2018年12月16日

<『顕れ』#007> 静岡県立大学図書館で特別展示開催中

Filed under: 『顕れ』2018

いよいよ『顕れ ~女神イニイエの涙~』開幕まで1ヶ月を切りました!
静岡県立大学図書館では、夏にムセイオン企画として宮城が公開授業を行った縁もあり、秋→春のシーズンを通して上演作品のポスターと関連書籍の展示を行っています。
◆関連リンク:県大での公開授業レポート

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『顕れ』(あらわ・れ)はカメルーン出身・フランス在住の女性作家レオノーラ・ミアノさんによって書かれた、奴隷貿易を主題とする戯曲です。
作品にまつわる書籍・かつ間口が広がるような本は…と悩み、今回は国際関係学部の松浦直毅先生に選書コーナーのプロデュースをお願いすることにしました。
松浦先生は快く引き受けてくださり、4つのカテゴリーに分けた計16冊を選んでくださいました!
書籍だけでなく、先生が実際に現地で手に入れた楽器などの関連グッズも展示しています。
静岡県立大学図書館へは学生以外も入館できますので、ぜひみなさん足をお運びください。

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打ち合わせを重ねるなかで、研究に関してたくさん興味深い話を聞くことができました。
担当制作の心にだけ留めるのはもったいない!と思い、さらにブログ記事執筆もお願いしました。ぜひ続けてお読みください。


 

『顕れ』上演によせて
松浦直毅(静岡県立大学国際関係学部)

 
静岡県立大学の松浦直毅と申します。アフリカの熱帯林地域で人類学の研究をしています。芸術全般に対して疎く、とりわけ演劇や舞台といったものには縁遠い人生を送ってきた私ですが、せっかくの機会なので、アフリカでの現地生活の経験のなかから、『顕れ』の世界へと通じる(かもしれない)お話をしたいと思います。『顕れ』の背景に広がるアフリカ文化の一端を知ることで、鑑賞をよりいっそう楽しんでいただければ幸いです。

ガボンの伝統儀礼ブウィティ
いまからご紹介するのは、私が長年にわたって調査をしてきたガボンという国のとある村でおこなわれている、現地の言葉で「ブウィティ」とよばれる儀礼のお話です。ガボンは、アフリカの中部、大西洋岸の赤道直下にある国で、国土の大半が森林におおわれ、数多くの野生動物がすんでいる自然豊かな国です。私はこの国で、森の資源に強く依存して生活する狩猟採集民の人びとについて、かれらの村に住みこんでの調査を2002年からつづけています。これまでに十数回にわたって村を訪れており、あわせて2年半ほど村で生活を送ってきたことになります。ブウィティは、宗教的な性格をもったいわゆる伝統儀礼で、儀礼結社の成員になるためにおこなわれる「成人儀礼」、人が亡くなったときや過去に亡くなった人を弔うための「葬儀」、病気の治療や問題解決のための「治療儀礼」など、いくつかの種類の儀礼をふくんでいます。ブウィティは、地域をあげておこなう重要な社会的行事であり、人びとの生活の中でも精神世界の中でも、なくてはならない大切な位置を占めています。

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▲調査村の風景

儀礼への参加を体験する
村で長く暮らし、村の人たちがそれなりに私の「立ち位置」を認めてくれるようになると、私もブウィティの参加者の末席にくわえてもらえるようになります。あるとき村の人たちが、「君も一緒に参加するんだよ」と言って連れて行ってくれたのが、となりの村でおこなわれた、過去に亡くなった人物を弔うブウィティでした。
村に夜のとばりがおりるころ、木と葉で建てられた集会所に人びとが三々五々集まってきます。中ではたき火があかあかと燃えさかっており、それを囲んで座っている人びとが、手をたたき、竹を打ち鳴らし、太鼓やマラカス状の楽器の音を響かせています。その場をとりしきる男が口火をきって歌いはじめると、大声の合唱がはじまります。男も女も子どもも、その場にいる全員が声をはりあげて歌います。先導役の男があおりたてるように歌うと、それに呼応して合唱の声はどんどん大きくなっていきます。幾重にも声がおりかさなった合唱を心地よく聴きながら、ふと集会所の外の音に注意を向けてみると、いろいろな種類の虫の声が聴こえてきます。虫たちも合唱に参加しているかのようです。

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▲集会所

さまざまな音がシャワーのように降り注ぐなかで、二つの巨大なたいまつに火がともされます。二人の男がそれをもって、聖火ランナーのように集会所の外へと走り出します。男たちが走り去ったあとには、たき火の煙にまじったたいまつのにおいが立ち込めます。村のはずれまで走っていった男たちの先にいたのは、たいまつの灯りで照らされて妖しげな動作で踊る「精霊」でした。村の奥に広がる森から精霊が村へと帰ってきたのです。

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▲精霊

暗がりのなかで、能面のような白い仮面でおおわれた精霊の顔が妖しく浮かび上がってみえます。仮面のまわりはヤシの繊維でおおわれており、まるで長髪を振り乱しているかのようです。腰と手首、足首に葉っぱの装飾をつけ、木の枝を細かく割いたほうき状の道具を両手に持った精霊は、二つのたいまつに照らされて、手、腰、足を激しくふりまわして踊っています。さきほど、「精霊が村へと帰ってきた」と述べました。このように表現した理由は、森にすんでいるとされるこの精霊こそが、この日のブウィティで弔われている死者が姿をかえたものだからで、儀礼にあわせて故郷の村に帰ってきたというわけです。精霊の登場によって、音楽と歌声の盛り上がりは最高潮に達します。精霊は、しばらく激しく不可思議に踊ったのち、ふたたび森の闇のなかへと消えていきました。たいまつの男たちは走って集会所にもどってきます。煌々と明るいたいまつよりはずっと淡く優しい月の光が、精霊が去ったあとのひっそりした村はずれを照らしていました。

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▲歌い踊る参加者たち

遠くて近いつながり
あたかも精霊が実在するかのような私の表現に違和感をもたれた方がいるかもしれません。もちろん、この精霊は村人のひとりが「演じている」ものですが、儀礼開催のためには、何日もかかって装飾品や小道具、参加者に提供する食事などが準備され、精霊が登場するための「舞台装置」が周到に整えられており、参加者がこぞってその演出に協力することによって、精霊の存在、ひいてはこの儀礼が成り立っているのです。ですから、精霊の「正体」をうたがってその舞台裏をのぞこうとするのは、野暮なことでしかありません。実際にそのとき私は、森と村と人びとが織りなすさまざまな音と色とにおいに包まれた非日常の空間のなかで、本当に森にすんでいる精霊が村に現れてまた森へと消えていったと思ったのでした。10年以上前のできごとですが、あのときの体験は私の脳裏に強く焼きついたままです。どんな表現を尽くしても、さまざまな演出と舞台装置にいろどられた「場」を再現できるものではなく、その「場」で五感をつかって味わった感覚を伝えることもきわめて困難なのですが、その一端に触れていただくことはできたでしょうか。

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▲村の背後に広がる森

さて、演劇に親しんでいる読者のみなさんのなかには、ここまでの儀礼にかんする描写をご覧になって、つぎのようなことを感じた方がいるのではないでしょうか。すなわち、これはまさしく演劇なのではないのかと。まさにそのとおりで、ここでは専門的な話にはふみこみませんが、じつは文化人類学のなかで、儀礼と演劇は長きにわたって深いつながりをもつものとして議論されてきました。儀礼にも演劇にも共通しているのは、私たちが日常の生活や人間関係から切り離された非日常の時間と空間のなかで、参加する者たちが一体となって「場」をつくりあげること、そこでは定型にしたがった「パフォーマンス」が繰り返し演じられ、参加者同士が心に深くきざまれる体験を共有するということです。
冒頭で私は、「劇場に足を運んで舞台を観る経験が乏しい」という意味で、自分が演劇とは縁遠い人生を送ってきたと述べました。しかしながら、これまで述べてきたように、私たちが人生のさまざまな場面で経験する儀礼が、演劇と分かちがたくむすびついており、そして、私たちの社会がそうした「儀礼的・演劇的なもの」によっていろどられていることをふまえれば、私の、そして、どんな人の人生も「演劇と縁遠い」などということはなく、むしろ「演劇とともにある」のではないかと思うのです。

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▲参加者が一体となって儀礼の場をつくりあげる

他方で読者のみなさんは、はじめにアフリカの村の話だと聞いたときには「自分とは縁遠い」と思われたことでしょう。では、これまでの話をお読みになって、どのような感想をおもちになったでしょうか。もちろん、まったく想像もつかず理解もできない世界だという声もあるかもしれません。しかし一方で、私たちと通底する何かを感じることはなかったでしょうか。たとえば、アフリカの種々の仮面をみてみると、真っ白で面立ちも能面のようなものがあることに驚きます。みんなが一体となった儀礼に参加すれば、自分がまったくちがう立場の者だということをすっかり忘れ、いつしかその場に没入してしまいます(没入が高じて私は、儀礼結社に加入し呪術師にも入門してしまいましたが、その話はどこか別の機会ですることにしましょう)。作品紹介の動画で宮城さんが語っていらっしゃるように、『顕れ』で描かれているのも、私たちとは遠く離れているようでありながら、私たちと深いところで相通じる世界なのではないかと思うのです。

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▲精霊の仮面

「演劇とともにある」ひとつらなりの自分の人生のなかで、私たちと相通じる世界を体験する「場」に立ち会えることを楽しみに、『顕れ』を観に行きたいと思います。


◆これまでのブログ
2018.7.15更新 #001 県大での公開授業レポート
2018.7.21更新 #002 作者レオノーラ・ミアノ氏来静!
2018.8. 5更新 #003 レオノーラ・ミアノ氏講演会レポート
2018.8.30更新 #004 研修生ポールさんの振り返りレポート
2018.9.11更新 #005 世界初演まで間もなく!
2018.12.10更新 #006 『顕れ』の世界を読んで楽しむ

◆パリ公演期間中のブログ
『顕れ』パリ日記2018 by SPAC文芸部 横山義志

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SPAC秋→春のシーズン2018-2019 #3
顕れ ~女神イニイエの涙~
2019年1月14日(月祝)、19日(土)、20日(日)、26日(土)、27日(日)
2月2日(土)、3日(日) 各日14:00開演
日本語上演/英語字幕
会場:静岡芸術劇場

作:レオノーラ・ミアノ
翻訳:平野暁人
上演台本・演出:宮城聰
音楽:棚川寛子

*詳細はコチラ


2018年12月10日

<『顕れ』#006> 『顕れ』の世界を読んで楽しむ

Filed under: 『顕れ』2018

パリ・コリーヌ国立劇場シーズン開幕作品として、1ヶ月のロングラン公演を無事に終えてから早2か月。
いよいよ年明け1月、静岡芸術劇場に、秋→春のシーズン3作品目として凱旋します!
みなさんチラシや「すぱっく新聞」はもうご覧になられたでしょうか。

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12月6日(木)にタリーズコーヒー富士市中央公園店、7日(金)に浜松市のギャラリー・ショップ「遥懸夢/はるかむ」にて、公演に先駆けて【リーディング・カフェ】を開催しました!

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▲タリーズコーヒー富士市中央公園店での開催の様子

リーディング・カフェは、演劇に使われている台本をSPAC俳優ナビゲートのもと声に出して読んでみる人気のアウトリーチ企画。
出演俳優・永井健二がナビゲーターを務めた、7日「遥懸夢」での開催の様子を少しだけご紹介します。

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会場の「遥懸夢」は由美画廊を引き継いで2017年にオープンしたギャラリー・ショップ。
“はるかむ”には “はるか遠くにある夢に橋を架ける”という意味が込められています。
「遥懸夢」面する鴨江小路沿いには、「浜松市鴨江アートセンター」「木下惠介記念館」、五社公園、個人商店などが並び、アートと人が行き交い集うスポットとして少しずつ浸透していました。
オーナーの山口祐子さんは、由美画廊が閉じることになったときに、ご自身にとっても大切だった場所を無くしたくない、アートの火を灯しつづけよう!という想いから、引き継ぐことを決め、「表現の交差点」をモットーにギャラリーで様々なアーティストや作品を紹介されています。
当日お越しくださった皆さんの中にも、このギャラリーを大切に想っている方が多く、リーディング・カフェを始める前にまずは皆さんでささやかな立食パーティーを行いました。

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山口さん手作りのスープや、参加者が持ち寄ってくださったサラダ、ご近所に新しくできたお店からテイクアウトしたボリュームたっぷりのバケットサンドが揃い、テーブルはあっという間に華やかに。
少し寒さが厳しくなった日でしたが、スープで乾杯、おいしい料理とともに歓談し身も心も温かくなりました。

そしていよいよ場所を2階に移して、リーディング・カフェ!
現在ギャラリーは、作家・熊谷隼人さんの作品展「地上のかけらをあつめて」の会期中(会期は12/16まで)。
生命をモチーフとした切り絵や点描画などの絵画に囲まれた空間での開催となりました。

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ナビゲーターの永井によるSPACと作品の紹介ののち、まずは参加者皆さんの自己紹介からスタート。
これはお名前を知るのと同時に、「どんな声をしているか」を聞くためでもあります。
自己紹介が一周したらいよいよ読んでみる時間。
永井によって配役が割り振られ、少しずつ読み進めていきます。

『顕れ』という戯曲は前回のブログでも触れたように、世界初めての上演がわたしたちSPACによるものであり、日本語訳もされていませんでした。
そのため、翻訳の平野暁人さん、俳優たちとディスカッションを重ねながら、演出の宮城によって上演台本が作られました。
奴隷貿易を主題とし、「加担したアフリカ人たち」の告白を神話的世界での救済の物語として描いています。
作品に登場するのは、神様と魂たち。「この世に生まれたくない!」という魂たちのストライキから物語は始まります。

参加者の皆さんはもちろんまだ舞台をご覧になっていません。
場面の状況を説明する<ト書き>や台詞の口調から、キャラクターの造形を想像して声を出していきます。
皆さんそれぞれに想像力をふくらませて、個性・情感豊かに読んでいらっしゃいました。

出演俳優ならではの創作のウラ話、質問タイムを交えながら進み、中盤には実際にSPAC版ではこの上演台本からどんな舞台を立ち上げたのか答え合わせ。
何点かパリ公演の舞台写真を見ていただきました。

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舞台上で演じている永井さんとの違いに驚かれる方も。
また、ビジュアルを目にした後ではみなさん少しずつ読み方が変わっていました。
キャラクターそれぞれの話し方の違いを味わいながら、その後もじっくりと読み進めてリーディング・カフェは終了。
はじめて参加された方・SPACを観たことがない方がほとんどでしたが、「新しい体験だった」「作品も見てみたくなった」「絵と音読とのコラボレーションが面白かった」など感想をお寄せいただきました。
ギャラリーや集まった方々の雰囲気も相まって、終始あたたかな空間でした。

『顕れ』のリーディング・カフェはあと1回、「遥懸夢」の近くにあり、作家・熊谷さんがレジデントしていた「浜松市鴨江アートセンター」で来週12月15日に開催いたします!
定員まであと少し余裕があるそうなので、ご興味のある方はぜひご予約ください。

SPACリーディング・カフェ『顕れ』

また、ここから公演に向けてたくさんブログを更新していきます!お楽しみに。

◆これまでのブログ
2018.7.15更新 #001 県大での公開授業レポート
2018.7.21更新 #002 作者レオノーラ・ミアノ氏来静!
2018.8. 5更新 #003 レオノーラ・ミアノ氏講演会レポート
2018.8.30更新 #004 研修生ポールさんの振り返りレポート
2018.9.11更新 #005 世界初演まで間もなく!

◆パリ公演期間中のブログ
『顕れ』パリ日記2018 by SPAC文芸部 横山義志

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SPAC秋→春のシーズン2018-2019 #3
顕れ ~女神イニイエの涙~
2019年1月14日(月祝)、19日(土)、20日(日)、26日(土)、27日(日)
2月2日(土)、3日(日) 各日14:00開演
日本語上演/英語字幕
会場:静岡芸術劇場

作:レオノーラ・ミアノ
翻訳:平野暁人
上演台本・演出:宮城聰
音楽:棚川寛子

*詳細はコチラ
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2018年11月1日

『顕れ』パリ日記(12・最終回)

SPAC文芸部 横山義志
2018年9月21日(金)
~上演二日目、楽器のこと、警備イジドールさんのお話、カリブ海諸島のこと、コリーヌ国立劇場のこと~

 
私は今日が滞在最終日なので、この日記は今回が最終回。

昨夜取材してくれたAFP通信の方から、楽器の名前を教えてほしいとの依頼があり、作曲の棚川寛子さんに伺う。アフリカの楽器はジャンベ、ジュンジュン(ともに打楽器)、カリンバ(親指ピアノ)など。吉見亮さんが「今回手でジャンベを叩くのはぼくだけ、アフリカ系の方の前でやるのはとても勇気がいります」と言っていた。他の作品で使っていたバラフォン(ひょうたんを共鳴体とする木琴)は、今回演奏スペース(オーケストラピット)が小さいので断念したという。他にも、さまざまなシロフォン(鉄琴)やディジェリドゥー(オーストラリア先住民の楽器)、仏具のおりんなど、不思議な楽器がたくさん。

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▲ツアー終盤にお客様対象のミニ講座として、楽器紹介や演奏のデモンストレーションを行いました。

警備担当のイジドールさんのお話。イジドールさんはこの劇場でもう17年、5人のディレクターと仕事をしてきたという。

イジドールさん

「ワジディが来てから、このホワイエにベンチができたり、前の道路を閉鎖して歩行者専用にしたり、この劇場もだいぶ変わったよ。毎年クリスマスにはここで働いている人が家族連れで集まって、ワジディも家族と子どもたちを連れてきて、一緒にごはんを食べるんだ。時々みんなでバーベキューもやるよ。二階のテラスで、私が肉を焼くんだ。火の管理は大事だからね!
これが一番給料のいい仕事というわけじゃないけど、たぶん定年までここにいると思うよ。やっぱり一番大事なのは人と人との関係だからね。
この劇場は30年前、フランソワ・ミッテランがフランス文化を広めるためにつくったんだ。だけど、ワジディが来てから、世界中の人たちがここに来るようになった。今はアフリカのアーティストもたくさん来るようになったよ。
レオノーラ・ミアノはカメルーン出身なんだね。海外に連れて行かれた奴隷の話か。私はグアドループ(カリブ海にある島で、フランス海外県)の出身で、アフリカのことはあんまりよく知らないけど、ジャマイカとかハイチとかプエルトリコとか(アフリカ系の人が多く住むカリブ海の島々)には昔よく行ったな。家族はほとんどパリにいる。グアドループにはあんまり仕事がないから。
ここでやってる作品はみんな見てる。『顕れ』はきっと来週観に行くよ!」

『顕れ』には、一人だけアフリカ出身ではない登場人物がいる。ラスカルは「はじまりの大陸」の人々が「帰らずの地」と呼ぶ土地、つまりカリブ海諸島やアメリカ大陸で奴隷として生まれ、反乱に加わったためにアフリカ大陸へと追放される。そしてそこで生き延びるために「ゴロツキどもの売り買いをしたこともあった」、と語る。ラスカルだけは、自分たちが「黒人」と呼ばれる存在になっていることを知っている。この物語は「コンゴ人」や「カディオール人」がいかにして「黒人」となったか、という話でもある。

グアドループ島を含むカリブ海の「西インド諸島」は長年にわたって大西洋三角貿易の拠点の一つだった。原住民の多くは絶滅し、アフリカから定期的に補充される奴隷によってサトウキビなどが栽培され、フランスに大きな利益をもたらしていた。1789年にフランス革命が起きると、カリブ海のフランス植民地でも、黒人奴隷たちが自由を求めて戦い、一度は奴隷制が廃止されるに至った。フランス領サン=ドマング島ではハイチ革命が起こり、近代以降はじめての黒人共和国が成立した。

ところがナポレオンはカリブ海諸島に出兵し、奴隷制をふたたび導入。フランスで最終的に奴隷制が廃止されたのは1848年のことだった。カリブ海で最後まで残ったフランス領マルティニークとグアドループが植民地ではなくフランス本国の県と一応同等の「海外県」となったのには(1946年)、マルティニーク出身の「黒人」劇作家・詩人で国会議員ともなったエメ・セゼール(1913-2008)の貢献が大きい。

かつてムアワッドの制作担当として静岡に来たこともある事務局長のアルノーさんは「高校時代から通っていた劇場で働けてうれしい」という。この劇場に来て感じるのは、本当にみんな劇場が好きで、ワジディ・ムアワッドのことが大好きだということ。

コリーヌ国立劇場はフランスに5つある演劇用の国立劇場のうちで最も新しい。1988年にできたので、今年で30周年になる。「現代に書かれた作品」に特化した劇場ができたのは、フランスの公立劇場ではモリエールやシェイクスピアやギリシャ悲劇といった「古典」のほうが上演されることが圧倒的に多いからだ。多くの場合、名前くらいは誰もが知っている作品の方が、お客さんも来やすいし、学校の鑑賞事業でも選ばれやすい。となると、現代作家の新作を上演するのは比較的リスキーということになり、そのリスクを冒すことができる劇場は限られてしまう。だが、現代に書かれた作品が上演されなくなってしまったら、当然演劇はつまらなくなってしまう。そこで、このコリーヌ国立劇場が作られたわけだ。

「SPAC秋→春のシーズン」では、基本的には「演劇の教科書に載るような古典」をメインに上演し、中高生鑑賞事業も行っている。だが、このレオノーラ・ミアノの『顕れ』は、古典に匹敵する力をもった作品と考え、「SPAC秋→春のシーズン」で来年1月~2月に上演する予定となっている。

今日も9割くらいの入り。客席数は500ほどで、静岡芸術劇場よりも一回り大きいから、静岡で満席になるよりもお客さんが入っていることになる。この規模の劇場で一ヶ月間、27回の公演を行うというのは、なかなかできない経験。

二日目。今日も、固唾を呑んで見守るような客席。ラストの曲では体を揺らして微笑んでいる方々も。

徐々に拍手の音が高まり、トリプルコール。

二日目カーテンコール

世界で最もアフリカ系住民の多い都市の一つでもあるパリは、しばしば皮肉を込めて「アフリカの首都」などと呼ばれたりもする。

エッフェル塔のお土産売り場

アフリカの多くの国々は1960年代に独立を果たしたが、フランスにはなお「海外県」が残り、フランス国内で生きることを選んだアフリカ系住民も少なくない。エメ・セゼールは、アフリカ系の奴隷が自由と独立を勝ち取ったハイチ革命(1804年)を描く『クリストフ王の悲劇』(1963年発表)について、「もはやわれわれは、容易に識別できる共通の敵というものに対して立ち上がるのではなく、われわれ自身の内で、われわれ自身に対しての戦いを行わなければならないのです」と語っている。私たちも、これから一ヶ月間、パリの人々とともに「われわれ自身に対しての戦い」を戦うことになる。

ワジディ・ムアワッドさんとコリーヌ国立劇場のおかげで、大変な作品に出会うことができた。静岡での初日は2019年1月14日。日本のお客さんに出会うことで、この作品も変容していくだろう。ぜひ見届けていただきたい。

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『顕れ ~女神イニイエの涙~
2019年1/14(月・祝)~2/3(日) 静岡芸術劇場
作:レオノーラ・ミアノ
翻訳:平野暁人
上演台本・演出:宮城聰
音楽:棚川寛子

日本語上演・英語字幕

◆公演の詳細はこちら


2018年10月19日

『顕れ』パリ日記(11) ~初日(続き)~

SPAC文芸部 横山義志
2018年9月20日(木)

*前回のブログはこちら
『顕れ』パリ日記(10) ~初日~

ヴァグラムさんは、舞台を見てのご感想を、改めて寄せてくださった。
「『顕れ』と演出家宮城聰さんとの出会いが、私にとってどれだけ重要な演劇的事件だったのかをお伝えしたいと思います。そこには舞台がテクストに与えうることの全てがあったように思えました。日本文化のコードによるラディカルな提案と繊細かつ美的に表現された死後の世界の夢幻的な舞台美術、苦悩や恐怖、そして儚さや優しさを表現し、それに付き添い、高みへと押し上げる音楽。全てが私たちを揺り動かし、レオノーラの言葉との感動的な交感を促して、儀式の最後(イニイエの退場)の絶頂へと到達させてくれます。この舞台の終わりは、人間的なものを分かち合うということがそうあるべき高みに達しています。
私のなかに住む”女優”は、この私たちの病んだ世界が演劇という芸術によってあがなわれることを、ふたたび期待することができました。
この作品が、書かれたところの文化とも、その物語の文化とも異なる形で上演されるのを見ることで、私たちは「他者へと向かう」よう促され、大きな価値観の転換を迫られます。
感謝の念を伝えたく存じます。」

AFP通信の取材。宮城さんの話。
「歴史的な規模の犯罪となると、その行為の重さ故に加害者も口をつぐんだまま死んでゆくことが多い。こうして、被害者の魂だけでなく、加害者の魂もまたこの世に対する悔いや怨恨を抱え込んだまま、あの世に行くことができないでいる。これがこの世の不幸の原因となる。そこで加害者が口を開く場をつくり、その告白を死者も生者も皆で共有することで、被害者の魂も加害者の魂も怨恨を離れることができる、というのがこの作品だと僕は考えています。」

コリーヌ国立劇場2019年間プログラムでのワジディ・ムアワッドさんの言葉。
「人間にとっては、いつだって、復讐することのほうがずっと簡単なことだった。今日ではいよいよそうなってしまった。メディアとSNSが、司祭やイマームやラビ(それぞれイスラム教・ユダヤ教の指導者)の役割を、あまりにも見事に肩代わりしてくれて、私たちに毎朝、どう考えるべきか、誰を告発すべきか、そして誰を血祭りにあげるべきかを教えてくれる。
そんな状況のなかで、現代の劇作品のための国立劇場をどう位置づければよいのだろうか。この道徳化の風潮が強要する裁判官の役割を逃れようとする他ないだろう。なぜなら、もしディレクターとしての私がこの圧力に屈してしまったら、作家の役割は観客を被害者と同じくらい加害者にも感情移入させることだということをどう伝えればよいのか。ほとんどの戯曲は、何かしらの形で、犠牲にされた者、罪人、「悪人」を舞台に上げて、悪という問題について問いかけている。これはギリシャ悲劇以来の演劇の機能だ。ではどうやってこのような登場人物を演じ、弁護すればよいのか。クレオンを、『女中たち』を、『ロベルト・ズッコ』を、理解することも愛することもなく演じることができるだろうか。罪人を舞台に上げるということは、必然的に彼らに近づくことでもある。その人のことを深く知り、「彼は私だったかもしれない」と思うことだ。もしそこで見たこと、聞いたことを信じて、それに参加したのであれば、劇場から出たあと、どうして翌日道徳に戻り、メディアの俎上に載せられた最初の罪人にリンチを要求することができるだろうか。どのようにして芸術作品の前で経験されたことと、その経験が日常生活のなかで変化していくこととのあいだをつなぐことができるのか。・・・どのようにして芸術の力を本当に信じることができるのか。」

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『顕れ』 フランス公演
2018年9/20(木)~10/20(土) 全27公演
 ※9/24(月)、10/1(月)、8(月)、15(月)休演
会場:コリーヌ国立劇場
◆公演の詳細はこちら
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年明け、日本でも「秋→春のシーズン」3作品目として上演します!
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『顕れ ~女神イニイエの涙~
2019年1/14(月・祝)~2/3(日) 静岡芸術劇場
◆公演の詳細はこちら
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2018年10月18日

『顕れ』パリ日記(10) ~初日~

SPAC文芸部 横山義志
2018年9月20日(木)

 
本番日なので、衣裳はつけず、稽古着で稽古。
宮城さんからマイブイエ(これから生まれる魂たち)たちに、「ちょっとスキップやってみて」と注文。
なかなか合わない。
「あ、幼稚園が違うとスキップも違うんだね・・・」
稽古

近所のレストランなどにポスターが貼ってある。
ポスター

今日はついに初日。劇場の書店にはレオノーラ・ミアノの本が並んでいる。
書店

劇場が長い眠りから醒めたように、入口に人が集い、ざわめきが少しずつ高まっていく。
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レストランも大忙し。
レストラン

20時半開演。

今日はパリの多くの劇場でシーズンが開幕する日で、競争が激しく、ちょっと不安だったが、500ほどある客席がほとんど埋まっていた。アフリカ系のお客さんがけっこう来てくれている。一割弱くらいだろうが、これまでパリで演劇を見ていて、こんなにアフリカ系の方を見かけたことはなかったかもしれない。じっと舞台を見つめてくれている。

終演。静まりかえった客席から、徐々に割れるような拍手が。カーテンコール。
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多くのお客さんが「ありがとう、すばらしかった」と帰り際に声をかけてくれる。
女優のデリア・セピュルクル・ナティヴィさん(ふじのくに⇄せかい演劇祭2016で上演された『少女と悪魔と風車小屋』で主演)は「アンティゴネも大好きだったけど、こっちの方がもっと好きです。すごくダイレクトに今のことを語っているから、すごく心に響きました」とおっしゃってくれた。

舞台や映画で活躍する女優のミレーヌ・ヴァグラムさんが宮城さんに話しかけてくれ、「一つずつ段階を踏んで神話的世界へと連れて行ってくれるのが、本当にすばらしかったです。なかなかフランスでは見ないタイプの舞台ですね。私はミアノさんの作品をよく知っているのですが、宮城さんの演出はミアノさんの戯曲に、さらに普遍的な次元と深みを付け加えていたと思います」とおっしゃっていた。ミレーヌさんは以前、『顕れ』を含む「レッド・イン・ブルー三部作」の別の作品のリーディング公演に参加している。
ミレーヌ・ヴァグラムさん

ミレーヌさんから後日、ミアノさんとの出会いについてうかがった。

ヴァグラムさんはカリブ海とフランスの二つの文化の間で育った。パリで生まれ、マルティニーク島の祖父母のもとで幼少期を過ごした。マルティニーク島はカリブ海にあるフランス海外県。はじめ読者としてミアノ作品に出会い、ミアノ本人と出会ってから、リーディング公演などにも起用されるようになった。

「レオノーラのうちで私が好きなところは自由なところです。それに触れることで、自分のなかの自由も呼び覚まされます。そのラディカルさ、勇気も、私を力づけてくれます。・・・きっと彼女も、私のうちに同じようなものがあると思ってくれているのでしょう。
きっと私たちは二人とも、人間の経験というものは一つの場所に結びつけられるものではなく、それを超えるもので、自分がどこから来たのかを知ることは、そこに閉じこもることではなく、世界に向かって言葉を発するためのはずみを得ることなのだ、という確信を共有しているのだと思います。」

『顕れ』パリ日記(11)に続きます。

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『顕れ』 フランス公演
2018年9/20(木)~10/20(土) 全27公演
 ※9/24(月)、10/1(月)、8(月)、15(月)休演
会場:コリーヌ国立劇場
◆公演の詳細はこちら
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年明け、日本でも「秋→春のシーズン」3作品目として上演します!
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『顕れ ~女神イニイエの涙~
2019年1/14(月・祝)~2/3(日) 静岡芸術劇場
◆公演の詳細はこちら
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2018年10月17日

『顕れ』パリ日記(9) ~ゲネ、コリーヌ国立劇場年間プログラム~

SPAC文芸部 横山義志
2018年9月19日(水)

 
今日はゲネ(最終通し稽古)。

字幕チェックをしに来てくれた劇場の方が、「舞台に目を奪われそうになって、字幕ばかり見てるのが悔しかった。明日はお客さんとして見ます!」とおっしゃってくれた。

明日からついに公演がはじまる。シーズンの開幕。

ふつうフランスでは、9月から6月までが劇場の「シーズン」。だがコリーヌ国立劇場では、今年から1月~12月の年間プログラムに移行しようとしている。そのため、今回は2017年9月~2018年12月という変則的な年間プログラムになっていて、この『顕れ』の上演は昨年7月のアヴィニョン演劇祭からすでに告知がされていた。

その理由の一つは、「劇場が学校のスケジュールに従属するのはおかしい」ということ(フランスの学校は9月に始まる)。ムアワッドはジュネを引用しながら、アーティストの役割は「教える」ことではない、ということを強調している。

「おれがお前にやるのは意味のない、不器用な助言だ。それに従うことができるやつなんていない。でもおれがしたかったのはそれだけなんだ。この芸術について、お前の頬に熱がこみ上げるような詩を書くことだ。お前に教えたかったんじゃない、お前を熱くしてやりたかったんだ。」
ジャン・ジュネ『綱渡り芸人』(1983)、コリーヌ国立劇場2017-2018年間プログラムより

その代わりに、「シーズンは四つあるはずだ」と言って、自然のリズムに沿って、春・夏・秋・冬それぞれの「シーズン」のプログラムを紹介している。

とはいっても、パリでは今週から公演がはじまる劇場が多く、コリーヌ国立劇場にとっても夏休み後の最初の公演で、劇場の顔となる公演であることにはかわりない。年間プログラムのなかでも、これほど出演者が多い作品は他にない。

コリーヌ国立劇場の年間プログラムは「アルマナ(Almanach)」という名前になった。これは「カレンダー、年鑑」といった意味だが、これはアラビア語の「贈り物」という言葉から来ていて、新年にカレンダーを贈りあう習慣に基づいているともいう。

アルマナ

コリーヌ国立劇場の作品紹介では一切写真を使っていない。コリーヌ国立劇場は現代戯曲の上演のための劇場とされていて、言葉を伝えるのが一番大事、ということなのだろう。

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『顕れ』 フランス公演
2018年9/20(木)~10/20(土) 全27公演
 ※9/24(月)、10/1(月)、8(月)、15(月)休演
会場:コリーヌ国立劇場
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年明け、日本でも「秋→春のシーズン」3作品目として上演します!
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『顕れ ~女神イニイエの涙~
2019年1/14(月・祝)~2/3(日) 静岡芸術劇場
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2018年10月16日

『顕れ』パリ日記(8) ~稽古、「連帯のレストラン」~

SPAC文芸部 横山義志
2018年9月18日(火)

 
トレーニング、稽古。

宮城さんのノーツ。

「ウブントゥ(「我らあり、ゆえに我あり」という意味)という名前が出てくるときにはビックリしてほしい。たとえば突然子どもたちが声を揃えて「万国の労働者よ、団結せよ」と言い出した、みたいな。」

ウブントゥ

この『顕れ』では、人々の理想が空疎なものとなっていき、さまよう魂の群れの名前になっていく。

サラディン・カティールがデザインした巨大な月と太陽を、フランス人スタッフは「カマンベール」と呼んでいる。

SPACがフランスで全くの新作を作るのはこれが初めて。これまでは少なくとも一度は静岡で公演してから海外ツアーに出ていた。今回はもちろん日本側からも技術スタッフが参加しているが、二日目の公演まででほとんどが帰国してしまい、最終的にはフランス側のスタッフだけで公演を回すことになる。本番中に装置の転換をするフランス人スタッフも、日本風に黒子になって、日本語の台詞を聞きながらきっかけをつかんでいくことになる。

黒子

双方にとって、大きな挑戦。

村松さんとフランクさん

「連帯のレストラン 女性シェフの食卓」を運営しているアミナさんのお話。

アミナさん

アミナさんは、かつては観光名所にもなっているキャバレー「リド」で、ただ一人の女性シェフとして活躍していて、この道35年という。「女性シェフの食卓(La Gamelle des Cheffes)」というのは、20区の近所の人たちと一緒にやっているアソシエーションの名前。

女性シェフたちの食卓

今はラオス出身のエリザさんが代表を務めている。そこでお料理教室などをやっていたが、地元のイベントで料理を作るようになった。文化大臣や区長が出席するイベントにも料理を提供してきた。そういったパーティーをきっかけに、コリーヌ国立劇場の人に声をかけられ、このレストランを運営するようになった。今年が二年目。

「劇場の食事は冷凍食品が多いけど、ここでは新鮮な食材を使ったものを出してます。すごく手間はかかるけど、ちゃんとしたものを食べてほしい。私の目的は安くていいものを食べてもらうこと、そして仕事のない人に経験をつけてもらって、仕事をつくること。
ムアワッドさんは本当に謙虚で、人間的で、若い人たちを助けたいと思っていて、とても働き者。すごく気が合うので、やりがいがある。
私は料理が好きで、子どもの頃からお芝居が好きだったから、ここは本当に自分のホームだと思ってます。モロッコ生まれで、お父さんが厳しくて、お芝居はできなかったけど、ここでやるものはだいたい観ています。昨日の初日のパーティーでお客さんたちの話を聞いたけど、『顕れ』はすごく評判がいいから、こっちが落ち着いたら必ず観に行きます。」とおっしゃっていた。

今週のお勧めはアミナさんのチキンカレーと、パキスタン出身のアイシャさんのパキスタン風ファラフェル。

アイシャさん

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『顕れ』 フランス公演
2018年9/20(木)~10/20(土) 全27公演
 ※9/24(月)、10/1(月)、8(月)、15(月)休演
会場:コリーヌ国立劇場
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年明け、日本でも「秋→春のシーズン」3作品目として上演します!
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『顕れ ~女神イニイエの涙~
2019年1/14(月・祝)~2/3(日) 静岡芸術劇場
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2018年10月15日

『顕れ』パリ日記(7) ~『マハーバーラタ』パリ公演下見~

SPAC文芸部 横山義志
2018年9月17日(日)

 
11月にパリ公演予定の『マハーバーラタ』下見のため、ラ・ヴィレット公園へ。

かつて食肉市場だった「レ・グランド・アール(「大市場」の意味)」は一辺が350メートルあるという巨大な会場。今回はそのなかにリング上の舞台を設営する。

グランドアール
▲「レ・グランド・アール」昼の顔

グランドアール夜
▲「レ・グランド・アール」夜の顔

昼間の公演もあるので、遮光法を確認するために、幕が吊ってあるところまで登ってみる。

高所から

技術監督のレミさんのご案内。誰かに似ていると思ったら、なんとアヴィニョン演劇祭でお世話になった技術監督フィリップさんの弟だという。レミさんとフィリップさんのご縁もあり、すぐに資料が手に入ったと聞く。
ラ・ヴィレットのプログラムを担当している方が、アヴィニョン演劇祭での『マハーバーラタ』公演を見て提案してくれたとのこと。

そのあと、SPACで『ブラスティッド』『ガラスの動物園』『盲点たち』を演出してくれたダニエル・ジャンヌトーがディレクターを務めるジェヌヴィリエ劇場を訪問。

ジャンヌトーとジュヌヴィリエ劇場

ジャンヌトーは劇場の屋上にある庭園でトマトの採り入れをしていた。

トマトの採り入れ

この10月、東京芸術祭で『ガラスの動物園』のフランス版を上演予定。静岡で生まれた作品がフランスで育ち、ふたたび日本に戻ってくる。

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『顕れ』 フランス公演
2018年9/20(木)~10/20(土) 全27公演
 ※9/24(月)、10/1(月)、8(月)、15(月)休演
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2018年9月28日

『顕れ』パリ日記(6) ~日曜日の稽古~

SPAC文芸部 横山義志
2018年9月16日(日)

 
日曜日なので、人通りが少ない。入口の警備員室が空だと思ったら、アフリカ系の警備員さんが稽古を観に来てくれていた。

ムアワッドさんは今シーズンの年間プログラムにこう書いていた。「あらゆる公共の場所に入るたびにバッグを開けなければならず、テロ警戒体制が日常になってしまったら、どうやって自由に語りつづけることができるだろうか。」

最後の場面の稽古。宮城さんのダメ出し。

「うまくやろうとすると、自分の体に敏感になれない。自分の体にびっくりしていれば、必然的にたどたどしくなる。それを見せればいい。
こんな無防備な生き物を見てしまっていいのか、とお客さんが思うくらいでなければ持たない。」

照明さんのダメ出し。

「あ、ちょっと止めてください、ハシゴの影が見えてます!」「なにい!」「すみません、大高さん下ろしてください」「ハシゴ消えた。あ、また出た」「あ、たぶんこれ、俺の足です」「あー!このまま大高さんのタッパを上げます・・・」

大高さんの足

今日は20時に早めの退館。

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『顕れ』 フランス公演
2018年9/20(木)~10/20(土) 全27公演
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2018年9月26日

『顕れ』パリ日記(5) ~字幕作業、舞台美術家・木津潤平さん講演会~

SPAC文芸部 横山義志
2018年9月15日(土)

 
字幕調整作業。字幕作成担当のモハメドさんに来ていただいて、操作担当の制作大石さんと、昨日の稽古でずれていた箇所などを確認していく。

字幕作業

パリ日本文化会館で『マハーバーラタ』『アンティゴネ』の舞台美術を手がけた木津潤平さんの講演会。

パリ日本文化会館

ヨーロッパの額縁状の舞台では、奥が遠近法の消失点になっていて、無限につづく空間を表現できるが、日本の舞台は奥行きがあまりなく、水平方向に広がる絵巻物的な画面になっている。だが、この日本的な舞台を曲げながらぐーっと伸ばしていって円形にすると、永遠が表現できる舞台になる、という。

木津さん1

そうしてできたのが、アヴィニョン演劇祭2014のブルボン石切場で上演された『マハーバーラタ』のリング状舞台。

木津さん2

静岡でも2015年と2018年のふじのくに野外芸術フェスタで上演された。今度は11月にパリのラ・ヴィレット公園で上演される予定(公演詳細:https://lavillette.com/evenement/satoshi-miyagi/)。すでに地下鉄にポスターが貼ってあった。

ラ・ヴィレットのポスター

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『顕れ』 フランス公演
2018年9/20(木)~10/20(土) 全27公演
 ※9/24(月)、10/1(月)、8(月)、15(月)休演
会場:コリーヌ国立劇場
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