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2015年10月25日

『舞台は夢』新人日記  最終回 ありがとうございました!

皆様こんにちは、制作部の塚本です。

去る10月11日、『舞台は夢』が大盛況のうちに無事、千穐楽公演を終えました!
劇場に足を運んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
2時間超の『舞台は夢』という旅を通じて、いろいろなことを感じてくださったことと思います。
クランドールの一風変わった愛の形、ホラ吹き隊長のおかしみと哀しみ、イザベルの優しさ、リーズの強さ…素晴らしい個性を持った、すべての登場人物。
そしてフレデリック・フィスバック氏の演出から、映画と演劇の関係、シンプルなものからこそ生まれる豊かなイメージ。
とてもここには書ききれませんね。
公演が終わっても、私の中で真に『舞台は夢』が幕を閉じるのはまだまだ先のようです。それとも永遠に上演中…?


劇中劇の「終演後」にお祝いをする俳優たち

思い返せば、第一期の稽古が始まったのはなんと5月。気づけば5か月が経ちました。
その間楽しかったこと、大変だったこと、いろいろなことがありました。
『舞台は夢』という作品自体、私にとっては一生忘れられない記憶となりましたが、
一つの作品がまだ影も形もないところから、お客様を楽しませるエンターテインメントに出来上がっていくまで、
そのダイナミックなプロセスに立ちあえたのは、それ自体が一つの感動でした。
なんといっても、5月には『舞台は夢』は台本という数枚の紙束でしかなかったのです。
それが何百人もの人の心を動かす物語になるなんて… アルカンドルもびっくりの大魔法だと、思いませんか。

無から有が生まれるということは本当に大変で、苦しくて、それでも素晴らしいことなのだと思います。
作品を自分の子どもに例える演出家もいますが、今ならその気持ちがわかる気がします。
できることなら、そのプロセスまで含めて丸ごとお客様に味わっていただけたら!
ですが、それもきっと完成した作品の中にはギュッと詰まっていて、ちゃんとお客様に伝わっていると、信じています。

さてさて、SPACではもう次の作品が皆様の前に姿を現わすべくひかえていますよ。
その名も『王国、空を飛ぶ!〜アリストパネスの「鳥」〜』
コルネイユの『舞台は夢』からさらに時代はさかのぼり、アリストパネスの『鳥』は古代ギリシアの傑作喜劇。
今回はSPAC文芸部・大岡淳が、舞台を現代日本に置きかえて大胆に蘇らせます。

演劇の旅に終わりはありません。
新しい冒険と感動を求めて、いつでも劇場にいらしてください。
また皆様に会えることを心待ちにしています!

(制作部・塚本広俊)