから生み出すということは
それだけ新しいものを用意しなくてはいけないということ。
装置にしても小道具にしても、
必要なことはわかっているけど、何せ創作中なので
稽古の進捗に大きく左右されてしまいます。
しかし、そんなことにも打ちのめされず
ともちゃん同様、その場の適応能力を大いに発揮しながら
ドライバーを使って道具を用意したり、大きな板を支えたりと
そのたくましい働きっぷりはとてもかっこいいです。

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そんなともちゃんとなぎちゃんに
今まさに創作がおこなわれている『変身』稽古について
どんなことを感じているかコメントをいただきました!

【山﨑】
「普段の生活では気にも留めないような
小さな仕草からも受け取ることのできる
意図や感情を見逃さないよう、
日々の稽古の中で心掛けています。」

【廣﨑】
「『変身』は新作なので、まさに何もないところから
一つの作品が創り上げられています。
その過程に携われているという事実が
もう楽しいです。そして光栄です。」

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いい音出せるようにがんばります!(山﨑)
観ないと後悔しますよ!(廣﨑)

『変身』の「働く素敵女子」、
ご堪能していただけましたでしょうか?
この2人が『変身』の創作現場にバッチリ付き添って
実際の公演でも活躍してくれます。
俳優、そして他のスタッフたちも
小野寺さんとの新作に全力で向き合っています。
そんな「熱い」稽古場から生み出される
SPAC新作『変身』、どうぞお見逃しなく!

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静岡芸術劇場<ヘンシン!>記念公演
『変身』
12月6日~12月21日
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2014年11月12日

【日刊!『変身』】「不条理」な稽古場

カテゴリー: 『変身』2014

みなさま、こんにちは。
制作部の山川祥代です。

昨日は稽古オフのため
【日刊!『変身』】もお休みでした。
「ついに力尽きたか」と思われた方、
のんのんのん。
まだまだ、がんばりますよ。
おかげさまで【日刊!『変身』】ブログ、
ちょこちょこお誉めのお言葉をいただきまして
本当に有難い限りです。
そして、どんどんホントに止められなくなってしまった・・・
「日刊」でいられなくなった次の日とか
みなさんにお顔向けができないよ、ホントに。
細々とひた向きに、そして前向きに
【日刊!『変身』】お届けしていきますので
これからもよろしくお願いいたします!

そして気になる稽古のほうですが
どんどん進んでいます。
つなげて、つなげて
通しが出来る場面も増えてきました。
それでいてまだまだ新しいこと、
発展できるところは探り続けています。

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本当に一体どんな作品になるのでしょうか?
毎日毎日稽古を見させてもらっていても
わくわく感が一向に治まりません。
むしろ高まっている気がします。
本日の午前の稽古だけでも
何回「すごい・・・」と口に出してしまったことか。
それだけこの『変身』という作品、つかめません。
とらえられません、私の頭の想像のはるか先を行ってしまうので。
ある意味私にとって今一番「不条理」な世界は
この『変身』の稽古場かもしれません。

「装置とお友達になろう作戦」、
絶賛続行中です。
今のところ関係良好で、
またさらにぐっと密接な関係になろうと
日々奮闘しています。

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隣にいるのが自然になってきました。

これからもそんな稽古場の様子を
「日刊」でお伝えしていきます。
みなさま、また明日!

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静岡芸術劇場<ヘンシン!>記念公演
『変身』
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2014年11月10日

【日刊!『変身』】大高浩一の語り

カテゴリー: 『変身』2014

だんだんと作品の姿が見えてきた稽古場より、レポートは続きます。

本日はこの方をご紹介しましょう。

今年度は、
『マハーバーラタ ~ナラ王の冒険~』のナラ王、
ふじのくに野外芸術フェスタで上演した『天守物語』で
姫川図書之助役のムーバー(動き手)、
静岡文化芸術大学で上演した『綾の鼓』では
華子役のムーバーだった大高さん。

今回の『変身』では、

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語る。

2
語る。

動きを作っている俳優たちと絡みながら
あるいは彼らの間をすり抜けながら
そして装置を縦横無尽に使いながら

3

語ります。

大高さんの台詞をここまでたっぷりと味わえるのは
SPACにいつも来てくださっている皆さんにとっても、ちょっと珍しいはず。

大高浩一ファン必見ですね?

大高さん

「楽しみにしててください!」

(大高さん最近その顔お気に入りっすね。)

ご来場お待ちしております!!

制作担当 中野三希子

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静岡芸術劇場<ヘンシン!>記念公演
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2014年11月9日

【日刊!『変身』】 「ぱちっ」の積み重ね

カテゴリー: 『変身』2014

本日は稽古後に衣裳のフィッティング。
サイズ等々の確認のため、出演者たちが交代で衣裳室へ向かいます。

10月25日、第二期稽古初日の冒頭に
衣裳デザイン担当の駒井さんから紹介されていたデザイン画から
実際に衣裳が出来上がってきているのを見て、ちょっと感激です。
(これまで何度もそんな光景を見てきたはずなのですが、それでも!)

めいっぱい肩を動かしてみる貴島さんと、衣裳の清さん。

fitting

fitting2

稽古場では、
何度も何度も試したひとつの流れが綺麗に出来あがった瞬間は
パズルのピースが「ぱちっ」とはまったような気持ちのよさです。

そして同じく、
舞台装置を作り、毎晩追加の作業や直しを続けている舞台スタッフたちや
衣裳を縫い上げ、細やかな調整をしていく衣裳スタッフたちの力が
さらに「ぱちっ」と合わさって、作品の姿が出来ていく。

一度姿が見えたあとにも、
それをキープしたり改善していったりと戦いはずっと続くわけですが
いまは、最初の「ぱちっ」を目撃し続ける毎日です。

rehearsal room

稽古中に小野寺さんが誰かに指示を出しに行くと、
その隙にあっちでもこっちでも各パートがそれぞれに猛烈に確認作業。

小野寺さん曰く、「大騒ぎだよ」と…

はい、いまはきっと大騒ぎの時期。

こうして全員がフルパワーで、「ぱちっ」を積み重ねています!

制作担当 中野三希子

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静岡芸術劇場<ヘンシン!>記念公演
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『走れメロス』俳優トーク(大内米治・大道無門優也)

カテゴリー: 2014年度の作品

中高生鑑賞事業「SPACeSHIPげきとも!」 パンフレット連動企画◆

中高生鑑賞事業公演では、中高生向けの公演パンフレットをみなさんにお渡ししています。パンフレット裏表紙のインタビューのロングバージョンを連動企画として、ブログに掲載します。

大内_IMG_7270-2
メロス役:
大内米治(おおうち・よねじ)

アメリカ・ニュージャージー州出身。2007年よりSPAC在籍。
 
 
 
 
 
 
 
 
大道無門_IMG_7277-2
読者役:
大道無門優也(だいどうむもん・ゆうや)

長野県出身。2009年よりSPAC在籍。
 
 
 
 
 
 
  
 
<2人で進めるビリヤード>
大道無門(以下D) 以前に『走れメロス』を上演した時、この作品はビリヤードに似てると思った。最初のブレイクショットは毎回同じように始めるんだけど、その日によって球の散らばり方が全然違う。でも、ちゃんと数字の順番通り、ポケットに球を落としていかないといけない。「今日は、あの球、そこに行ったか!」と思って、「最後にあそこに辿り着くために、1つ前の球をこういう風に落して…」みたいなことに必死になってる。
大内(以下O) 『走れメロス』だけ? 他の作品ではそう感じない?
D 『走れメロス』は特にそう感じる。舞台が長方形だからかな(笑)
O きっと2人で演じてることも関係あるね。
D 互いに球を落とさないといけないから。
O 一方が変なところに球を散らかすと大変(笑)

<演出家・安田雅弘の魅力>
D 稽古の初め頃、演出の安田雅弘さんから、メロス役とその他の役にざっくりと台詞分けした原作小説を渡されて、「これをしばらく演じ分けるように」と指示があった。その内、演出家が「大道無門君が、なんでいくつも役をやっているのか、もっと考えろ!」と言われるようになって、落ち込んで帰ってたね。
O (笑)
D たくさんの役を演じることに意味づけするとすれば何だろうって一生懸命考えた結果、ぼくが読書をしているというストーリーになっていった。
O 安田さんは、皆のアイディアを見て判断するタイプだね。人のアイディアをどんどん取り入れる。
D あんなに誠実に、「お前たちのここが不満だ!」って、いつまでも言い続けてくれる人はいないね。宮城聰さん(演出家・SPACの芸術総監督)は「お前はそのままでいい。お前がおもしろく見えるポジションを俺が用意するから」って感じでしょう。
O えー、それ、人によるよ。
D ……(お腹の音)
O (爆笑)
D 今日はお酒とか入ってもよかったと思うね(笑)
O まあでも、安田さんの話はわかるよ。
D まだ俺のこの部分に見切りをつけていなかったのかと思うくらい、「お前のここは、俺にとっては不満なんだ!」って、ずーっと言ってる。それを乗り越えた時は、次の不満なところを一生懸命探して言ってくれる。
 
<漫才で“怒り”の訓練?>
D 今回は、安田さんが優しいよね?
O 前回の稽古場は悲惨だった(笑)
D 毎日、へこんでたもん(笑)
O 安田さんは「好きなことをやれ!」と言うから、俳優はアドリブで色々やるでしょ。すると「バカヤロー! おもしろくねえよ!」って反応が来て、大道無門も「バーカッ!」って…
D 心を開いて稽古をしているから、演出家が凄い憎しみをぶつけてきたら、こっちも思う様、憎めるわけだよ。だから、ちゃんとコミュニケーションがとれていたってことだよね。
O 今回、演出として新しく加わったことと言えば、映像ですね。どんな映像にするかという話になった時、ちょっとふざけて、中高生に楽しんでもらいたいと話していたよね。演出家が優しいのも、その流れがあるのかな。漫才の稽古をしたし。スタッフも巻き込んで、一緒にね。お題は「最近、腹が立ったこと」。怒りの表現を掘り下げるためにやるのかなと思ったんだけど…
D そうじゃないね。
O その場にいる人を喜ばせる方法を探っていた感じ。「バカヤロー!」って本気で言うのではなく、ちょっと笑いを誘うような感じで「バカヤロー!」って怒る。
D この公演に限らず、ちょっとずつ変えていかないと、前回と全く同じことをしようとしても、俳優が死んでしまうんだよね。わざと方向性を変えていくところはあるね。
 
<舞台は生ものですから…>
D ぼくは、本番が始まって、もしも最初に、最後の台詞を言ってしまったら…って、よく考える。ってか言おうと思ってる。
O どういうことだよ(笑)!
D その日、自分が何をしでかすかわからない。少なくとも、メロスはそういう男。そんな男の話を語るにあたって、決められたことを決められたまま、かっちりやる状態で幕を開けるのは、正しくない気がして…
O 俺は、最初の頃、毎日同じことをしようと思っていた時期があったね。それでも、お客さんの側も毎日違うから、作品が変わっていく、というのが理想と思ってた。でも今は、やっぱり毎日違うんだから、違うことを舞台の上で素直に受け取ろうと思ってる。大道無門が「どうなるかわからない」と言ったけど、まあ、そうなるよね。

<友情をどうやって描く?>
O カーテンコールで、音楽がかかるでしょう?
D エルヴィス・プレスリーが歌う、サイモン&ガーファンクルの『明日に架ける橋』。
O それが流れて、俺と大道無門が向き合ってお辞儀する。友情を信じていたけど、もしかしたら嘘かもしれない、というところまで経験した2人が、目だけ合わせて「じゃあね」って言って別れる。哀しみまで含まれているね。いわゆる「友情、最高!」ではない。
D メロスと読者の肌と肌が触れ合うのは、実は、最後の抱き合うシーンだけ。ここで初めて接触する。それまでは、触ろうかな、触らない、触れられるかな、触れられない、って演技ばかり。この舞台には、「他者と出会う」というテーマがあると思う。それは読書によってわかることかもしれない。主役は、読者役のぼくですね。
O うん。
D 「うん」って言った(爆笑)
O いやいや、そういう話なんですよ。
D 『走れメロス』を読む男の演劇だね。読書体験を演劇にした珍しい作品だと思う。
 
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<演劇を始めたきっかけは?>
D ぼくは小学校から高校まで図工が大好きだった。高校生になって、美術部と演劇部に入って、演劇もおもしろいなと思い始めて、大学では彫刻を勉強しながら演劇も続けていた。彫刻家にもなりたかったんだけど、その時、たまたま演劇の方が楽しかったから、もう少し続けるつもりでいたら、20年くらい続いている。
O 俺は勘違いかな。自分の思っていることを表現できる場所があるかもしれないっていう。
D 勘違い?
O 勘違いっていうのは、その時に出会ったのがたまたま演劇だったってこと。もっと色んなものに出会っていたら、その中の他のものでもよかったかもしれないって意味。たまたまその時に出会って、これだ! と思って掴んだのが演劇だった。
D 確かに、色々知っている中から演劇を選んだわけではないね。たまたま近くにあったから手をかけて、ここまで生きてきただけだよね。
O 中高生向けの話じゃないと思われるかもしれないけど、俺、若い時からそんな感じあったよ。人生について考えてた。これからどういう風に生きていくんだろうって…
 
<なぜ演劇を続けている?>
D 例えばさ、落ち込んでる人がいた時、SNSだけじゃ埒(らち)があかないと思って電話する、電話だけじゃ埒があかないと思って会いに行く。それって、文字や声だけの情報より、実際に会ってやってあげられることの方が多いからだと思う。実際に会った方が、相手に対して、たくさんのことをあげられるから。これって演劇だよね。その人は、落ち込んでいる友達に対して、演劇をやっているんだって感じるのね。ぼくがお芝居に出ることも、70分間なら70分間、会いに来てくれた人たちと全力で会っているのと同じ。全力で会った結果、たまたま昨日とだいたい同じことをしたりするんだよ。人が人と会うことの全ては演劇だと思うし、会ったらできることの力を信じている。人が人と会うことがなくならない限り、演劇もなくならないと思う。演劇の素晴らしさはちっとも減らないと思ってやっているかな。
O 俺は…わからないんだと思う。なんで演劇をやっているのかわからない。色々理由づけは考えるんだけどね。なぜ今でもやっているんだろうね。最初は2年くらいしたらやめようと思っていたけど、やっていく内にわかることがものすごく増えてくるし…なぜ演劇をやるのか、ずっと探してる。年を経るごとに答えはどんどん変わっていくね。最初は作品のためにと思ってやっていたし、途中からお客さんと出会いたいと思うようになったし…そういう願いも持たずに、その場に立つ、その場に生きることをやってみたいと思ったりね。なぜ演劇を?ってきかれると、わからないな。変に理由づけするのが嫌で。わからないって答えでいいのかな?
D いいんじゃない? 大人にもわからなくてやり続けることがあるんだって思ってもらえば。
O それがうまく伝わればいいんだけどね。惰性ではやってないんだ。
 
<中高生へのメッセージ>
D 最初の2年でやめればいいと思ったのは、なぜ?
O 演劇をやる理由をがっつり掴んで帰ってやるぜ!って思ったの。でも掴めなかった。おい、まだここにも何かあるよ!って。ずっと掴み続けている。その内、掴むのも疲れちゃって、眺めて立って…
D 「朝(あした)に道を聞かば夕べに死すとも可(か)なり」って本当だなって思うね。
O どういうこと?
D 「もし朝、自分が何をすべきか悟ったら、夜には死んでもいい」。
O 答えが出ないからね。答えが出ないのが楽しいのかもしれない。中高生鑑賞事業の上演後に、中高生へメッセージを言うでしょ? どんな話が一番響くんだろうって考えた結果、そんなことより、一緒にこの芝居をつくってくれてありがとうって言った方がいいと思った。観劇してくれたことで、俺たちの心も変わる。感謝の気持ちと、君たちもいま走ってるんだよってことを伝えたい。
D うん。一緒に走ってくれてありがとうって気持ちだね。
 

(2014年9月18日 舞台芸術公園にて)

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SPACレパートリー/中高生鑑賞事業
『走れメロス』
10月29日(水)~11月28日(金)
県内各会場

*公演詳細はこちら
※『走れメロス』の中高生鑑賞事業パンフレットはこちらから読むことができます。

2014年11月8日

【日刊!『変身』】装置との気になる関係

カテゴリー: 『変身』2014

みなさま、こんにちは。
制作部の山川祥代です。

『変身』公演初日である
12月6日(土)に運行する浜松バスですが
本日満席となりました。
ご予約ありがとうございました!
今後は「キャンセル待ち」で承ります。
同日は1階席も少なくなってきておりますので、
ご希望の方はお早目にお問い合わせください。
13日(土)以降の公演にはまだ余裕がありますので
いいお席でご覧になりたい方は後半の公演をどうぞ。

「装置とお友達になろう作戦」、
(勝手に名付けました)
みなさん試行錯誤しながら奮闘しております。
まずは時間をかけて「相手」を「知る」ことから。
何回も何回もトライすることでコミュニケーション、
いや一方通行だから片思い?
とにかくじっくり一緒の時間を過ごすことが大事ですよね。

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今はまだ2人きりになるとよそよそしい
「知り合い」といったところでしょうか?
このまま日に日に仲良くなって、
「知り合い」から「友達」に、
そしてそこからただの「友達」ではなく、
かけがえのない「相棒」になっていくはず。
そんな「関係性」の変化にも
これから注目していきたいと思います。

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静岡芸術劇場<ヘンシン!>記念公演
『変身』
12月6日~12月21日
公演の詳細はこちら
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