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2011年7月1日

<萌目線。vol.71>『天守物語』亀姫会談

二回目の公演も終えたある晩、カチカチ山では亀姫役の仲谷さん(スピーカー)と有美さん(ムーバー)による亀姫会談が行われていました。

劇中では、朱の盤坊を従えて富姫を尋ねてくる可愛らしい亀姫様。

しかし演じているのは男女二人・・・ということで、
仲谷さんと有美さんに、お互いの亀姫についてのお話を聞かせていただきました!

萠:お二人は、亀姫ってどんな人だと思って演じられているんですか?

有:人じゃない・・・

萠:あ、どんな妖怪だと思って・・・?以前、阿部さんから「二人一役は、同じ役でもムーバーとスピーカーではイメージや体におこっていることが違うもの」だとうかがったので。

有:とにかくキラキラ輝いている!!普通レベルじゃない可愛さ!!の化物。これ大事。人間になっちゃだめ。
仲:ベースは天真爛漫。プラス、ゆうみんがつくる亀姫の世界観に合わせた声のつもりでやってるよ。
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萠:なるほど。仲谷さんは『王女メデイア』のクレオン役に続き二回目のスピーカーですね。

仲:『王女メデイア』では、メデイア対クレオンという対立構造ができていた。
SPAC代表としてク・ナウカのレパートリー作品に出るということや、相手役が先輩の阿部さんであるということ、その対抗意識みたいなものが劇中の構造とガチッとハマっててうまくいっていたかなと思う。
でも今回は、富姫と亀姫の関係性のためにどこに力を向けるかっていうのが課題かな。

萠:有美さんは、スピーカーが仲谷さんになって新たな発見とかありました

有:もちろんスピーカーの台詞は全部体にはいってくるんだけど人によって特に入ってくる台詞が違って。そうすると自然に動きも変わってきますね。

萠:今の時点で2回の本番を終えて、どうですか?

仲:『天守』に限ったことではないけど、やっぱり野外劇場ってすごくパワーがあるから、それこそ自然の力を感じて、劇場が助けてくれてる。
有:お客さんがアツい!!舞台と客席でこっち側・そっち側みたいなのが無くて一体感を感じるから、それにすごく助けられてる。東京とは違うところだよね。
仲:お客さんが信じて集中して見てくれているのを感じるね。
正直な話、今回感じている二人一役システムでの自分の課題を今の時点でまだクリアできていないんだけど、劇場やゆうみんに助けられて、最後まで天真爛漫な亀姫を演じたいと思います。
有:『天守』はトライアスロン的な舞台。踊って演奏して動いて喋って。最後まで着実に全部やりきる!みたいな。色んな経験をさせてもらってきた思い入れのありすぎる舞台なので、亀姫は原作では二十歳くらいの設定だけど、宮城さんの演出で子どもってことになってから10年以上やってきた役ですが、この先おばあちゃんになってもがんばりますっ(笑)

自分の役と、相手役と、劇場とお客さんと、本当にあらゆるものといっしょにつくりあげられている作品です。
残すは千秋楽‼
暑さに負けず、みんなでやりきりたいと思います‼

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<萌目線。>とは・・・
SPAC新人俳優石井萠水の目線で稽古場や舞台裏の様子をお届けしています。