象ブログⅣでは、本作の担当である佐藤と、インターン生宮城羽那さんとの対談形式で作品の魅力や関連企画についてご紹介しています!
対談❶はこちらからお読みください。
佐藤:戦争の歴史といっても、意外と自分の故郷について、知らないんだよね。羽那さんは、静岡出身だけど、なにか知ってる?
羽那:静岡といっても焼津市出身なので、静岡市の歴史は分からないですね。大きな空襲があったとか、駿府城公園の「やすらぎの塔」などは大学の授業を通して知ったりはしました。
佐藤:静岡大空襲・・、実は『象』の担当になってから、静岡平和資料センターに行ったりして、静岡市で大きな空襲があったことを知りました。そこで「静岡の戦争の記憶を巡る街歩きツアー」(12月14日・15日開催)を企画しています。先日、下見に行って、駿府城公園周辺や、静岡銀行本店の前を実際に歩いてきたんだけど、ボランティアガイドの駿府ウェイブさんの解説やエピソードを聞いて、普段何気なく歩いていた街の光景がもう本当に変わって見えたの。暮らしている街の歴史を知ることも大切だと思いました。
羽那:地元の歴史としては、第五福竜丸のことは必ず勉強します。地域探訪みたいな感じで、資料館に行きます。資料館には図書館も併設されていて、自分は図書館にいくついでにも、資料館に行ってましたね。クイズみたいなのがあって、それを解くのが好きでした。
佐藤:第五福竜丸って、教科書にも載っているけど、あまり深掘りはしないかもね。私は吹奏楽部だったんだけど、コンクールでよく演奏される曲に『ラッキードラゴン~第五福竜丸の記憶~』という曲があって、必ず夏になると、目にもするし耳でも聞いてたの。2年前くらいに所属していた静岡大学吹奏楽団が演奏していて、そこで出身大学の教員が研究に携わっていたことを知って、突然身近に感じたんだよね。静岡にも被爆の記憶はあるんだよね。今年「第五福竜丸事件」から80年で、焼津の資料館でも展示がされていて見にいきました。
佐藤:水爆実験が行われていたマーシャル諸島ビキニ環礁の現地についてのパネルもあって、そこにも人がいて、被爆と思うと、広島・長崎のことを想像するけど、焼津のことも考えてしまう。マグロを買わないとか、色々差別もあったはず。街歩きツアーのツアー地を考えるときにも実感したけど、戦跡も消えつつあって、記憶の継承の難しさも感じています。
▲第五福竜丸の船体模型が展示されています。
羽那:それでいうと、今授業で東日本大震災について勉強しているのですが、奇跡的に残った建物を残していくかどうかという話がありました。その比較対象に、原爆ドームが出てきます。原爆ドームはこうだから、震災以降も残すべきという意見がたくさんあって、どこかしら、戦争に対する意識って結構根強くみんなもっているんじゃないかと感じました。共通認識としてやっぱりあるから、原爆はよくないということを繋いでいかなきゃと思ってはいるんだけど、直視はできない、みたいな。
佐藤:そうだよね、共通認識としてあるけど、例えば終戦の日に式典が行われるけど、認識として現地の人とそうではない人に差が出てしまうよね。広島の人が静岡に来て、その認識の差に驚いて、自分こそ体験を伝えなきゃと思ったという記事を読んだよ。
羽那:私も、広島に行ったときに体験を伝える、伝承者の方のお話を聞きました。先ほど話した、市の派遣で、2-3時間ほどみっちり伝承者の方の話を聞く機会があって、詩の発表とかもありました。
佐藤:広島の事業で、伝承者を派遣する事業があるんだよね。それにSPACも申し込んで、羽那さんが在学している静岡大学で講話を開催します。
羽那:はい、私がチラシを作成しました!なかなか静岡で伝承者の方のお話を聞く機会はないと思うので、多くの方に来てくださると嬉しいです。
俳優さんのリーディングやEMMAさんのファシリテイトも楽しみです。当日参加もOKなので、ぜひ気軽にいらしてください。
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【平和学習プログラム】
~家族伝承者による被爆体験講話を聞く~
◎日時:2024年11月28日(木) 13:00-14:30(12:45 開場)
◎会場:静岡大学 静岡キャンパス 共通教育L棟 201
※公共交通機関をご利用ください。自家用車の入構はご遠慮ください。
◎対象:大学生及び一般の方
◎定員:50名
▼お申し込みはこちらから(当日参加も歓迎!)
https://forms.gle/51vvrRN8VVPiq6h56
▼講話の詳細はこちら
https://spac.or.jp/news/?p=24647
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SPAC秋→春のシーズン2024-2025
#2『象』
演出: EMMA(旧・豊永純子)
作:別役実
出演:阿部一徳、小長谷勝彦、榊原有美、牧山祐大、吉植荘一郎、渡辺敬彦[五十音順]
<静岡公演>
SPAC秋→春のシーズン2024-2025 #2
12月7日(土)18:30開演/8日(日)・14日(土)・15日(日)各日14:00開演
会場:静岡芸術劇場
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