4月29日、6年ぶりに野外劇場で上演された『ふたりの女』。
初日を観劇した演目担当のシアタークルー(ボランティア)さんが、レポートを寄せてくださいました。
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夢は現実の投影であり、現実は夢の投影である。
ジークムント・フロイト
洗練された高い身体性と観客を巻き込む祝祭性。SPACの演劇作品には、この二つの要素はいつも欠かせない。
『ふたりの女』もまた、鍛錬された俳優の身体と演出家・宮城聰による戯曲の深い解釈、さらには巧みな音響効果、照明に至るすべてが、この作品に深淵さを与えている。そして観客は、その世界に引き込まれ、魅了される。
源氏物語に着想を得ながら、能の「葵上」やチェーホフ「六号室」を巧みに織り交ぜて、唐十郎が生み出したこの作品を宮城聰が演出。六条の怨念がアオイに乗り移るのだが、しだいに二人の女は、心理的に交錯し始める。相手役である光一も、二人の女の人格倒錯に混乱し、精神的に病んでいく。こうした正気と狂気との境界の不明瞭が、この物語の最大の見どころ、魅力である。つまり、この物語は、六条とアオイ、光一の心理的倒錯によって形成されており、登場人物たちの感情の動きを追体験しながら、この作品を観ることで、観客は、この物語に自ずと引き込まれていく。
我々には、意識と無意識という二つの状態がある。しかし、この作品を通して、我々は、意識でも無意識でもない、それらを超越した心理状態になるのである。
泰井良(たいい・りょう)
1972.9.5 神戸市生まれ
静岡県立美術館上席学芸員、俳優。展覧会企画のほか、市内劇団でも活動中。
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『ふたりの女』は5月3日(日)、6日(水・祝)も舞台芸術公園 野外劇場「有度」にて上演されます。
3日は残席わずかですので、チケットはお早目にご予約ください。
★『ふたりの女』リピータープレゼント!
「もう一度観たい!」
初日にご来場いただいたお客様から、そのようなお声を数多くいただきました。
ありがとうございます。
そこで!
5月3日、6日の『ふたりの女』の物販コーナーにて、
「2度目の観劇です」と申請してくださった方には、
特製しおりをプレゼントいたします!!
なんと、六条/アオイ役・たきいみきの手作り。
愛のこもったしおり、ぜひゲットしてください♪
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『ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む』
5月3日(日)、6日(水・祝)各日18:00開演
舞台芸術公園 野外劇場「有度」
http://spac.or.jp/15_two-ladies.html
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