ブログ

2014年2月27日

真夜2014【15】 出演者インタビュー 板前ライ:泉陽二

『真夏の夜の夢』出演者インタビュー、
第8回は、恋する若者たちのひとり
板前ライ(シェイクスピアの原作ではライサンダー)を演じる泉陽二です。


板前ライ:泉陽二(いずみ ようじ)
愛媛県出身 O型

–泉さんが演じる板前ライの見せどころは?
 板前ライは、割烹料理屋ハナキンの娘、ときたまごと知られざる森へ駆け落ちをします。ところが寝ている間に、妖精に惚れ薬を塗られてしまい、目が覚めて最初に見たそぼろ(ときたまごの親友)のことを好きになってしまいます。また眠りにつくと、またまた惚れ薬を塗られ…
 目覚める度に、恋におち、そしてやたらとお腹を空かせています。


<稽古風景 ときたまご演じる池田真紀子&ライ演じる泉陽二>


<ときたまご(池田真紀子)を置き去りにして、そぼろ(本多麻紀)に熱くせまるライ(泉陽二)>


<そぼろ(本多麻紀)を奪い合うデミ(左・大道無門優也)とライ(右・泉陽二)>

–『真夏の夜の夢』で一番好きなシーンや台詞は?
 なにしろ壮大な詩劇でもあるわけで、数え上げればキリがありません。
聴こえてくる言葉は、毎回違います。何度となく耳にしている台詞なのに、ある瞬間、突然、新鮮に、すーっと染み込んでくることもあります。

 最近気に入っている場面と台詞…ひとつは、ハナキンの出入り業者たちと仲居おてもと、下足番の福助が、ときたまごの結婚式でやる余興を決める場面。

~~~~~
仲居おてもと そうだ、お嬢さんは、あの、
       なんだかの国のアリスっていうのが、
  これ、これ、これが好きだったのよ。
福助  あー、○○○○○○の出るやつだな。

(中略)

仲居おてもと あれ?
       ○○○○○○なんかでてこないよ、
       不思議の国のアリスには。
福助      いいさ、題名をかえりゃ。
仲居おてもと なんてさ。
福助     『不思議の国の○○○○○○で△△△△』ってんで。

~~~~~
※「○○○○○○」と「△△△△」に何が入るのかは、ぜひ劇場でご確認ください!

 実にいい加減です。ちょっと待てよと言いたくもなりますが、悪びれることもなく、どこか楽しんでさえいる彼らの姿には、たくましさすら感じないではありませんか…
 ある人にとっては大切なもの、執着しているものが、傍から見れば取るに足らないことだったりします。ある物に対する距離の取り方、扱い方、受ける印象など、人それぞれ千差万別でしょうし、同じ人間でも、今、感じているように明日も感じるとは限りません。
 この場面になると、ふっと軽い気持ちにさせてもらえます。それでいて、やっぱり何かと繋がっていたいとも思ったりもして。

 そして、もうひとつは、2幕最初の妖精パックの台詞。
 野田さんの潤色では、原作にはない、悪魔メフィストが登場し、パックを小さなビンの中に閉じ込めてしまいます。豪快に荒業をやってのけ、ビンから抜け出したパックの第一声。

~~~~~
さあ、今までの分、すべて吐き出すぞ。
~~~~~

 自分に、そして世界へ向かって、己れ自身の「解放」を宣言する。
 見事としか言いようがありません。

~~~~~~

泉の2011年初演時のインタビューはこちらで読むことができます。

さて、ご好評をいただいている『真夏の夜の夢』ロングラン公演、
週末の公演は3月1日が最後となりますが、
平日の中高生向けの鑑賞事業公演は3月14日まで続きます。

中高生鑑賞事業公演は、一般の方もご観劇いただけます。
また、3月10日(月)には平日の夜公演(18:00開演)もありますので、
まだ観ていないという方、もう一度観たいという方、
どうか、お見逃しなく!