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2013年5月18日

<制作部よもやまブログ#37>「まるふ」演目紹介④『Waiting for Something(サミュエル・ベケット『ゴドーを待ちながら』より)』

「ふじのくに⇄せかい演劇祭2013」第3週目に登場する、
『Waiting for Something(サミュエル・ベケット『ゴドーを待ちながら』より)』
を今回はご紹介します。

アジアの各都市から若手のアーティストが集まって共同製作を行う「アジア舞台芸術祭」で3年の月日をかけて創られたこの作品は、本演劇祭用に今回あらたに再構成され、50分に凝縮した形で上演されます。

国際共同コラボレーションの本作は、
日本語・韓国語・英語の3ヶ国語上演、字幕も3ヶ国語が表示されます。
出演は、韓国からは、ソウル市劇団の看板女優チェ・ナラさん、昨年の演劇祭で韓国の伝統楽器コムンゴによる素晴らしい演奏を披露してくれたキム・ソンヒョさん、日本からは「中野成樹+フランケンズ」の村上聡一さんと石橋志保さんが出演。

サミュエル・ベケットの名作『ゴドーを待ちながら』を題材としたこの作品、一体どんな舞台なのか? 作・演出の中野成樹さんからメッセージをいただきました。
「とかく我々は、諸々を把握したがってしまいます。とある何かを、わかって、整理して、本棚に納めたがってしまいます。もちろん、それはそれで素晴らしいことだと思います。不安を取り除いて、すっきりした気分でいられます。けれども、僕らの日々は、それでもわからないことだらけで、わからないままに進んでいったりもしています。それは愚かなことなのでしょうか? 努力を怠っているだけなのでしょうか? 不安とうまく付き合いながら、むしろ不安を楽しみながら暮らしていけたら、もしかすると僕らの毎日はピカピカに輝くのでは? 静かで穏やかな心持ちを目指し、こんな作品を創ってみました。流されることが逃げではなく、えらくカッコイイことになればいいなと思って。日々のもやもやがたまらないみなさまに、是非、観ていただきたいと思います。」

この週末は、全ての劇場でバラエティーに富んだ公演が行われます。舞台と客席が一体となった小空間「BOXシアター」で上演される“中野ワールド”、ぜひ他の演目とも合わせてお楽しみ下さい!

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写真:Yusuke AOKI