パリ・コリーヌ国立劇場シーズン開幕作品として、1ヶ月のロングラン公演を無事に終えてから早2か月。
いよいよ年明け1月、静岡芸術劇場に、秋→春のシーズン3作品目として凱旋します!
みなさんチラシや「すぱっく新聞」はもうご覧になられたでしょうか。
12月6日(木)にタリーズコーヒー富士市中央公園店、7日(金)に浜松市のギャラリー・ショップ「遥懸夢/はるかむ」にて、公演に先駆けて【リーディング・カフェ】を開催しました!
▲タリーズコーヒー富士市中央公園店での開催の様子
リーディング・カフェは、演劇に使われている台本をSPAC俳優ナビゲートのもと声に出して読んでみる人気のアウトリーチ企画。
出演俳優・永井健二がナビゲーターを務めた、7日「遥懸夢」での開催の様子を少しだけご紹介します。
会場の「遥懸夢」は由美画廊を引き継いで2017年にオープンしたギャラリー・ショップ。
“はるかむ”には “はるか遠くにある夢に橋を架ける”という意味が込められています。
「遥懸夢」面する鴨江小路沿いには、「浜松市鴨江アートセンター」や「木下惠介記念館」、五社公園、個人商店などが並び、アートと人が行き交い集うスポットとして少しずつ浸透していました。
オーナーの山口祐子さんは、由美画廊が閉じることになったときに、ご自身にとっても大切だった場所を無くしたくない、アートの火を灯しつづけよう!という想いから、引き継ぐことを決め、「表現の交差点」をモットーにギャラリーで様々なアーティストや作品を紹介されています。
当日お越しくださった皆さんの中にも、このギャラリーを大切に想っている方が多く、リーディング・カフェを始める前にまずは皆さんでささやかな立食パーティーを行いました。
山口さん手作りのスープや、参加者が持ち寄ってくださったサラダ、ご近所に新しくできたお店からテイクアウトしたボリュームたっぷりのバケットサンドが揃い、テーブルはあっという間に華やかに。
少し寒さが厳しくなった日でしたが、スープで乾杯、おいしい料理とともに歓談し身も心も温かくなりました。
そしていよいよ場所を2階に移して、リーディング・カフェ!
現在ギャラリーは、作家・熊谷隼人さんの作品展「地上のかけらをあつめて」の会期中(会期は12/16まで)。
生命をモチーフとした切り絵や点描画などの絵画に囲まれた空間での開催となりました。
ナビゲーターの永井によるSPACと作品の紹介ののち、まずは参加者皆さんの自己紹介からスタート。
これはお名前を知るのと同時に、「どんな声をしているか」を聞くためでもあります。
自己紹介が一周したらいよいよ読んでみる時間。
永井によって配役が割り振られ、少しずつ読み進めていきます。
『顕れ』という戯曲は前回のブログでも触れたように、世界初めての上演がわたしたちSPACによるものであり、日本語訳もされていませんでした。
そのため、翻訳の平野暁人さん、俳優たちとディスカッションを重ねながら、演出の宮城によって上演台本が作られました。
奴隷貿易を主題とし、「加担したアフリカ人たち」の告白を神話的世界での救済の物語として描いています。
作品に登場するのは、神様と魂たち。「この世に生まれたくない!」という魂たちのストライキから物語は始まります。
参加者の皆さんはもちろんまだ舞台をご覧になっていません。
場面の状況を説明する<ト書き>や台詞の口調から、キャラクターの造形を想像して声を出していきます。
皆さんそれぞれに想像力をふくらませて、個性・情感豊かに読んでいらっしゃいました。
出演俳優ならではの創作のウラ話、質問タイムを交えながら進み、中盤には実際にSPAC版ではこの上演台本からどんな舞台を立ち上げたのか答え合わせ。
何点かパリ公演の舞台写真を見ていただきました。
舞台上で演じている永井さんとの違いに驚かれる方も。
また、ビジュアルを目にした後ではみなさん少しずつ読み方が変わっていました。
キャラクターそれぞれの話し方の違いを味わいながら、その後もじっくりと読み進めてリーディング・カフェは終了。
はじめて参加された方・SPACを観たことがない方がほとんどでしたが、「新しい体験だった」「作品も見てみたくなった」「絵と音読とのコラボレーションが面白かった」など感想をお寄せいただきました。
ギャラリーや集まった方々の雰囲気も相まって、終始あたたかな空間でした。
『顕れ』のリーディング・カフェはあと1回、「遥懸夢」の近くにあり、作家・熊谷さんがレジデントしていた「浜松市鴨江アートセンター」で来週12月15日に開催いたします!
定員まであと少し余裕があるそうなので、ご興味のある方はぜひご予約ください。
また、ここから公演に向けてたくさんブログを更新していきます!お楽しみに。
◆これまでのブログ
2018.7.15更新 #001 県大での公開授業レポート
2018.7.21更新 #002 作者レオノーラ・ミアノ氏来静!
2018.8. 5更新 #003 レオノーラ・ミアノ氏講演会レポート
2018.8.30更新 #004 研修生ポールさんの振り返りレポート
2018.9.11更新 #005 世界初演まで間もなく!
◆パリ公演期間中のブログ
『顕れ』パリ日記2018 by SPAC文芸部 横山義志
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SPAC秋→春のシーズン2018-2019 #3
顕れ ~女神イニイエの涙~
2019年1月14日(月祝)、19日(土)、20日(日)、26日(土)、27日(日)
2月2日(土)、3日(日) 各日14:00開演
日本語上演/英語字幕
会場:静岡芸術劇場
作:レオノーラ・ミアノ
翻訳:平野暁人
上演台本・演出:宮城聰
音楽:棚川寛子
*詳細はコチラ
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