ふじのくに⇄せかい演劇祭2011のオープニングを飾る、SPAC芸術総監督・宮城聰の最新演出作『真夏の夜の夢』。シェイクスピア原作の「夏の夜の夢」(小田島雄志訳)を野田秀樹さんが潤色した作品です。6/4・5の公演に向け日夜の稽古が始まっております。さてこの最新作、いったいどのような作品になるのか...?作品作りの真っ只中、俳優のみなさんにお話を聞いていこうと思います!
ではそのお一人目、俳優の貴島 豪(きじま つよし)さんに聞いてみましょう。
[ 近年のSPAC出演作 : 『ドン・ファン』(2011、2009)ドン・ゴンサロ役他、『わが町』(2010)ウェブ役、『ペール・ギュント』(2010)ボタン作り役他 ]
Q.自分の役について教えてください。
僕の役は森の妖精の王様「オーベロン」です。ただ野田秀樹さんの台本のト書きに「大酔漢オーベロン」なんて書いてあったりして、ミソになるかなと思っています。酔漢って単に酔っ払いじゃなく色々な意味にもとれるかなと思って、それをおかずに遊べたらいいなと。
Q. 野田秀樹さんの戯曲を読んでどう感じましたか。
野田さんの『真夏の夜の夢』は、シェイクスピアの「夏の夜の夢」に「不思議の国のアリス」をぶち込んで、設定を日本の割烹にしたりして、それでいて「夏の夜の夢」のエッセンスは壊さないで面白いなんて…どんな頭してんだろって。(笑)けど今回、この作品を読んでいて怖いな、と思ったんです。僕が上京して大学に入って芝居を始めた頃はいわゆる「小劇場ブーム」の真っ只中で、中でも野田さんの「夢の遊眠社」は全盛期。言葉遊びのスピード、ダイナミックで勢いのある舞台、それを目の当たりにしてる訳です。この戯曲にはその頃のエッセンスがふんだんに残っているから、当時の衝撃みたいなものが浮かんでくるんです。だからといってノスタルジーなところへは行きたくないし、言葉遊びなんかにとらわれると、野田さんの言葉の中にあるモノを逃してしまう気がする。だから、それから約20年経った現在進行形の自分、そして当時をあまり知らない現在進行形のSPACのみんなとどんなクリエイションができるか楽しみです。僕はこんなに面白いおもちゃを頂いたので子どもみたいに遊んでいきたいと思っています。(笑)
Q.あなたならどんな媚薬を使いますか。
黙って使うから媚薬なんです。だから教えません。使っていても教えません(笑)
そしてこれは貴島さんから頂いたお気に入りの一枚・・・
※この写真はあくまで『真夏の夜の夢』のイメージです。実際の舞台とは異なります。
現在進行形の自分で野田秀樹作品に向き合うと語られた貴島さん。作品への意気込みと共に頼もしさを感じました。
どんな大酔漢の王様「オーベロン」になるのか期待です!