真夏の夜の噂...第18回の今回は俳優の牧野隆二(まきの りゅうじ)さんにお話を聞いてみましょう。
[ 近年のSPAC出演作品:『ペール・ギュント』(2010)痩せた男役他 ]
Q.自分の役について教えてください。
創業130年・割烹ハナキンの出入り業者の「酒屋」を演らせてもらいます。この割烹がまずスゴイ!そこの娘・「ときたまご」の結婚披露宴が予定されているのですが、1500人の招待客に4mのウェディングケーキ、お色直しが7回…と、とにかくスケールがでかい!うちの酒屋はこんなにも立派な老舗割烹の出入り業者をやらせて頂き、本当にありがたいです。ハナキン一本で代々やっていけます。もう足を向けては寝られません!ハナキンのお嬢様の披露宴では場を盛り上げる為、他の出入り業者仲間と共に、命をかけて余興をさせて頂きます!けどいつもドタバタしてまとまらず、何をしても的を得ない感じなんですが。・・・そうそう、僕は酒屋なのに下戸(ゲコ)です。お酒飲めないんです。自分が売っている酒の味も分らないんです。ドンくさくてすいません。それで商売やっていけるかって?ハナキンさんさえあればやっていけます。まいど~!
Q.野田秀樹さんの戯曲を読んでどう感じましたか。
役名がおもしろくてまずそれだけで笑えるし、台詞のギャグがシュールですごく好みですね。それからシェイクスピアの原作では勘違いがきっかけで話がドタバタと展開するんですが、この『真夏の夜の夢』では原作にはいない、「メフィストフェレス」っていう役が出てきます。この役は世の中に対してすねているような、独特の価値観を持っている。そして邪悪なもくろみを持って、舞台である「真夏の夜の森」を不気味に混乱させ、操り、彼の世界に引き込んでいく。野田さんの『真夏の夜の夢』は原作よりもシェイクスピアらしいと感じます。
Q.あなたならどんな媚薬・妙薬を使いますか。
僕は勉強ができないんです。実写版「頭が悪い精」ですかね。トホホ。その精で家族や仕事仲間をはじめ多くの人に多大な迷惑をかけているんですよ。台本の読み合わせをしていても漢字が読めず、「下手人」を「しもてにん」って読んでしまったり。舞台の仕込み作業のときも、貼らなくていいところに両面テープをバーっと一列に貼ったりしてね。でも最近では間違えて恥ずかしいと思わず、堂々と間違えようかなって!うーん、それでもやはり頭が良くなるお薬があったらぜひ使いたいですね!
Q.最近ハマっていることがあるとお聞きしましたが。
ギャグが大好きなんですよ。今は稽古の合間に色々なものを見つけては駄洒落を言いまくることにハマっています!シンバルなら「よーし今日もシンバルぞ!」とか、役名でも、「メフィストフェレス性胃腸炎」とか。そういう親父ギャグを「豆腐屋」のテッちゃん(俳優:関川哲生さん)と共に言っています。2・3人は笑ってくれますかね。少数受けです(笑)。
はじめて台本を読んだとき「仲居おてもと」を演じたいと思ったという牧野さん。「おてもとは女性だよ!」と共演者に突っ込まれたそうです。ギャグが大好きでちょっと天然キャラな牧野さん。日々ギャグに磨きをかけています!