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2020年1月9日

『グリム童話~少女と悪魔と風車小屋~』ブログ#1
宮城聰の『グリム童話』が帰ってきた!

あけましておめでとうございます。
2020年のSPACは、宮城聰演出『グリム童話〜少女と悪魔と風車小屋〜』でスタートします!この作品を上演するのは、なんと8年ぶり。再演を待ってました!という声も、また今回はじめて観るから楽しみ!という声も多く、とても嬉しいです。
皆さまに観劇をより楽しんで頂けるように、作品の魅力や見どころ、稽古場や公演の模様をお届けしていきたいと思います♪千穐楽までどうぞお付き合いください!

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▲2020年始業式の後、富士山を背景にキャスト・スタッフ一同で。

グリム童話というと、子どもの頃に絵本で読んだことがある人も多いのではないでしょうか? 本作は、フランスを代表する劇作家・演出家であるオリヴィエ・ピィが、グリム童話の「手なしむすめ」というお話をもとに台本を書き、宮城聰が演出した作品です。

舞台の上で美しく紡ぎ出されるセリフの数々は、まさに「珠玉しゅぎょくの言葉」。心の中にスーッと染みわたっていくようなセリフが多く、観ている人は不思議な感覚に包まれていくでしょう。また、俳優による歌と生演奏、そして白い折り紙のような舞台美術や衣裳も大きな見どころとなっています。
 
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▲2011年初演の舞台写真。まるで、飛び出す絵本であるかのようなビジュアルです。
 

▲オリヴィエ・ピィ自身が演出をした「オリヴィエ・ピィのグリム童話『少女と悪魔と風車小屋』」は、Shizuoka春の芸術祭2009ふじのくに⇄せかい演劇祭2016(2016年は新バージョン)で上演されました。(© Christophe RAYNAUD DE LAGE / Festival d’Avignon)

 
『グリム童話〜少女と悪魔と風車小屋〜』は、2011年に初演し、翌年2012年に再演されました。
今回は8年の歳月を経て、3度目の上演です!!
 
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▲2011年(初演)フライヤー
 
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▲2012年(再演)フライヤー。この年は『グリム童話〜本物のフィアンセ〜』と2本立てで上演されました。(公演詳細はこちら
 
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▲2020年(再々演)ポスター
 

☆物語のあらすじ☆

風車小屋に住む粉屋が森の中をさまよっていると、ひとりの見知らぬ男に出会います。「風車小屋の裏にあるものをくれるなら金持ちにしてやろう」と言われた粉屋は、その提案を受け入れ瞬く間に金持ちに。ですが、そのとき風車小屋の裏には、洗濯物を干していた粉屋のひとり娘がいました。男は悪魔だったのです。3年後、再び父娘の前にあらわれた悪魔は、父親に娘の両手を切り落とすよう命じます。両手を失った娘は悲しみのあまり旅に出て…。

 
新年早々の1月4日より、劇場での稽古が始まりました。いま行われているのは、8年前に舞台の上で行われていたことを復元していく作業。じつはこの作品、俳優・舞台装置・照明・衣裳、楽器演奏の各セクションを緻密ちみつに組み合わせてシーンを作っています。タイミングを合わせる作業はとても難しいのですが、頼もしいSPACのスタッフたちが着々と問題を解決していく姿が見られます。
 
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▲照明の見え方を調整しているところ。8年前に使われていた機材が新しくなっているので(具体的にいうと、今回のライトはLEDが使用されています。たしかに8年前にはなかったアイテム…!)、光の当たり方を入念に確認します。
 
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▲こちらは演技と演奏を合わせている様子。舞台上にいる池田真紀子(少女役)と永井健二(王様役)は、出ハケのタイミングも同時に確認していきます。
 
日々の稽古や舞台裏の様子はSPACのFacebookとInstagram(@spacshizuoka)で連載している、永井健二(SPAC内での通称は「王子」。)のお届けする「王子の撮っておき」でもご覧いただけます♪ぜひそちらも合わせてご覧いただけると嬉しいです。

さて次回のブログでは、この作品のなかで宮城聰が試みている表現方法「弱い演劇」についてお話しします。「弱い演劇」とはいったい何なのでしょうか?!

どうぞお楽しみに!!

文:宮川絵理(制作部)

 
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SPAC秋→春のシーズン2019-2020 #4
『グリム童話〜少女と悪魔と風車小屋〜』
2019年1月18日(土)、19日(日)、25日(土)、2月1日(土)、2日(日)
各日14:00開演
会場:静岡芸術劇場

演出:宮城聰
作:オリヴィエ・ピィ
原作:グリム兄弟
訳:西尾祥子、横山義志
音楽監督:棚川寛子

出演:池田真紀子、森山冬子、鈴木真理子、武石守正、大内米治、貴島豪、大道無門優也、永井健二、宮城嶋遥加、若宮羊市
★公演詳細や関連企画はこちら
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