前回のブログでは、1月、2月の授業の様子をお伝えしました。
今回は、3月の授業の様子をレポートします!
3月19日は、楕円堂での稽古の最終日でした。
午前中は習い事があって来られないアカデミー生もいるので、朝から参加できるメンバーで稽古を行っていました。全員揃っての稽古ではなかったですが、皆集中して取り組んでおり、だんだんとシーンが出来上がっていくのを実感しました。
13時半からの稽古ではほぼ全員揃っての稽古を行うことができ、場面ごとにどう動くのか、どうセリフを言うのか、演出の寺内とともに確認し、アカデミー生ならではの『葵上』が出来上がっていきました。
▲楕円堂での稽古風景
3月21日からは静岡芸術劇場での稽古がスタート。
7月の集中講習以来の芸術劇場の広さに戸惑う場面も見られましたが、徐々に空間に慣れ稽古に励む姿を見ることができました。
3月23日からは通し稽古も行い、成果発表会の本番でお客様に楽しんでもらうために、アカデミー生全員で『葵上』をブラッシュアップしていきました。17時半に稽古が終わると劇場や楽屋で自主稽古を行うアカデミー生もいて、より良い作品にしたいというアカデミー生の思いが伝わってきました。
▲劇場稽古初日のトレーニングの様子
そして迎えた3月26日の成果発表会では、アカデミー生の保護者や友人の方をはじめとする多くのお客様がご来場くださり、1年間の実技で行ってきたトレーニング、三島由紀夫作・寺内亜矢子演出の『葵上』を披露しました。4名の登場人物を14名で演じ、昭和の話でありながら近未来性も感じる演出で、アカデミー生たちの好演に多くのお客様が感動したようでした。
お客様からは、
・とても迫力があり、一人一人が真剣に役を演じる姿がとてもかっこよかったです。セリフのタイミングやそろえるところ、動きの一つ一つに見入ってしまいました。
・難解な劇でしたが、各人、はっきりした口調でよどみなくせりふが出て、さすが訓練してきた成果だと感心しました。
などの感想をいただきました。
▲トレーニング実演の様子
▲『葵上』上演の様子
成果発表会のあとには、修了式を行いました。
静岡県を代表して東アジア文化都市担当理事の渋谷浩史さんからの式辞、講師陣、校長・宮城聰から2期生へ贈る言葉が述べられ、宮城から1人1人への修了証書の授与がありました。その後、アカデミー生から1年間の感想などを話してもらいました。1年間を振り返り、スピーチ中に泣いている子も多くいました。「すべてが嫌になり、アカデミーもやめようと思ったけど、アカデミーが自分の居場所になった」と話してくれた子もいて、演劇アカデミーが学校とは違った形での仲間との交流、大人との関係を築ける場になっているのだと実感しました。
▲修了式でのアカデミー生のスピーチ
終演後には、講師陣、1期生、制作も交えたお別れ会を行いました。お別れ会では、1期生の感想を聞いたり、皆で『Seasons of Love』を歌ったりしました。お別れ会の最後には、アカデミー生から講師陣へのメッセージのサプライズがありました!
▲お別れ会の様子
SPAC演劇アカデミー2期生の活動が無事終了し、15名全員修了証書を受け取ることができました。
2期生としての活動は終了しましたが、15名の人生はこれからも続きます。
アカデミーでの思い出や経験を糧に、自身の目標や夢に向かってこれからも頑張ってほしいと思います。
(制作部・関澤里菜)