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2014年3月13日

真夜2014【26】 出演者インタビュー 耳が悪い精:佐藤ゆず

『真夏の夜の夢』出演者インタビュー、
第19回は、「耳が悪い精」を演じる佐藤ゆずです。


耳が悪い精:佐藤ゆず(さとう ゆず)
新潟県出身 A型

–佐藤さんが演じる、「耳が悪い精」はどんな妖精ですか?
 野田さん潤色の『真夏の夜の夢』は、妖精も森全体も人が口にせずに呑み込んだ言葉でできあがっていると思うんです。では、耳の悪い精は、どういう言葉でできあがったんだろうって考えると、いろんな選択肢があってどれを選んでも面白いんですけど… 私自身は悲しかったり、悔しかったりする言葉を、あまり聞きたくなくて、「聞きたくない!」っていう時には、本当に耳をふさいでしまうんです。耳が悪い精は、そういう、人が聞きたくなくて呑み込んだ言葉でできているのではないかと思い、今回の再演にあたっては新たな気持ちで台本を開きました。


<稽古風景>

 ただ、ネガティブな言葉でできているとは言っても、耳が悪い精の存在自体はネガティブなものではないと考えています。人間社会で忌み嫌われた言葉を栄養分にして生きている妖精は、ネガティブなものを生き生きとしたもの、楽しいもの、いいものに変換できる、そういう存在なのではないかと。たとえば、ネガティブな言葉があったとき、それを跳ね除けるとか、否定するのではなくて、それを一回自分に取り入れる。すると自分を通過して出てくるものは、もはや嫌なものではなくて、ポジティブなものとして出てくる。そんなことができたらいいなと思って、毎日稽古したり、本番を迎えたりしています。


<耳が悪い精(左・若宮、右・佐藤)>

–佐藤さんのおすすめの『真夏の夜の夢』の見どころを教えてください。
 演奏エリアにも注目してもらえたら面白いと思います。この作品では、舞台奥に演奏エリアがあって、その場面に出演していない俳優が演奏をしています。そこにも、実はすごくドラマがあります。舞台の前面で演じている俳優たちを見ながら演奏しているので、同じ音やフレーズでも毎日全然印象が違います。セリフとどうかけ合わせていくか、そして、他の人の音とどうかけあわせていくのか… 無言でやり取りが行われ、音が重なっていく様は、まるで糸を紡いで重ねていって、最後には一枚の布になるかのようです。ただのBGMではなくて、その場で多くの人たちによって立体的に織りなされるものを観て聴いてもらえたらいいなと思います。


<妖精大集合! 右から3番目が耳が悪い精・佐藤>

–『真夏の夜の夢』で一番好きな台詞は?
 好きな台詞はたくさんあって、メフィストの台詞はどれも好きです。メフィストの台詞は好き過ぎて選べないので、あえてそれ以外で選ぶとすれば… そぼろが、元恋人のデミさんに言うこの台詞です。

〜〜〜〜
あなたは世界のすべてよ。
だから、人気がないどころか、
私は今、世界のすべてと一緒にいるのよ。

〜〜〜〜

 すごいですよね、この台詞。初めて台本読んだ時、そぼろはちょっと後ろ向きな感じがするという印象だったのですが、この台詞を聞いてなんて前向きなんだろうって、びっくりしたんです。こんなにテンションの高い言葉ってなかなか言わないなと思って。台詞としても、すごく特殊な台詞に聞こえるんです。みんなが、いろんな物事に、こういうふうに接していられたら、世界は平和になるだろうなって思います。

佐藤の2011年初演時のインタビューはこちらで読むことができます。

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ご好評をいただいている『真夏の夜の夢』ロングラン公演、
平日の中高生向けの鑑賞事業公演は3月14日までです。

まだ観ていないという方、もう一度観たいという方、
どうか、お見逃しなく!

★公演詳細、中高生鑑賞事業公演の日程は、こちらからご確認ください。