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2023年10月16日

『ばらの騎士』ブログ♪2 サロンが始まりました

2023年9月30日(土)、舞台芸術公園にて『ばらの騎士』サロンのチェックインが行われました。

8月上旬に情報を公開し、約1ヶ月半のメンバー募集期間を経て、なんと、27名の方がお申し込みをしてくださりました。

チェックインでは、顔合わせということで、お一人お一人に自己紹介をしていただきました。
すると「SPACと私」というテーマなのではないかと思うくらい、皆さんがどんなきっかけでSPACに出会ったのか、またサロンにどんなことを期待するのか、思い思いのことをお話ししてくださいました。

顔合わせの後は、『ばらの騎士』にも出演する武石守正のガイドのもと、園内見学ツアーにお出かけしましたよ~。


▲屋内ホール「楕円堂」にて

来年3月の千穐楽まで、どうぞよろしくお願いいたします!

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今回のブログでは、なぜ『ばらの騎士』サロンという企画が立ち上がったのか、その立ち上げ方の部分を、制作担当の佐藤が、少し書き綴りたいと思います。

まず、この企画の元々の発案者は我らが芸術総監督、宮城聰です。SPACでは、毎月「朔会」といって、SPACの関係者一同が顔を合わせる会があります。そこで宮城が、作品が作られていくプロセスもお客様に見ていただくことができるかもしれないと話していました。

そして7月のある日、芸術局長の成島より一通のメールが届きました。それは、創作過程を公開する企画を実現させてみたいから素案を読んで意見をもらいたいという内容でした。

それから制作部のメンバーで急遽ミーティングを設け、急ピッチで企画の実現に向けて動き出しました。

これまで、稽古を少し覗いたり演出家のお話を聞いたりする「おためし劇場」という企画や、一般公演時の関連企画「バックステージツアー」などで舞台の裏側を公開するなど、一時的に舞台の創作の裏側を知ることができる企画は過去にも実施されていました。今回のようにその創作の過程を長い期間で赤裸々に公開していくということは初めての試みであり、前例がない企画内容を詰めていくのには正直とても悩みましたが、皆でアイデアを出し合いました。

イメージしたのは「演劇のサブスクリプション」。ひと月に1回は何か参加できるイベントがあると理想です。
SPACの豊富な人材を活かし、文芸部による作品への理解をより深められるような講座や、SPAC内部の人について知ることができるメニューを考えました。

最も悩んだことは「稽古見学」について。
創作過程の公開=普段の稽古を公開する、ということがマストで考えられます。
ただ、私たちにとって稽古場というのは、演出家と俳優、スタッフが日々赴く、日常的な「職場」なのです。
多くの職場がそうであるように、毎日が和気あいあいとした楽しい職場である保証は正直ありません。上手くいく日もあればいかない日もあります。意見の衝突だって時に起きることがあるでしょう。そんな日常をさらけ出してしまうのには抵抗もあります。


▲第一期稽古の様子

ガチでリアルな現場を本当に公開できるのか、というのは非常に難しい部分です。しかも演出家が不在の日もあったり、自主稽古の日もあったり、ルーティンというものがないので、その日その日の稽古の想定ができません。時間制限を設ける?僅か数日だけの公開にする?様々な意見が飛び交いました。

何より大事なことは、サロンメンバーに作品が立ち上がっていく姿をみてもらうこと。結論として、第二期稽古期間の数日おきに見学の実施日を決め、その日の時間制限は設けず、自由に入退室いただけるようにしました。
この挑戦はとても大きなことだと思います。私自身は今作が初めてのシーズンプログラムの担当制作となるので、どんな稽古が繰り広げられていくのか未知数で、とてもドキドキしています・・・!
サロンメンバーの方の中には、ご自身も演出をされている方もいて、宮城がどんな稽古場作りをしているのか見たいといってくださる方がいました。
誰にとっても有意義な稽古時間になるように、担当制作として努めていきたいと思います。

9月30日のサロンチェックインの日から千穐楽の来年3月10日まで、驚くことに約半年くらいの期間となります。(長い・・・・・!)初の試みとなる『ばらの騎士』サロン。不安定な部分もあるかと思いますが、創作期間を走ってくださる「伴走者」:サロンメンバーの皆さまと共に完走できる日を迎えられることを楽しみにしています!

次回のサロンは、10月29日(日)の「宮城聰の演劇世界」講座です。SPAC文芸部・大澤真幸が宮城聰の演劇について語るのですが、ここでしか聞けないことがたくさんありそうです!東京芸術祭2023で上演される『マハーバーラタ~ナラ王の冒険~』の話も出るかも・・?
サロンメンバーでない方も単発参加としてご参加いただけますので、ぜひこの機会にお申し込みくださいませ!

(SPAC制作部・佐藤美咲)

★『ばらの騎士』サロンの詳細はこちら
★単発参加の詳細はこちら

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SPAC秋→春のシーズン2023-2024
#3『ばらの騎士』

演出:宮城聰・寺内亜矢子
作:フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
音楽:根本卓也
出演:石井萠水、大高浩一、木内琴子、貴島豪、小長谷勝彦、榊原有美、佐藤ゆず、武石守正、永井健二、本多麻紀、牧山祐大、宮城嶋遥加、森山冬子、山本実幸、吉植荘一郎、若宮羊市[五十音順]

2024年1月7日(日)、8日(月祝)、13日(土)、14日(日)、20日(土)、21日(日)、3月10日(日)
各日14:00開演 会場:静岡芸術劇場

★公演の詳細はこちらをご覧ください。
https://spac.or.jp/au2023-sp2024/der_rosenkavalier