思えばこのブログで舞台の様子について書いたのは、
4回前の「何か建ちました」が最後になっています。
ブログの日付は4月17日。内容は4月10日のこと。
早いもので、もうあれから一ヶ月も経ちました。
前回既にお見せしましたが、現在の舞台は色々と物が増えています。
あれからずいぶん建ちました。
タニノさんの舞台デザインが決まり、打ち合わせを重ね、具体的に物の形が決まって、実際に作り始めたのは、2週間ほど前からです。
ちょっとこの2週間ほどを振り返ってみましょう。
パート1 肉色日和
別の仕事で野外劇場を離れていたある日のこと。
すっかり日も暮れてから山へ戻ると、あらびっくり。
肌色(肉色?)の板、板、板
舞台いっぱいに板を並べて色を塗っていました。
タニノさんのオーダーは「適度にムラのある鶏肉色」。
納得のいく質感を出すために、全部手塗りです。
一体どれだけの量を塗っていくのかというと、
次の日も朝から色塗り。一日かけてこの量×3~4とか。
さてやっと終わったかと思ったら、板追加。
来る日も来る日も色塗り放題。
雨が降ったら舞台袖の軒下で。
厳しいチェックも入ります。左の人についてはあまり気にしないでください。
だいたい丸4~5日はひたすら色塗りでした。
何故こんなに大量の板を塗るのか?
以前タニノート(仮)を見せてもらったとき(ブログの4回目参照)に、既に嫌な予感はしていましたが、三方を板張りの壁に囲まれた形で描かれたタニノさんの舞台画、よく見るとその壁の高さは野外劇場の屋根まで届いています。
ピンと来ない人のために、写真で解説するとこんな感じです。
だいたい郷さん6人前の高さ=約10m。
た、高い……!
ゆうに3階建てアパートくらいの高さがあるじゃないですか……。
舞台の全面これですか……半分家を建てるようなもんですよ……。
因みに我々が丹精込めて塗り上げたこの大量の板たちは、この後製材所に送られてパネル状に組み上げられ、後日再び野外劇場へ戻ってきて建て込みます。
先日製材所に行って、仮組みされたものを見てきました。長すぎて遠近感がおかしなことになってます。
製材所に積み上げられた肉色の板たち。ちょっとアートっぽい。
何せ高さが相当なものなので(SPAC創作技術部長談「おそらくこの野外劇場史上最大の高さ」)、建て込み当日には鳶職人の方が何人か来ます。
もはや建築の領域に片足突っ込んでます。
パート2 気がつけばそこに道具
板の色塗りに終わりが見えだした頃から、今度は舞台に乗せる道具作りが始まりました。
舞台のコンセプトが固まったタニノさんから次々と出てくる(時に無茶な)道具のアイディアを、舞台スタッフが現実的に作るにはどうしたら良いか考えながら立体化していきます。
気がついたらいろんな道具ができてました。
取材に来たD&Departmentの森千夏さんに道具の説明をするタニノさん。何の取材に来たのかはこちらをご参照ください。
舞台上に板を広げての色塗り作業が終わると、出来上がった道具を次々に舞台上に設置していきます。
昼夜問わずの舞台作業。タニノさんも参加します。
ある日劇場に来たら滑り台が。忘れていた少年の心を取り戻しかけました。
気がつけばこんな感じに。左下には舞台スタッフの山田さんと竹内さん。
さらに昼夜を問わずに作業は続き……
稽古中でも、裏で作業は続きます。
今ではずいぶん色んな物が建ちました。
色々と道具が増えて賑やかになってきた舞台ですが、これからもまだまだ道具は増えていきます。
そして忘れてはならないのが、あの大量の肉色板たち。
あれが野外劇場にそびえ立ったとき、一体どんな空間になるのか?
もうすぐその日がやって来るかと思うと、ワクワクが止まりません。
あれ?
衣装の竹田さんからメールが。
画像が添付されてる。
何だろう?「衣装イメージ」?
あら可愛い。
な、なにこれぇー!
これ、どういう事なんですか?!
どうなってるんですか、竹田さん!?
竹田さん、たーけーだーさぁーーーん!(衣装室の方へ走り去る)
……という、あざとい引きで今回は締めてみました。
そのうち衣装の方も観察しに行きますので、お楽しみに!
ふじのくに⇄せかい演劇祭2011
「エクスターズ」
詳細?はこちら。