2日連続で通し稽古を観てからどうもニヤニヤが止まらない中野がお届けします、
本日の【日刊!『変身』】。
昨日の「『変身』にまつわる5W1H」の続き、参りましょう。
次々と襲ってくるWhy、のほかにも、
どんどん新たな疑問が湧きあがってくるわけですが
ここはひとつ、「グレゴールにまつわるWとH」に絞ってみます。
◆ Where is Gregor?
グレゴールはどこにいる?
『変身』の主人公、ある朝目が覚めたら虫になっていたグレゴール。
部屋から出ることもままならない彼ですが
いったい、舞台のどこに現れるでしょうか?
(どこにグレゴールの部屋が現れるか、という問いにも置き換えられるかもしれません。)
これを追いかけるだけでも、
小野寺さんの作品の面白味の一つを味わっていただけると思います。
空間を立ち上げては解体し、また新たな空間を生んでいく小野寺さんの演出。
さあ、ひとつひとつのシーンで、グレゴールはどこにいるのでしょうか。
◆ Who is Gregor?
誰がグレゴール?
これはぜひご覧になる前にご想像ください。
きっと、いい意味で裏切らせていただきます。
あるいは…、もしかしたらこの問い自体が成立しないのかもしれません。
どうか、公演前にどこかで私にお会いになっても質問しないでくださいね。
◆ When is he/she Gregor?
彼/彼女はいつグレゴールであるか?
この人が…、とお思いになった瞬間があっても、
どうぞ油断なさらずに。
◆ How to “Gregor”?
つまり、
いかにして“グレゴーる”のか?
(…すみません、くだらないことを言いました…。)
「グレゴール」という人を、どのように描くのか。
フランツ・カフカは、『変身』の出版時の挿絵について
「虫」の姿を描いてはいけない、と注文をつけたといいます。
そんな「虫」になったグレゴールの姿が
今回の舞台ではいったいどうやって表現されるのでしょうか。
◆ What is Gregor?
さらにつき詰めると、「グレゴール」ってなんなのでしょう?
ある朝、突然に虫になっていた男。
彼の家族にとって、カフカにとって、
そして「読み手」である私たちにとって。
グレゴールって。なんなのでしょうか。
さあ、これらの問いの中の「グレゴール」を何に置き換えるかは皆さん次第。
「グレーテ(妹)はどこにいる?」でも、
「誰が支配人を演じるか?」でも、
「いかにして“カフカる”のか?」でも。
いろんな楽しい「?」が湧きあがってくることでしょう。
なんとも刺激的で、なんとも心地よい混沌を味わいに
どうぞ劇場へお越しください!
(早く皆様の感想を伺いたいです…!)
どの公演日も、お問い合わせが増えてきております。
少しでもお好みの席でご覧になれるよう、ご予約はお早目にー!
制作部 中野三希子
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静岡芸術劇場<ヘンシン!>記念公演
『変身』
12月6日~12月21日
公演の詳細はこちら
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