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2019年4月5日

『マダム・ボルジア』ブログ3 ~棚川音楽の魅力に迫る!前編~

みなさん、こんにちは。
制作部の宮川です。

『マダム・ボルジア』の初日まで約1ヶ月。
3月15日からスタートした稽古は、早いもので3週間が経過しました。
現在は静岡芸術劇場内へ稽古場所を移し、4月末から始まる駿府城公園での現地リハーサルへ向けてより具体的な構想のもと、創作が進んでいます。

さて、宮城作品の見どころの1つといえば、何と言っても俳優たちによる生演奏ですよね!
劇中の迫力ある演奏は、芝居をより一層盛り立て、観客をあっという間に作品の世界へと引き込みます。演奏を楽しみに、宮城作品を観にいらっしゃるお客様も多いのではないでしょうか?

今回と次回のブログでは前編・後編に分けて、演奏隊の魅力に迫っていきます!
今回も舞台音楽を担当しているのは、長年、宮城作品の制作現場に立ち会い、音楽によって作品の魅力を引き出し続けている棚川寛子さん。
そんな棚川さんに、新作『マダム・ボルジア』の舞台音楽について、まだまだ制作途中ですが構想を聞いてみました。

◇棚川さんが登場している過去のブログはこちら↓
・【シェイクスピアの『冬物語』稽古場ブログ#3】舞台音楽家・棚川寛子インタビュー【前編】
・【シェイクスピアの『冬物語』稽古場ブログ#4】舞台音楽家・棚川寛子インタビュー【後編】
『夜叉ヶ池』舞台音楽 棚川寛子さんインタビュー(2012年)

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▲絶賛創作中の棚川さん

 
かのヴィクトル・ユゴーが描いた戯曲『ルクレツィア・ボルジア』はイタリア・ルネサンス期が舞台ですが、今作は物語の設定を織田信長が生きた戦国時代後期に置き換えて描かれています。なので当然、物語に登場する地名や人物の名前がTHE・JAPANESEに変換されて描かれています!

よって、音楽も「和」テイストなのか?と思いきや、今回は敢えて「和」のテイストを前面に押し出さずに曲作りをしているそう。

「台本に出てくる固有名詞は「和」だけど、逆に音楽は「和」を意識しないで作っています。だってその方がギャップあって面白いでしょ?」と遊び心たっぷりの棚川さんらしい回答が返ってきました。

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▲曲を作る際には、棚川さん自らが演奏し、出来上がったリズムやメロディーなどを俳優たちにコピーさせて、どんどん音を重ねていく様子が見られました。

 
また、いつもは静かな音楽を作ることが多いそうなのですが、今回は珍しく明るい曲が増えそうだと話していました!特に、冒頭は派手で華やかな「ジプシー音楽」をイメージして作っているとのこと。実際の創作では太鼓、ピアニカ、笛など様々な種類の楽器を使って曲作りを行なっていて、音色豊かな音楽に仕上がっていました!

どのようなシーンで演奏されるのかは、観てからのお楽しみに♪

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▲棚川さんから次々と出される指示に対して、即座に反応していく俳優たちのチームワークは圧巻です!

そして、最後に。

棚川さんからみた今作品の見どころを聞いてみると、「見どころは全部!と言いたいところだけど(笑)、あえて言うなら “音楽とセリフのコンビネーション” かな。演奏隊全員がセリフを聞いて、その内容や俳優の呼吸に沿わせて音楽が演奏されていく。セリフと音楽の融合をぜひ楽しんでもらいたい。」と答えてくれました!ご覧になる際には、セリフ&音楽を「音」として楽しむのも面白い見方かと思います!

 
次回のブログでも引き続き、棚川音楽の制作秘話をお届けします♪
演奏を担当する俳優さんに、気になるあんなコトやこんなコトを聞いてみました!
お楽しみに!!

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『マダム・ボルジア』
構成・演出:宮城聰
作:ヴィクトル・ユゴー
訳・翻案:芳野まい
音楽:棚川寛子
振付:太田垣悠
出演:SPAC

公演日時=5月2日(木・休)、3日(金・祝)、4日(土・祝)、5日(日・祝)各日18:45開演
会場=駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
上演時間=未定(120分以内) ※日本語上演/英語字幕
*詳細はコチラ
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