SPAC新作『令嬢ジュリー』
いよいよ本番まで一週間をきりました。
ここで少しみどころをご紹介していきます!
まずは舞台美術
舞台美術を手がけるのは、美術界・建築界で世界的に注目される
ローラン・P・ベルジェ。
1972年生まれという若手ながら、2010年ヴェネチア・ビエンナーレ建築展にも招聘されるなど、活躍がめざましい気鋭のアーティストです。
会場は、磯崎新が設計した静岡芸術劇場。ローランは「アラタ・イソザキの建築の中にもうひとつ建築をつくる。この舞台美術ではふたつの建築の関係が重要だ。つまりこの美術はイソザキへのオマージュでもある。」と語っています。
自然主義と象徴主義の両方の面からアプローチされてきた『令嬢ジュリー』の演出史をふまえ、このふたつの考え方が両立しうる空間が模索された結果、19世紀末の令嬢ジュリーの屋敷は、白く切り取られた現代的な空間に置き換えられました。
ぜひ客席でこの空間を体感してください!!
ローラン・P・ベルジェ Laurent P. Berger
アーティスト。パリ在住。1998年に国立高等装飾美術学校を卒業。映画、インスタレーション、彫刻、建築、パフォーマンス、ビデオ、写真、グラフィックデザインの要素を活用しながら、「観客」「時間」「空間」の調和を重視した、新しい表現と知覚のシステムづくりを作品のなかで展開している。2004年、ダン・グラハム、トニー・オースラーとの共同プロジェクト『Don’t Trust Anyone Over 30』に参加し、同企画は舞台作品として2005年にウィーン・フェスティバルとドイツ国立歌劇場などで上演された。また演劇、ダンス、オペラの分野でも舞台美術や照明を担当し、フィスバック以外にもロバート・ウィルソンなどさまざまなアーティストと共同作業をしている。