8月末にキャスティング・オーディションを終えた『しんしゃく源氏物語』。
9月にいよいよ稽古が始まりました。今回は、キャストも半分近くが入れ替わります。
現在、SPACでは「SPAC秋のシーズン2010」も始まり、
稽古や仕込み、舞台装置の製作で、どこもかしこも人や物で行き交っています。
そんな喧騒から、そっと抜け出したような、ひっそりとした静謐な小空間、
舞台芸術公園の屋内ホール「楕円堂」にて、稽古は行なわれました。
台本の読み合わせから、
稽古といえども、着物を羽織っての立ち居振る舞い。
雅な仕草とコミカルなやりとり。
あっという間にこの現実世界に、
見ているものの頭の中に、
とある新たな世界が築かれます。
SPACレパートリーとして上演を重ねてきた作品の、
深みを感じさせる稽古の始まりです。
出演者やスタッフ、そして演出家、原田一樹氏とともに、
ここ静岡で育ってきた舞台『しんしゃく源氏物語』。
今回もまた、新たな配役で、また更なる趣が生まれることでしょう。
楽しみになってきました!!
原作は千年以上も前に成立した長編物語である『源氏物語』。
この『しんしゃく源氏物語』は高校の教師であった榊原政常氏によって、
高校生のために書き綴られた作品です。
千年も前に創作された物語が、今尚題材として扱われ、
人々によって思い巡らされているなんて、なんだか不思議な感じです。
人が自然や物事にふれて感動する、また、何かしら生じる心の動きを知る、
そんな自然でやさしい気持ちを、この『しんしゃく源氏物語』を通して、
もう一度思い返していただければ、と思います。
時とともに、多くのことが変化し、
気づかないうちに忘れてしまった感覚があったとしても、
変わらない部分って、きっとあるはずです。
是非、皆さん『しんしゃく源氏物語』楽しみにしていてください!